2007年1月12日 (金)

平成18年 意匠法等の一部改正 産業財産権法の解説 第一部 意匠法の改正項目 第七章

第七章 秘密意匠制度の見直し(第33~35頁)

 秘密意匠制度は、「直ちに当該意匠の実施を行わない場合に意匠公報が発行されることによる第三者の模倣を防止しようとする趣旨」(33頁)であるので、模倣防止の観点から本改正において、重要な位置を占める改正であるといえる。

14条2項 前項の規定による請求をしようとする者は、次に掲げる事項を記載した書面を意匠登録出願と同時に、又は42条1項の規定による第1年分の登録料の納付と同時に特許庁長官に提出しなければならない。

≪短答ポイント1≫

 意匠登録出願人は、意匠公報の発行の日前であれば、常に、秘密意匠の請求をすることができる。

 否

≪短答ポイント1’≫

 意匠登録出願人は、登録査定の謄本の送達後、登録料を納付するまでは、秘密意匠の請求をすることができる。

 否

 この改正も、時期的要件がらみだけ注意しとけばよい。 ただ、気をつけなければならないのが、過去問で良く出ていたようなの。 

 例えば、話が前日に戻るけど、法改正前は、30条適用の特許出願を意匠登録出願に変更した場合に、特許出願のときに14日以内に30条4項の証明書面を提出していないと、変更後の意匠登録出願において4条の適用を受けることができなかった(はず)。 こういう問題は結構脳裏に焼きついているもので、条件反射で昔の対応をしてしまうんじゃないか!?って思える。 今後は、特許出願時に出願日から15日以降に30条4項の証明書面を提出した場合であっても、4条適用を受けることにより意匠登録を受けることができることとなったので、こういった問題は再度確認しとく必要があるんじゃないかな?って思います。 って、去年の改正が地域団体商標のみで、あまり他の条文とリンクしてなかったので、過去問の解答変更っていうのが少なかったのはラッキーでしたな。 実際、私も法学書院の古い法域別問題集とかで勉強してたからなぁ。

≪短答ポイント2≫

 特許出願から意匠登録出願に変更出願をした場合には、秘密意匠の請求をすることができる場合はない。

 否

も、類題といえるでしょう。

 秘密意匠の請求をすることができるのは、2回しかないわけだが、ここの改正趣旨は、口述で聞かれると思う。 何で、登録料の納付と同時の場合だけに限られるんですか?って。 端的にいえば、特許庁の負担軽減ってところにあるけど、昨今は改正本どおりの内容で言わないと許してくれなかったりするので、口述前には覚えないといかんでしょうな。 適当に言って思いつける趣旨ではないだろうなぁと思えます。

「なお、登録料の納付については、出願人だけでなく利害関係人もすることができるため(・・・)、出願人が登録料の納付と同時に秘密意匠の請求を行おうとしても、先に利害関係人によって登録料が納付され、秘密意匠の請求の機会が失われてしまう場合があり得る。」(35頁)

 いやぁ、こんな状況って結構すごいんでは!? 登録査定の謄本の送達があってから30日以内に登録料を納付しなければならないので(期間が短いよね。)、利害関係人が支払うためには、かなりのウォッチングが必要といえよう!!! まぁ、権利者からするとラッキーだが、勝手に支払われてたなんて事例が今までにあったりするのかな???

≪短答ポイント3≫

 利害関係人が秘密意匠の請求をすることができる。 

 否(これは、過去問にあったかな!?)

 

 秘密意匠を請求する場合には、67条2項により、手数料の納付が必要である。

別表(67条関係) 

二 14条1項の規定により意匠を秘密にすることを請求する者 一件につき5100円

 で、意匠登録出願と同時に秘密意匠の請求をした場合で、拒絶査定又は拒絶審決が確定した場合にはどうなるの?  

67条7項 過誤納の手数料は、納付した者の請求により返還する。

の規定で、返してもらえたりするのかな? って、それはないだろう。

14条1項では、「その期間その意匠を秘密にすることを請求することができる」とあって、あくまで、14条で規定しているのは、秘密意匠の請求についてである。 よって、67条2項に基づいて支払う手数料というのは、秘密意匠の請求の手続に対してであって、条文上は、秘密意匠の意匠公報の編纂のための手数料ではない。 となれば、拒絶査定になって、意匠公報が発行されない場合でも、そのために支払った手数料は過誤納とはならんでしょう!!! そういえば、4条適用の場合には、手数料っていらないのね。 14条の手数料ってなんなんでしょうね!?

 そういえば、短答過去問で、秘密意匠の場合には、登録料のほかに別途手数料が必要である。といった問題がありましたな。

≪短答ポイント4≫

 秘密意匠の意匠登録出願について、登録料とは別の手数料の納付が必要な場合がある。

 是(かな!?)

