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2008年4月30日 (水)

そのブログ!「法律違反」です

そのブログ!「法律違反」です 知らなかったではすまない 知的財産権のルール 前岨博 早坂昌彦 石塚秀俊 ソフトバンク新書

 久々、知財本です。 一般書籍の分類でもよいかもという読後感なのですが。。。

 正直、新書としても内容が物足りないような気がします。 30分くらいでザクッと読めてしまいます。 今ハヤリ(?!)のフォトリーディングを使わずに逐語読してです。 ターゲットは、全くもって知財を知らない人ってところでしょうか。 知財に携わるものとして、ブログの法律違反については敏感でなければならないので読んでみたんですが・・・ ブログネタはあまり続きません・・・ 中小企業における顧問のような知財コンサルの仕事をしているのでは?というような著者の職責が偲ばれる内容です。 

22-23頁 アニメのキャラクターは著作物ではないというのは、認識しているのですが、理解ができていないのです。

 「アニメという著作物の画面をまねて、そこに登場するキャラクターの絵を描く行為が、著作物の複製行為といい得る、というのが判例の考え方です。」

 というところがよくわからんのですよねぇ~ やっぱし、最高裁判例をまじめに読んでみないといけません。 「複製」というところでひっかかってしまいます。

85-88頁 写るんです事件、インクタンク事件に触れられているのですが、いくら新書とはいえ、ザクッと書きすぎなきがします。 「流通に置かれた使い捨てカメラの特許権はいったん消尽したものの、使い切って効用を終えたことで再び特許権の効力が認められることとなり、少しおかしな感じもしますが、判例はこのように判断しました。」と記載されているのですが(88頁)、、、 判例の内容はモハヤうろ覚えなので、なんなんですがちょっと違うのでは?と思いました。 写るんです事件では、本質的部分の破壊、再構成があったので消尽したままとは認められないと判示されたのではなかったでしたっけね。。。 まぁ、ここまで書くとちょっと専門的すぎますし、分かりにくいですから上記流れでもいいのかもしれないんですが。。。 とはいえ、???な部分でした。

92頁 「ゲーム画面の画像は、ゲーム機そのものの制御や設定を行う操作のための画面ではなく、あくまでもゲーム内でゲームを展開したりキャラクターを操作するためのものなので、意匠法で保護の対象「画像」ではありません。 「画像」として認められるものとしては、例えば、デジタルカメラや携帯電話機、カーナビ等の画面で、機器の操作に用いられる画像などにとどまります。」

 意匠から離れているので、忘れていましたが、、、 平成18年改正にはほぼついていけなくなっていて、Windowsの画面は保護されないんでしたっけね? Macはどうなんだということころもありますが。。。

99-102頁 「他人のブログに掲載されていた発明を特許出願してもよいか?」 

 自社の発明の改良発明がブログに掲示されていてそれをそのまま特許出願することを企図している状況として記載されていると思うのですが、、、 先使用権から先願主義の流れで説明されています。 しかも、「第三者がこのブログに掲載されていた発明に価値を見出し、その発明を「いただいて(特許権を取得して)」ビジネス活動を行うことは、法律上は問題はないと思われます。」

 「同じ発明をした人が二人いた場合」は確かに先願主義ですが。。。 本当に、法律上は問題ないんですかね? 発明者は誰にするんでしょうか?? 字面だけを追うと冒認出願に該当するような気がしますが・・・

 受験時とその後の理解でかわったのが、

1.甲: 学会で発表

2.乙: 学会発表を見て特許出願A

3.甲: 30条適用して特許出願B

4. 特許出願Aの公開

 の場合に、甲は特許出願Aについて特許を受けることができるか?という問題です。 受験時には、特許出願Bは、特許出願Aの公開により29条の2の規定が適用されて特許を受けることができないと理解していたのですが、、、 その後、変わった理解としては、事例の実体を考慮すると(実際の審査とは違いますよ!)、特許出願Aと特許出願Bとでは、発明者が甲で同一なので、29条の2の適用はなく特許を受けることができるというものでした。 ということで、上記著作における事例でも、発明者はブロガーですので、やっぱり冒認出願ですよね(法律的に問題あり。)。

130頁 「将来的には、アジア太平洋経済協力会議(APEC)域内等において、各国の特許審査結果を相互利用できるようになる可能性もあります。」

 審査結果の相互利用と、審査結果の相互認証とは意味合いが違いますね。 相互利用は今でもなされているのではないですかね? 翻訳の観点から、JPO→USPTOが問題ですかね! なお、JPOとUSPTOは、相互利用の一環として特許審査ハイウェイを行ってますよね。

135頁 「2004年7月、特許庁が、特許電子図書館の特許・実用新案の公開公報へのアクセス状況を調査したところ、アクセス件数の上位10社は日本企業ではなく、韓国、台湾、中国企業であるというショッキングな事実が明らかになりました。」

 これまことしやかに言われていましたが、本当だったんですね。 データを探してみたのですが、見つかりませんでした。 元データを見たいものです。

157ー158頁 「独特の形状や動きに技術的な特色もあり、」な製品に対し、「某大手企業が、我が社の器具と見間違える製品を自社製品として展示している」という状況で、「自社製品の独自技術について、特許権を保有しているかどうかが問題となります。」だけの説明です。

 独特の形状などにも特徴があるのですから、意匠権や不正競争への言及も欲しいところです。

 

 

本日のキーワード: 弁理士の監修を入れたほうが良かったのでは?(笑)

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