日米特許戦争の狭間で
日米特許戦争の狭間で 米国特許弁護士・パートナーへの3000日 服部健一 The Japan Times
1994年に初版が出ているので古い本ですが、読んでみました。 自己アピールの強いお方です。 アメリカナイズされたのか、元々、押しが強いから、米国でパートナーになれたのか。。。 特許庁審査官→米国弁護士です。 この流れは、我々の業界だと、思いつく人がいますね! 米国特許に関する入門書を書いておられる木梨貞男氏です。 同じ事務所に所属しているようです。
169頁 「普通の人の数倍は働く私をみて・・・」
全編に渡ってこんな感じです。
38頁 「アメリカの法律事務所ではアソシエート(法律事務所の構成員である弁護士や弁理士)は徹底的に働かされ、稼がされる。 彼らの稼ぎの60%はオフィスに献上され、パートナー(法律事務所を経営する)の収入につながっていくからだ。」
日本と同じなんですね。 日本の特許事務所でも売り上げの3分の1が、アソシエイトの取り分といいますもんね。
39頁 「また、日本の制度(特許を含む)がアメリカの制度と根本的に異なる点は、日本の制度は国が生き残ること(survival)を目的にしていることだ。 古くは中国を範とし、新しくは欧米を相手とし、無資源の島国としては、個ではなく、全体が生きることを目的とした制度でなくては生き残っていけない。 特許制度も独占権よりも産業の調和を第一の目的としている。」
40頁 「日本の特許制度が遅れても問題がないのは、独占権として利用するシステムというより、研究者哲蒙のために教育的なものを基本目的としているからだ。 したがって出願も白衣の研究者のみならず、現場の技術者までが行う。」
40頁 「さらに問題となるのは、日本の特許庁と米国特許庁との性格の差である。 日本の社会は原則的に官庁中心であり、審査官のポストは官僚というエリートである。 ・・・ 優秀な学生は、軍かサービス産業へ行き、あまり成績が良くない者が仕方がなしに米国特許庁などの役所へ行くことが多い。 ・・・ そして、アメリカでは特許の本当の真価を争う場所は裁判所である。 すべての制度の根本は裁判にあり、訴訟が基本となっている。 日本の場合は官庁(行政庁)が主体となり、全体の調和を図りむしろ訴訟回避型である。」
著者の書いているこの状況って今でも脈々と流れていそうです。 このあたりの制度の理解なくして、特許庁の審査官の対応(拒絶することが仕事)というものは理解できないかもしれません。
途中、氏の発行する米国の特許情勢に関するレポートを読まないものは知財業界にいないといった文章があったのですが(どこだったかは失念)、どんなレポートだったのか気になるところです。 今も発行されているのでしょうか・・・
本日のキーワード: 日米特許最前線
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