 秘密意匠の登録料は不要だが、登録料の納付と同時に秘密意匠の請求をする場合には、手数料は必要。

 

 

本日のキーワード: 意匠はおしまい。

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2007年1月11日 (木)

平成18年 意匠法等の一部改正 産業財産権法の解説 第一部 意匠法の改正項目 第六章

第六章 新規性喪失の例外の適用の手続の見直し(第31~32頁)

「この規定の適用を受けるための手続は、出願時に適用を求める旨を願書に記載し、出願から14日以内に適用の要件を満たす事実を証明する書面を提出することが求められる。 これは登録要件の審査を迅速かつ的確に行い安定した権利を発生させるために、その審査が行われる時までに必要な情報が提供されているべきことを趣旨とするものである。」(31頁)

「近年の企業の製品開発の活発化や多様な情報媒体による情報流通環境の発展に伴い、出願前に自ら意匠を公開するケースが増加している。 ・・・、特に、日本国内又は外国において公然知られた意匠となったことについて第三者からの証明を取得することに要する手間と時間が負担となっているため、・・・」(31~32頁)

「・・・、出願人の利便性の向上の観点と審査着手時期までに適用の要件を判断するための材料が提出されているべきことを考慮し、・・・」(32頁)

 って、意匠の場合は、証明が容易だから14日なんじゃなかったっけ? また、審査着手時期っていうけど、意匠の場合、8月程度ではなかったか???(14日か30日かで揉め事が起きる期間ではなかったのでは?)

青本883頁 「意匠は具体的な物品の形状、模様等であり、抽象的な発明、考案の場合よりも証明書の作成が容易であるため、特許法、実用新案法よりも期間を短縮した。」

 

 

 新規性の喪失の例外については、特にありませんな。

 

 

本日のキーワード: 飲みすぎて気持ちが・・・

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2007年1月10日 (水)

平成18年 意匠法等の一部改正 産業財産権法の解説 第一部 意匠法の改正項目 第五章

第五章 関連意匠制度の見直し(第25~30頁)

 「関連意匠制度とは何ですか?」と問われれば、「一つのデザインコンセプトに基づいて同時期に創作されるバリエーションの意匠群を保護する制度です。」と答えていたが、本改正で一言定義が変更になる。

 青本896頁にも、「デザイン開発の過程で、一のデザイン・コンセプトから創作されたバリエーションの意匠については、同日に同一出願から出願された場合に限り、同等の価値を有するものとして保護し、・・・」とある。

 とはいえ、イタリック部分を削除すればいいだけか・・・

 

 本改正で時期的要件が緩和されたことにより、要件的には、類似意匠制度のような状態に近づいたといえる(関連意匠が独自の効力範囲を有する点で違うけど)。 今になって考えてみると、なんで類似意匠制度から関連意匠制度に変わるときに、本改正のようにしなかったんだろうか? なんか理由あるんかいな?

 説明されている趣旨としては、「近年のデザイン重視の商品開発においては、開発当初からすべてのバリエーションを創作する場合に限らず、当初製品投入後に需要動向を見ながら追加的にデザイン・バリエーションを開発する等、デザイン戦略がより機動化・多様化しつつある。」が一番理解しやすいかな。 口述のためには全部覚える必要があろうが。。。

 

10条1項 意匠登録出願人は、自己の意匠登録出願に係る意匠又は自己の登録意匠のうちから選択した一の意匠(以下「本意匠」という。)に類似する意匠(以下「関連意匠」という。)については、・・・

 となったので、意匠法施行規則の様式の【本意匠の表示】の欄を設け本意匠を特定し・・・、のところに登録番号も記載できるようになるっつうことかいな? 施行規則は改正されるんかいな??

10条1項 ・・・、当該関連意匠の意匠登録出願の日(・・・)がその本意匠の意匠登録出願の日以後であって、20条3項の規定によりその本意匠の意匠登録出願が掲載された意匠公報(同条4項の規定により同条3項4号に掲げる事項が掲載されたものを除く。)の発行の日前である場合に限り、・・・

 関連意匠の意匠登録出願をできる始期は、「日以後」なので、当該本意匠の出願の日が含まれ、終期は、「日前」なので、意匠公報の発行の日は含まれないとなる。 因みに、関連意匠の出願が先に出願されていても、本意匠の出願が同日であれば関連意匠制度は利用できるんだねぇ(改正部分ではないが、今、気付いた。)。

 そうそう、自己の登録意匠を本意匠として関連意匠の意匠登録出願をすることができるけど、非常にリスキーですな。 登録意匠ということは、登録料を納付した後、設定の登録がされた後をいうのだし、そして、意匠公報が発行される日前に出願しなきゃならんのだから、登録意匠を本意匠にできる機会は少ない。 また、意匠公報の発行は、出願人にがどうこうできるもんでもないしね。 因みに、登録査定の謄本の送達があった場合には、登録査定は確定するので、意匠登録出願は特許庁に係属しているの??? 係属していないとすると、その出願番号で特定するのはいかがなもの? 登録査定の謄本の送達後から設定の登録がなされるまでの間には、まぁ、意匠登録出願を本意匠とするのだろうけど、法的に大丈夫なんかいな??? ただ、登録料未納の場合、出願が却下されるんだから(準特18条1項)、未だ係属しとるんかいな??? 条文上できる期間になっているんだから問題ないんだろうけど(出願という事実行為はあるわけだしね。)。。。 どの状態であれば出願が特許庁に係属しているかなんて、結構、一生懸命覚えるもんだが、特許法での分割出願の時期的要件緩和といい、係属中って考え方はもう古いのかしらね。

 

「当該秘密期間に出願された関連意匠出願は、意匠法9条1項の規定により拒絶することとしている。」(28~29頁)

 この秘密期間中の出願については、関連意匠の場合には9条1項で拒絶されるわけであるが、3条の2の場合でも同様に拒絶理由になっているので、秘密期間との関係でよくよく押さえとく必要がありまんな。 短答ポイントですな。

