« 2010年7月 | トップページ | 2011年5月 »

2010年12月 9日 (木)

日本弁理士会の決議文

超、久しぶりの投稿です。
 
英語は、一身上の都合により、多少先延ばししている状態にあります。
投資額が半端ないので、必ずや復活します。
 
さて、今日は、私の所属する団体が、どうも決議を出したようですので一筆。
 
遡ると、日本弁理士会は、平成22年9月15日付けで、会長名で、以下の提言を行っていました。
 
------------------------

[提言]特許出願件数激減への対応策をとるべきである

 平成21年、我国の特許出願件数は平成20年に比して11%以上減少し、34万件に止まりました。米国や中国の特許出願件数が順調に増加している状況下、我国の特許出願件数減少は「異常な状況である」と認識しなければなりません。
 我々は、日本国特許庁への多くの特許出願は日本国企業の技術開発力の成果であると共に、将来の産業競争力を占うバロメータであると考えます。特許出願の減少は、日本国企業の国際競争力の低下を意味し、我国の将来的な国力低下を予測させるものでもあり、あってはならないことであると考えます。
 これまで、我国は知的財産を活用した科学技術立国、知的財産立国の目標を掲げてきました。しかし、このような状況では目標達成も覚束なくなり、世界はもとより、アジアにおける主導的立場をとることすらできません。
 このような状況に鑑み、我々は特許出願件数を回復させるべきであり、また、国家として、そのための対応策を速やかに採るべきであることを強く提言するものであります。
 日本弁理士会は、今まで以上に知的財産権の重要性を会員に周知すると共に、独自の施策を速やかに実行するものであります。また、日本弁理士会の各会員は、今まで以上に特許を含む知的財産権の重要性を説き、優れた発明について強い特許権を得るべく、特許出願を鋭意奨励し、我国のために力を尽くさなければなりません。
 もちろん、特許庁をはじめとする各官庁は、我国の基本的開発力の成果としての特許出願を奨励し、産業再生に尽くし、国民にその成果を還元しなければなりません。特許庁は、特許出願件数増大を奨励する意見表明をし、企業などに特許、意匠、商標の出願を奨励し、特許制度的支援策を採り、審査請求料等の料金や税制などの財政面での支援策を採用するなど多くの施策をとるべきと考えます。
 我国において、唯一の無限資源といえる知的財産を活用することこそが、今後も我国が世界の主導的立場を保ちつつ、人類を繁栄に導く近道であると信じるものであります。
 
------------------------
 
 
上記は提言だったので、あまり気にも留めていなかったのですが、今度は、決議です。
 
 
------------------------

特許等出願件数激減に対する緊急対応策を講じることに関する決議

決議文

 日本弁理士会は、昨今の特許等出願件数減少傾向を、日本の知財力の低下、ひいては産業競争力の低下をもたらす事態として憂慮している。産業財産権制度の適正な運用を担う責任ある専門家集団である日本弁理士会は、かかる事態を座視することなく、その改善に積極的に取り組むべきと考える。
 そこで、日本弁理士会は、関係する政府等国家機関への提言や喚起を積極的に行うとともに、産業財産権制度の現況と展望を広く知らしめる広報活動の強化や、出願援助制度の紹介など、日本弁理士会独自の緊急施策を立案し、これを速やかに実行する。また、日本弁理士会の会員は、自らの職務を通して、今まで以上に産業財産権の重要性を説き、プロパテント政策に沿った適切な特許等出願に助力するほか、知的財産の価値の維持向上に努力する。
 もって日本弁理士会は、会員とともに、政府が標榜するところの知的財産立国の実現に向けて尽力する。
 以上を総会の総意としてここに決議する。

以上
------------------------
なんだか血判状のような、果たし状のような、古臭い感じがして、感情論的にまずかっこ悪いなぁと思うのです。
 
私、不肖なことに、弁理士会総会の案内きても、委任状すら出さずに適当に流していたのですが、そのツケとして、知らぬ間に総意として、決議文が出されてしまいました。
会員からなる総会の総意としての決議文ですから、個人的な好嫌はありますが、尽力はしていくつもりです。ですので、弁理士会会員であり、総会で定まったことですので、この投稿を持って、以後内容について文句は言いません。
ただ、弁理士会の決議にならって、私も少しだけ、自分の所属団体の動向に今後は、注意を向けてみようと考えさせられた、ある秋の昼でしたので、思わず、久しぶりに投稿してしまいました。
 
 
なお、何でこんなことに気づいたかというと、
アマチュアサイエンティストさんの、「前代未聞の馬鹿爺ども」というエントリーなのですが、
弁理士会自体は、今や、2/3くらいが昨今の易化した弁理士試験合格者(ようするに、相対として若手)が占めている団体ですので、「前代未聞の馬鹿爺ども」ではなく(爺どもとタイトル付けすることにより、老害的なイメージが湧きますので)、「前代未聞の馬鹿弁理士ども」ですね(弁理士全てひっくるめて、爺でしかないというアイロニーかもしれません。)。
 
ほんと、
「日本弁理士会って馬鹿ですか。こんな決議をするような日本弁理士会って、知財立国の弊害にしかならない。」
おっしゃるとおりでございます。。。
 
従前、特許庁が、仕事(審査)に手が回せないので、これ以上の無駄な特許出願を控えてください!実質的な審査請求の取下げを!って、各企業さんにお願いに回っていたことが嘘のような時代になっているわけですが、一応、知財業界の両巨頭足る(足らなきゃならない)、特許庁と日本弁理士会が、このような発想では、日本の知財の発展って大丈夫なんですかね?
この業界に身を置く人間として、悲しい出来事です。
 
左翼ではありませんが、求む!総括
 
 
本日のキーワード: フランスのデモを見ると、日本の平和さ、民意の低さに、思いが寄せられます。
 

| | コメント (3) | トラックバック (0)

« 2010年7月 | トップページ | 2011年5月 »