« 平成18年 意匠法等の一部改正 産業財産権法の解説 第一部 意匠法の改正項目 第一章 | トップページ | 平成18年 意匠法等の一部改正 産業財産権法の解説 第一部 意匠法の改正項目 第三章 »

2007年1月 6日 (土)

平成18年 意匠法等の一部改正 産業財産権法の解説 第一部 意匠法の改正項目 第二章

 今年の改正本には、特に意匠法で改正趣旨が細かく記載されている感じを受ける。 まぁ、大改正であった平成10年の趣旨を超える形で改正がされていたりするので、より詳しく記載されているのかなという感じである。 ということで、短答式試験のために条文を確認し、口述試験のために、制度改正の趣旨を勉強する必要がありそうである。 

 そういえば、雄松堂出版から「意匠法コンメンタール」という本が出てますね。 中を見てないし、買う気もないのですが、試験における基本書となったりするのでしょうかね!? まぁ、昨今流行の勉強法をとる場合には、基本書といわれるものを買う必要は無く、予備校の出している書籍を読めば合格はできるので、基本書という概念自体古いかもしれませんね。 司法試験でも、吾妻とか内田とか読むんですかね!?!?

 

 話戻して、

第二章 意匠の定義の見直し(画面デザインの保護の拡充)(第13~17頁)

2条1項 この法律で「意匠」とは、物品(物品の部分を含む。8条を除き、以下同じ。)の形状、模様若しくは色彩又はこれらの結合であって、視覚を通じて美感を起こさせるものをいう。

2項 前項において、物品の部分の形状、模様若しくは色彩又はこれらの結合には、物品の操作(当該物品がその機能を発揮できる状態にするために行われるものに限る。)の用に供される画像であって、当該物品又はこれと一体として用いられる物品に表示されるものが含まれるものとする。

 改正本を読まずに、条文だけを眺めると、、、

 部分意匠とは、物品の部分の形状、模様若しくは色彩またはこれらの結合であって、視覚を通じて美感を生じさせるものをいう。 なので、2条2項において規定されているのは、部分意匠には、物品の操作の用に供される画像が含まれるということである。 いいたいことは、全体意匠としても保護されることは明示されていないということである。 ただ、部分意匠は、全体意匠の一部と読むことができるので(物品には、物品の部分が含まれるので)、まぁ、部分意匠には物品の操作の用に供される画像が含まれるのであるから、その部分意匠を含む全体意匠も保護されるっつうことになるわけですな。

 審査基準を読まないとわからないけど、以前の3要件は、どうなるんでしょうね???

「「物品の操作(当該物品がその機能を発揮できる状態にするために行われるものに限る。)の用に供される画像」が、「物品の部分の形状、模様若しくは色彩又はこれらの結合」に含まれるとは、当該画像が物品の一部分として保護されることをいい、通常の全体意匠の一部分として保護されることをいい、通常の全体意匠の一部を構成する要素、あるいは、部分意匠を構成する要素として保護することを可能とするものである。」(15頁)

 2条1項かっこ書って、部分意匠のことを規定していると理解していたんだが・・・ どうも間違っているのかな??? 上記のようだと、2条1項かっこ書は部分意匠のことだけをいっているのではなくて、部分であっても全体意匠の一部として保護され得るということをも規定しているということになる。 とはいえ、画面デザインが全体意匠としても部分意匠としても保護されるという点は明らかである。

≪短答ポイント1≫

 ゲーム機を使用してゲームを行っている状態はゲーム機の機能を発揮させている状態にあたるので、ゲームソフトによって表示される画像は意匠登録を受けることができる。

 否

 ということで、「機能を発揮できる状態」か「機能を発揮させている状態」かは重要である。 簡単にいえば、初期状態のみの画像が保護されるといえるのである。 という観点から、Windows(登録商標)の画像は意匠登録を受けることができないとなるわけである。 Windowsによる画像は、既に物品であるパソコンの機能を発揮させている状態での表示になるからである。 こうなってくると、Macの場合はどうなるんですかね??? まぁ、保護されないんだろうけど・・・