 

「既に専用実施権を設定した本意匠についての関連意匠は登録できない旨を意匠法10条2項に規定したものである。」(29頁)

10条2項 本意匠の意匠権について専用実施権が設定されているときは、その本意匠に係る関連意匠については、前項の規定にかかわらず、意匠登録を受けることができない。

 とあるので、解説の方を読むと、一度本意匠に専用実施権を設定してしまうと、金輪際、関連意匠は登録できないとも読めるけど、条文上は、「専用実施権が設定されているときは」なので、関連意匠の査定時において本意匠に専用実施権が設定されていなければOKということになるでしょう。 意匠の審査速度から考えて、ほとんど考えられない世界だとは思うけど。。。

 

 10条1項から3項までが拒絶理由で、10条2項と3項が無効理由。 これって、短答で出そうですな。 過去問でも良く出てますしね。

 

 せっかくなので、一問だけ。

≪短答ポイント1≫

 関連意匠の意匠登録出願の日がその本意匠の意匠登録出願が掲載された意匠公報の発行前である場合には、9条の規定にかかわらず、意匠登録を受けることができる。

 否

 3条の2でも同じ問題が作れる。

 

 

本日のキーワード: あ~だこ~だがすきなのです。

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2007年1月 9日 (火)

平成18年 意匠法等の一部改正 産業財産権法の解説 第一部 意匠法の改正項目 第四章

第四章 意匠の類似の範囲の明確化(21~24頁)

 本改正において、最も本質的な部分に関する改正であるが、まぁ改正本を読んでも私にはよくわかりやせん。 改正でいいたいことをちゃんと理解するためには、参考としてあげられている判例やら解説やらを読まざるをえんでしょうが、流しておきます。 意匠関連に携わる弁理士となる際にもう一度勉強することにしましょう。 

 いやぁ、ホントよく分からんので、そのまま抜粋すると、

「このように最高裁判例において意匠の類似とは一般需要者から見た美感の類否であるとされているが、裁判例やら実務の一部においては、意匠の類似についてデザイナー等の当業者の視点から評価を行うものもあり・・・、」(22頁)

 ここだけ読むと、当業者の視点からは、類否判断をしないとその後流れていくようにも思え、需要者の観点で類否判断するんであれば、やっぱ、混同説!?って思いたくなるんじゃけど・・・

「意匠の類否判断は、意匠制度の根幹に係る意匠の登録要件や意匠権の効力範囲を司るものであることから、統一性をもって判断されることが望ましいと考えられる。 ・・・、意匠の類似について、最高裁判例等において説示されている取引者、需要者からみた意匠の美感の類否であることを規定する。」(22頁)

 取引者って何? ここには、当業者は含まれないってことでいいのかしら?? 需要者という概念から想起されるのは、お店で買う人である。 で、取引者っていうと、卸業者などの中間業者のことと思う。 取引者というのは、需要者超当業者未満みたいなもんか??? 宅急便(登録商標)というと、一般人は、ヤマト運輸だけでなく、佐川急便も宅急便って思うかもしらんけど、取引者の中では明白に違うみたいな感覚で、取引者を捉えとけばよいのかいな????

24条2項 登録意匠とそれ以外の意匠が類似であるか否かの判断は、需要者の視覚を通じて起こさせる美感に基づいて行うものとする。 

 どうでもいいことだけど、昨今の法改正後の四法の条文ってなんか、堅苦しさが抜けてない!? ほんとどうでもいいことだけど・・・ 良く言えば、口語調でより読みやすい、悪く言えば、・・・ってとこである。

「・・・、登録意匠にそれ以外の意匠が類似しているか否かの判断は、当該意匠が需要者に起こさせる美感の共通性の有無に基づいて判断するものであることを規定した。 ここでいう需要者とは、取引者及び需要者を意味する。」(23頁)

 って、何で、取引者を条文上規定しないのかな? 取引者って、法律用語ではないのかな?? でも、前段を読めば、判例において出てくる用語なんだよね! まぁ、弁理士としては、この辺もそのうち仕事になるんだろうから(解釈部分は揉め事のモト→弁理士の出番)、ちょっと明確でないくらいの方が良いですが。。。

≪短答ポイント1≫

 意匠の類否判断は、需要者の視覚を通じて起こさせる美感に基づいて行われるが、取引者の視覚を通じては判断されない。

 否

「最高裁判例上、意匠の類否判断の視点は一般需要者となっているが、意匠法24条2項において一般需要者ではなく需要者としたのは、(a)意匠法における類否判断を物品の出所混同と結びつけるために一般需要者を使用したわけではないとする最高裁判例の解説、・・・」(23頁)

 って、とこから、完全な混同説ではないのだなぁというとこである。 ある意味、最高裁は混同説ではないといっているとも読めるからなぁ。 ホントこの辺は深入りしないのが懸命でしょうな。 ただ、口述が怖いですな・・・

 そういえば、平成18年の短答式試験でも出ていた部分だけど、3条1項3号と3条2項とを比較して、需要者と当業者という用語を使っているのだから、需要者には明らかに当業者は含まれせんわな。 両方に被る部分はあるかもしれないけど、当業者のレベルでは判断してはいけないんだって思っておけばいいのかもしれない。

 

「・・・、意匠法の根幹をなす意匠権の対象である登録意匠の範囲を規定している意匠法第24条に第2項を新たに設け、意匠の類否判断の解釈や手法を規定することとしたものである。 これにより、意匠法第3条第1項第3号をはじめ、他の条項に規定されている意匠の類否についても一定の解釈が及ぶことになるものと考えている。」(24頁)

 って、微妙な言い回しですね。。。 一定の解釈が及ぶに過ぎないともいえてしまわないかい???

 

 

本日のキーワード: なかなか先に進みません・・・

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2007年1月 8日 (月)

平成18年 意匠法等の一部改正 産業財産権法の解説 第一部 意匠法の改正項目 第三章

第三章 意匠登録要件の見直し(第18~20頁)

 意匠法の法目的はなんなんじゃ?という点は、この改正でも明らかになってないよぉ~。 まぁ明らかにもならんじゃろうね。 単純化して創作説と混同説があるとして、意匠の類否判断については、混同説になった。 でも、創作非容易性が意匠登録の要件となっている点からも、創作説は捨てがたい。 やっぱし、今後は適宜使い分けていくっつうことなのかな。 っつうか、過去に聞かれたことあると思うけど、今般の論文式試験で聞かれることはないだろうから、スルーするのが一番なのかもしれませんわね。 理解しやすく比較して書いてある書籍なんつうのはないしね。 因みに、私は、予備校のレジュメ集でも創作説、混同説はかっ飛ばして読んでるし、高田も斉藤も読んだことないし、じぇんじぇん理解できてないから、この項はかなり適当だと思いますぅ。 だから、なんじゃ!こいつ!!ってなるかもしれないですが、今年の干支ばりの激しい突っ込みは厳禁ですよ(笑)

 私の中では、特許庁は創作説で、裁判所は混同説だと理解していた(2つしか説がないという過程での話しなので、修正混同説とか色々なことは言わないように!!!)。 つまり、権利化前は創作説であり、権利化後は混同説ということである。 そして、特許庁が創作説であると根拠づける最たるものとして、3条の2があると理解していたのだった。 3条の2は創作説で、類否判断(3条2項)は混同説の立場から審査するってちょっと考えにくいかな!?って思ったのもあってね。。。

 まぁ、平成17年度は新人研修(後期)で、小谷先生の講義があったようなので、平成18年度版のそこに期待しよう!!!

 

「意匠制度では、新しい意匠の創作を保護することを制度の趣旨としているため、・・・」

「・・・、新しい意匠の創作をしたものとは認められないことから、・・・」(以上、18頁)

 ってここを読むと、やっぱり特許庁は創作説なんかいなと思えなくもない。 3条の2を改正するにあたっては、平成10年改正の部分意匠制度導入に伴うこの3条の2の趣旨を否定するわけにもいかないし、改正本を書くにあたってどういった感じで書いてくるのか楽しみにしていたのだったが・・・ 何ら新たな意匠を公開することにならないという点は、どういった理由付けをしても変えられないだろうなぁって思っていたので。。。 今年の意匠法の改正は、趣旨だけを考えると部分改正とせずに全面改正としていれば、ちょっとは楽だったのかもしれないけど、まぁ、全面改正はしばらくはないかな? そういえば、商標はどうなったのでしょうか!!! 異議申立てはずっと存続させるのかしらん。。。 SPLT(実体特許法条約)の発効の前には、特許法では全面改正になるかもしれやせんが・・・

 

「デザイン開発においては、先に製品全体の外観デザインが完成し、その後個々の構成物品の詳細のデザインが決定されて製品全体の詳細なデザインが完了するという開発実態がある。」

 ここは、3条の2の改正の前提として成立していない気がするが・・・ 外観デザインが完成し、全体意匠の出願をしたあとに、その構成物品の詳細なデザインが決定されるのであれば、全体意匠において大雑把な部分にしか完成していない意匠は、構成物品の部分の詳細な意匠と類似せんのじゃないか!?と思えるが・・・ それとも、大雑把なものと詳細なものとは大枠で変わらんのだから、3条の2の射程に入るってことが言いたいのかしらん。。。 まぁ、趣旨の項は3文で、その接続詞が「また、」、「このため、」ってなっているんだから、「また、」以下の部分は、並列関係。 そして、「このため、」以下が、並列部分を受けての説明となると考えられる。 したがって、改正本では、上述のような開発実態があることを一の要因として、3条の2の要件緩和が必要と説明していることとなる。 何だか変なのって感じである。 何ら新たな意匠の創作に該当しないから3条の2の適用があるのに、詳細なデザインを後から完了するという開発実態から3条の2の要件緩和って、後から完了している段階で、新たな意匠の創作になっているんじゃねぇの!?ってとこである。 

「また、市場において成功した商品については、需要を喚起する独自性の高い創作部分が模倣の対象となりやるいとされる。」

 こちらの方は分かりやすいかな。 模倣の対象とされやすいのに(そもそも部分意匠制度の導入趣旨が、独創的で特徴ある部分を・・・なのだから、まぁ、模倣の対象とされやすいという点は大合意) 、全体意匠の出願より先に出願してないから、先願意匠の部分に該当する意匠を保護することができないというジレンマに対し、模倣のし得を排除するための要件緩和ということであれば、理解しやすいかな。 この場合には、産業界からの要請とでもいえば聞こえはいいのかもしれない。 何で、今回の改正では今まで良く使われてきた趣旨の一である、産業界からの要請という点が明示されてないんでしょうかね??? 要請がなかったのかしらん!?!?