「「機能を発揮できる状態」とは、当該物品の機能を働かせることが可能となっている状態であり、実際に当該物品がその機能に従って働いている状態は保護対象に含まないことを意味する。」(16頁)

≪短答ポイント2≫

 画像を含む意匠は組物の意匠として保護されることはない。

 否

 結局、画面デザインであっても、部分意匠として出願しているのか、全体意匠として出願しているのかで、組物の意匠として保護されるのかを考えればよいだけである。 ただ、画面デザインを部分意匠でなく、全体意匠で出願した場合には、ある意味あまり意味のない出願となるよね。 だって、画面デザインが全体意匠において要部足りえるかというと・・・ その辺は、(補説)として記載されているところである。 弁理士としては、両方出願することを進めるのが一番いいのだろうな。 因みに、平成18年論文式試験では、部分意匠と全体意匠の利用関係を絡めた問題がでたけど、その辺の理解をする上でも、(補説)の部分が参考にちょっとはなるかな。

≪短答ポイント3≫

 画面デザインが汎用の表示機器に表示されている場合に、斯かる表示機器を製造販売する行為は、物品そのものの表示部に画面デザインが表示される意匠の意匠権の侵害となる。

 否

 って、ここって結構重要な点だと思うけど、問題文でうまく表すのは難しそうである。 口述で絵つきで問われる部分かな。 

「画面デザインが、物品そのものの表示部に表示されておらず、当該機器と接続されている汎用の表示機器等に表示されている場合については、当該表示機器を業として製造、使用、譲渡等する行為が侵害とされるのではなく、意匠権で保護された画面デザインをその部分とする物品の製造、使用、譲渡等が禁止されるものと考えられる。」(17頁)

 なので、画面デザインを部分意匠なり全体意匠として意匠権を有していたとしても、接続される汎用の表示機器等(画面デザインが表示される)の販売行為自体を意匠法では権利侵害とすることはできないということである。 この場合には、意匠法ではのみ品以外は間接侵害に該当しないので、汎用の表示機器に画面デザインが表示されるということのみでは間接侵害にも該当しないだろうしね。 まぁ、汎用品を売っている行為を意匠権の侵害とするほうがおかしいともいえるが。。。 因みに、汎用の表示機器等に画面デザインが表示される場合に、物品とのセットで販売した場合に、意匠が類似となるんですかいな??? 全体意匠だと間違いなく形態が非類似だよね。 部分意匠ではどうなるんですかね・・・ プリンターなんかで考えるといいのかな? プリンターの表示部に画面デザインが表示される場合で、物品がプリンターの意匠権がある場合に、その画面デザインをパソコンのモニターに出るようにして販売したような場合には、やっぱり、意匠は非類似かな。。。 ここの(補説)がどういったケースを意味しているかは、やっぱり絵付の審査基準が必要ですな。 DVDとかで、TV画面に出る画像が該当するのかな。 この場合にゃぁ、出願自体が、TV画面を含めた状態となるであろうから、まぁ、汎用品のTVを販売する行為が侵害っつうのはおかしいのは明らかじゃの。

 

 

本日のキーワード: 改正本を逐一読んだのは初めてですよ。

|

« 平成18年 意匠法等の一部改正 産業財産権法の解説 第一部 意匠法の改正項目 第一章 | トップページ | 平成18年 意匠法等の一部改正 産業財産権法の解説 第一部 意匠法の改正項目 第三章 »

コメント

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 平成18年 意匠法等の一部改正 産業財産権法の解説 第一部 意匠法の改正項目 第二章:

« 平成18年 意匠法等の一部改正 産業財産権法の解説 第一部 意匠法の改正項目 第一章 | トップページ | 平成18年 意匠法等の一部改正 産業財産権法の解説 第一部 意匠法の改正項目 第三章 »