「このため、独自性の高い自己の製品デザインの保護を強化するため、先に製品全体の意匠について出願し、それに遅れて、先の意匠の一部を部品や部分意匠として出願した場合でも、双方の意匠について意匠登録を受けられるようにする必要がある。」

 しかし、若干、権利期間の実質的な延長につながる改正をするというのは画期的なことではないかな???

青本880頁 「先願として意匠権を得た意匠の一部と同一又は類似の意匠について後日に改めて権利化することは、実質的な権利の延長を招くおそれがあり、不適当であることから、後願の出願人が先願の出願人と同人であるか他人であるかを問わず、新設する規定を一律に適用することとしたものである。」

 なので、やっぱり、今回の改正は、平成10年改正の趣旨を真っ向からなぎ倒すような改正なんだよね。 最近は、部分改正しかしてないから、こういう、前回改正の趣旨をぶった切るような改正が多い。 まさに、受験生泣かせである。

≪短答ポイント1≫

 先願として組物の意匠登録出願がある場合に、その構成物品の意匠登録出願を後にした場合には、その構成物品の意匠登録を受けることができる場合はない。

 否

≪短答ポイント1’≫

 先願の意匠公報に掲載された部分意匠であっても、意匠登録を受けることができる場合がある。

 是

3条の2ただし書 ただし、当該意匠登録出願の出願人と先の意匠登録出願の出願人とが同一の者であって、20条3項の規定により先の意匠登録出願が掲載された意匠公報(同条4項の規定により同条3項4号に掲げる事項が掲載されたものを除く。)の発行の日前に当該意匠登録出願があつたときは、この限りでない。

 どうでもいいことだけど、まだ大きい「つ」なのね。 昭和35年法の名残がまだあるということですわな。

 3条の2の適用対象となる先の意匠登録出願は、意匠権が発生して意匠公報に掲載された場合と、同日出願協議不成立により拒絶査定又は拒絶審決が確定した場合に意匠公報に掲載された場合である。 当然のことながら、後者の場合には、後に同一内容の出願をした場合には、同一出願人であったとしても3条の2の適用はあるという点を忘れてはいけない(ただし書の適用はない。)。

 秘密意匠の場合には、意匠公報に2回掲載されるので、どちらが3条の2の適用除外の終期かをただし書中のかっこ書で規定している。 これは、関連意匠の場合と同じなので、まぁ覚えやすいだろう。 秘密意匠の場合は、意匠の内容が隠された1回目の意匠公報の発行の日前に出願することが必要ということになる。

≪短答ポイント2≫

 意匠公報の発行前であれば、同一の出願人がその意匠の一部について意匠登録出願をすれば、常に意匠登録を受けることができる。

 否

 今年の規定は例外規定が多く設けられているので、こまごまとした条件設定を問題文に表さないといけないので問題を作るのが難しいかもしれやせんね。。。

 秘密意匠に絡めて先に、

「当該秘密期間に出願された後日出願は同一出願人による場合であっても、本条の規定により拒絶することとしている。」(20頁)

≪短答ポイント2’≫

 秘密意匠に関する意匠権については、その一部について同一出願人が意匠登録出願した場合であっても、常に、意匠登録を受けることができない。

 否

 書誌的事項の意匠公報の発行→意匠の内容等実体的事項の意匠公報の発行と秘密意匠の場合に意匠公報が2回発行されるが、その間の出願については、3条の2の適用除外は受けられませんよってことを20頁で説明している。

 

 3条の2の説明で、ちゃんと書いているなぁと思ったのは(その趣旨はいまいちだが。)、

「後願意匠と同一又は類似の意匠が、先願意匠の一部として既に開示されたものであるとしても、同一出願人による場合には、それによって新たな意匠の創作であることを否定しないとするものである。」(20頁)

 やっぱ、創作説なんじゃねぇのぉ~ って、話戻しすぎ・・・

 「後願意匠と同一又は類似の意匠」&「先願意匠の一部」って文言は、短答式試験で使われそうな文言ですなぁぁぁ。 

「本規定の趣旨は(って、ただし書の規定のことと思われるが・・・)、先願意匠の一部をなす後願の意匠権成立による権利の錯綜を避けることにもあることから、同一の者か否かの判断は、可能な限り権利成立に近い時点である査定時に行うこととする。」(20頁)

 査定又は審決時ではないということかな。 商標法では、3条の判断基準時って、査定又は審決時でなかったっけ??? ここは、受験生ではないので、スルーしとこう(そのうち分かるじゃろ)!!! とにもかくにも、特許法の29条の2では、後願の出願時が判断基準時となるが、そことは確実に違うということである。

特許法29条の2ただし書 ただし、当該特許出願の時にその出願人と当該他の特許出願又は実用新案登録出願人とが同一の者であるときは、この限りでない。

 とあって、後願の出願時において出願人同一であることが条文上明記されている。 因みに、発明者同一の判断基準時は本来的には出願時になると思うが、発明者については、補正ができるのでその場合の判断基準時は、なんというのでしょうかね。。。 実質、査定時ということかな。 っつうか、発明者が変わるっつうのが本来おかしいことなんじゃが・・・ まぁ、条文上も発明者同一の場合については、出願時であることを明記してないので補正でひっくり返すことができるっつうことになるわけですよ。 ここの説明としては、

青本91~92頁 一般的には、明細書の詳細な説明の欄に記載し、請求範囲には記載しなかったという発明については、出願人はその発明について特許を請求しない。 いいかえれば公衆に開放するという意思であるとみられるが、中には必ずしもそういう場合だけでなく、その出願び請求範囲に記載された発明の説明にどうしても必要なために詳細な説明の欄で特定の技術を記載し、その特定の技術については後日別に出願して特許権を得たいというものがある。 こういう場合には、後に本人が出願すれば特許が受けられるようにしないと困るのでその旨を規定した。

 とあって、出願人同一の判断時が後願の出願時であることが明らかとなる。

≪短答ポイント3≫

 先願と後願の出願人は、後願の出願時において同一でなければ、3条の2の適用により後願は意匠登録を受けることができない。

 否

 

 

本日のキーワード: 戯れ言が多くなった・・・

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2007年1月 6日 (土)

平成18年 意匠法等の一部改正 産業財産権法の解説 第一部 意匠法の改正項目 第二章

 今年の改正本には、特に意匠法で改正趣旨が細かく記載されている感じを受ける。 まぁ、大改正であった平成10年の趣旨を超える形で改正がされていたりするので、より詳しく記載されているのかなという感じである。 ということで、短答式試験のために条文を確認し、口述試験のために、制度改正の趣旨を勉強する必要がありそうである。 

 そういえば、雄松堂出版から「意匠法コンメンタール」という本が出てますね。 中を見てないし、買う気もないのですが、試験における基本書となったりするのでしょうかね!? まぁ、昨今流行の勉強法をとる場合には、基本書といわれるものを買う必要は無く、予備校の出している書籍を読めば合格はできるので、基本書という概念自体古いかもしれませんね。 司法試験でも、吾妻とか内田とか読むんですかね!?!?

 

 話戻して、

第二章 意匠の定義の見直し(画面デザインの保護の拡充)(第13~17頁)

2条1項 この法律で「意匠」とは、物品(物品の部分を含む。8条を除き、以下同じ。)の形状、模様若しくは色彩又はこれらの結合であって、視覚を通じて美感を起こさせるものをいう。

2項 前項において、物品の部分の形状、模様若しくは色彩又はこれらの結合には、物品の操作(当該物品がその機能を発揮できる状態にするために行われるものに限る。)の用に供される画像であって、当該物品又はこれと一体として用いられる物品に表示されるものが含まれるものとする。

 改正本を読まずに、条文だけを眺めると、、、

 部分意匠とは、物品の部分の形状、模様若しくは色彩またはこれらの結合であって、視覚を通じて美感を生じさせるものをいう。 なので、2条2項において規定されているのは、部分意匠には、物品の操作の用に供される画像が含まれるということである。 いいたいことは、全体意匠としても保護されることは明示されていないということである。 ただ、部分意匠は、全体意匠の一部と読むことができるので(物品には、物品の部分が含まれるので)、まぁ、部分意匠には物品の操作の用に供される画像が含まれるのであるから、その部分意匠を含む全体意匠も保護されるっつうことになるわけですな。

 審査基準を読まないとわからないけど、以前の3要件は、どうなるんでしょうね???

「「物品の操作(当該物品がその機能を発揮できる状態にするために行われるものに限る。)の用に供される画像」が、「物品の部分の形状、模様若しくは色彩又はこれらの結合」に含まれるとは、当該画像が物品の一部分として保護されることをいい、通常の全体意匠の一部分として保護されることをいい、通常の全体意匠の一部を構成する要素、あるいは、部分意匠を構成する要素として保護することを可能とするものである。」(15頁)

 2条1項かっこ書って、部分意匠のことを規定していると理解していたんだが・・・ どうも間違っているのかな??? 上記のようだと、2条1項かっこ書は部分意匠のことだけをいっているのではなくて、部分であっても全体意匠の一部として保護され得るということをも規定しているということになる。 とはいえ、画面デザインが全体意匠としても部分意匠としても保護されるという点は明らかである。

≪短答ポイント1≫

 ゲーム機を使用してゲームを行っている状態はゲーム機の機能を発揮させている状態にあたるので、ゲームソフトによって表示される画像は意匠登録を受けることができる。

 否

 ということで、「機能を発揮できる状態」か「機能を発揮させている状態」かは重要である。 簡単にいえば、初期状態のみの画像が保護されるといえるのである。 という観点から、Windows(登録商標)の画像は意匠登録を受けることができないとなるわけである。 Windowsによる画像は、既に物品であるパソコンの機能を発揮させている状態での表示になるからである。 こうなってくると、Macの場合はどうなるんですかね??? まぁ、保護されないんだろうけど・・・

「「機能を発揮できる状態」とは、当該物品の機能を働かせることが可能となっている状態であり、実際に当該物品がその機能に従って働いている状態は保護対象に含まないことを意味する。」(16頁)

≪短答ポイント2≫

 画像を含む意匠は組物の意匠として保護されることはない。

 否

 結局、画面デザインであっても、部分意匠として出願しているのか、全体意匠として出願しているのかで、組物の意匠として保護されるのかを考えればよいだけである。 ただ、画面デザインを部分意匠でなく、全体意匠で出願した場合には、ある意味あまり意味のない出願となるよね。 だって、画面デザインが全体意匠において要部足りえるかというと・・・ その辺は、(補説)として記載されているところである。 弁理士としては、両方出願することを進めるのが一番いいのだろうな。 因みに、平成18年論文式試験では、部分意匠と全体意匠の利用関係を絡めた問題がでたけど、その辺の理解をする上でも、(補説)の部分が参考にちょっとはなるかな。

≪短答ポイント3≫

 画面デザインが汎用の表示機器に表示されている場合に、斯かる表示機器を製造販売する行為は、物品そのものの表示部に画面デザインが表示される意匠の意匠権の侵害となる。

 否

 って、ここって結構重要な点だと思うけど、問題文でうまく表すのは難しそうである。 口述で絵つきで問われる部分かな。 

「画面デザインが、物品そのものの表示部に表示されておらず、当該機器と接続されている汎用の表示機器等に表示されている場合については、当該表示機器を業として製造、使用、譲渡等する行為が侵害とされるのではなく、意匠権で保護された画面デザインをその部分とする物品の製造、使用、譲渡等が禁止されるものと考えられる。」(17頁)

 なので、画面デザインを部分意匠なり全体意匠として意匠権を有していたとしても、接続される汎用の表示機器等(画面デザインが表示される)の販売行為自体を意匠法では権利侵害とすることはできないということである。 この場合には、意匠法ではのみ品以外は間接侵害に該当しないので、汎用の表示機器に画面デザインが表示されるということのみでは間接侵害にも該当しないだろうしね。 まぁ、汎用品を売っている行為を意匠権の侵害とするほうがおかしいともいえるが。。。 因みに、汎用の表示機器等に画面デザインが表示される場合に、物品とのセットで販売した場合に、意匠が類似となるんですかいな??? 全体意匠だと間違いなく形態が非類似だよね。 部分意匠ではどうなるんですかね・・・ プリンターなんかで考えるといいのかな? プリンターの表示部に画面デザインが表示される場合で、物品がプリンターの意匠権がある場合に、その画面デザインをパソコンのモニターに出るようにして販売したような場合には、やっぱり、意匠は非類似かな。。。 ここの(補説)がどういったケースを意味しているかは、やっぱり絵付の審査基準が必要ですな。 DVDとかで、TV画面に出る画像が該当するのかな。 この場合にゃぁ、出願自体が、TV画面を含めた状態となるであろうから、まぁ、汎用品のTVを販売する行為が侵害っつうのはおかしいのは明らかじゃの。

 

 

本日のキーワード: 改正本を逐一読んだのは初めてですよ。

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2007年1月 5日 (金)

平成18年 意匠法等の一部改正 産業財産権法の解説 第一部 意匠法の改正項目 第一章

第一章 意匠権の存続期間の延長(第9~12頁)

 実用新案権が10年に延びたのに続いて、意匠権も設定の登録の日から20年に延長。 試験的には、ほとんど寄与しない部分の改正なので、おそるるに足らずである。

 今年の一押しTRIPSとの比較。

 意匠では、

TRIPS 26条3項 保護期間は、少なくとも10年とする。

 特許では、

TRIPS 33条 保護期間は、出願日から計算して20年の期間が経過する前に終了してはならない。

 となっていて、国内法でもTRIPSでも、意匠では、存続期間が規定されていて、特許では、存続期間の終期が規定されている。 ん~、この違いはどこから来るのでしょうか・・・!?

 権利期間の改正は試験的には、どうってことないが、改正本の中には、特許と意匠の違いがさらっと記載されていたりして、勉強になる。

「発明は、あまりに長期間の独占権を与えることにより、技術開発を通じた技術の向上を阻害するおそれがあるのに対し、意匠は、審美的な観点から保護されるものであるため、存続期間を長くすることによる弊害は比較的小さいものと考えられる。」(10頁)

「意匠権は、・・・、権利を早期に手放すことを促進する政策的必要性は特許権に比較して強くないと考えられる。」(11頁)

 とはいいつつも、法目的として、特許法では、「発明の保護及び利用を図ることにより、・・・産業の発達に寄与する・・・」、意匠法では「意匠の保護及び利用を図ることにより、・・・産業の発達に寄与する・・・」なので、同じなんだけどね。 まぁ、利用の部分で軽重があるという理解でいいのだろう。

 確かに、特許料は、

1~3年が、2600円+200円X請求項数

4~6年が、8100円+600円X請求項数

7~9年が、24300円+1900円X請求項数

10~25年が、81200円+6400円X請求項数

となっているのに対し、

 意匠権の登録料は、

1~3年が、8500円

4~10年が、16900円

11~20年が、33800円

とそんなに高い上昇率を見せないね。 こうみてみると、知財って、ほんの少しの金額で強固な権利を得ることができ、莫大な富をもたらす可能性を秘めている点で凄い制度ですな。 何億円という稼ぎをするものが、高々数十万円でその権利が保障されるというのは、面白い制度ではある。 登録料と経常利益という観点で、誰か研究をやってくれないかな。。。 歴史的に見てみるとどうなんだろうか!?

 

 

本日のキーワード: こんなことを牛歩で書いている場合ではないのだが・・・

  

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2007年1月 4日 (木)

平成18年 意匠法等の一部改正 産業財産権法の解説

平成18年 意匠法等の一部改正 産業財産権法の解説

特許庁総務部総務課制度改正審議室編 発明協会

 

 いわゆる改正本って、著作権が発生しているのね(びっくり!)。 当たり前か・・・ となると青本もなのよね。 そう考えてみると、著作権ってメンドクサイよなぁ(って、弁理士卵がいう台詞ではないか・・・)。

 

 

序章(第1~5頁)

 趣旨として、

「近年、アジア諸国をはじめとする途上国産業の技術、品質、価格面での競争力が高まっており、我が国産業も知的財産を活用した競争力の強化が重要な課題となっている。」

「・・・、競争力をつけつつある途上国産業による製品・サービスからの日本企業の更なる差別化・高付加価値化を可能とするものである。」

「・・・、模倣品の流通・拡散等を防止するための措置を強化することが強く求められている。」

 とある部分からわかることは、日本国の今後の進むべき道として、対外的に知的財産に基づいて権利行使をしていかなくては、国家の繁栄はないと考えているということであり、特許庁もそのための法制度を制定するということである。 権利行使すなわちエンフォースメントといえば、でてくるのはTRIPSである。 ということで、今後の短答式試験では、TRIPSの重要性が増してくることは間違いないであろう。 更には、エンフォースメントをおこなうためには、各国での権利の取得が必要なので、当然に、PCT&マドプロの重要性も増す。 しかも、世界特許とかいって、ある意味、パリ条約の大原則である属地主義の考えが蔑ろにされていることからも、短答式試験でのパリ条約の重要性は衰える。 ということで、TRIPS、PCT&マドプロの出題率が増えるのではないかな?というのが、昨今の知財の状況からみる弁理士試験かしらね。

 制度改正の骨子として、

「第四に、模倣品対策を強化するため、模倣品を輸出することや譲渡等の目的で所持することを産業財産権の侵害行為とするとともに、産業財産権の侵害等についての刑事罰を強化した。」

 模倣品対策を強化するため、模倣品を輸出することを侵害行為とするという部分だけ読むと、よくわからない。 模倣品を輸出するということは、国内で模倣品が生産されていることを意味するのではないかい?と思う。 しかし、模倣品は、アジア諸国で製造されているのである。 となると、???である。 また、「アジア諸国等から日本企業の製品のデザイン等を模倣した商品が流入するなど、」と記載されてもいるように、この場合も模倣品の輸入である(輸入は既に侵害行為となる。)。 だから、余計に???である。

 ここについては、タイムリーな記事があって、

 1月4日の読売新聞の配信記事で、「中国製の模倣「日本ブランド」中東へ、被害9兆円にも」というのがある。 その中で、「日本製を強調するため、中国からいったん神戸港など日本国内へ持ち込んだうえで輸出することもあるという。」と記載されている。 ここから、輸出であっても取り締まることの意味が分かるというものである。 しかも、ここにいう9兆円という額は、特許庁の試算だそうである。

 ということで、模倣品対策を強化するためとは、模倣品の流通を防止するためということであり、模倣品の輸入時に侵害行為として取り締まることができなくても、模倣品の輸出時に取り締まることができれば、二重のチェック機構が働くことになりGOODということで、本改正がされたのやもしれん!と納得することにした。

 

 

本日のキーワード: ちょっと改正本に浮気。

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2006年8月19日 (土)

平成18年度意匠法等改正説明会から徒然⑨(共通)

H18改正について、ようやくラストコメント

 

3点目 所持行為について

特許法101条 次に掲げる行為は、当該特許権又は専用実施権を侵害するものとみなす。

(新設)3号 特許が物の発明についてされている場合において、その物を業としての譲渡等又は輸出のために所持する行為。

(新設)6号 特許が物の生産する方法の発明についてされている場合において、その方法により生産した物を業としての譲渡等又は輸出のために所持する行為。

 これまで、所持は、100条の差止請求における「侵害のおそれ」の場合として、受験界では処理されていたと思う。

100条1項 特許権者又は専用実施権者は、自己の特許権又は専用実施権を侵害する者又は侵害するおそれがある者に対し、その侵害の停止又は予防を請求することができる。

(吉藤特許法概説434頁)

 「単なる所持はもちろん、譲渡又は貸渡しの目的をもった所持であっても、特許法上の実施ではないことは条文上明らかである。 もっとも、所持は、実施のおそれのある場合が多い。たとえば、販売業者の侵害品の所持又は特許品を原料として使用する業者の侵害品の所持等は、実施のおそれが客観的に存在しているということができるので、差止請求の対象となり得る。」

 吉藤特許法概説にあるように、所持については、所持している段階では、特許権侵害を構成しないが(68条)、その後、所持品を販売等した場合には、特許発明の実施となる(2条3項)。 したがって、所持する行為は、(特許発明の実施に該当し、その場合特許権侵害を構成する)譲渡等のおそれが高いといえる行為であり、侵害のおそれがあるものと解される。 したがって、所持している者に対して、特許権者は差止請求をすることができるものと解する(100条)。 論文試験としてはこれまで、所持しているという点のみを論証の根拠として、侵害のおそれに該当するので、特許発明の実施には該当しなくても「おそれ」の点で差止請求可!とできてたが。。。 これって、ある意味、従属説である。 そりゃ、所持は特許権侵害構成しないので、特許権侵害がその後必要といえるものな。 しかし、今後は、間接侵害として記載することになる。 で、ここで困ったことになる。 間接侵害の場合、独立説ならなんら悩まないが、従属説だと、所持って微妙である。 侵害品を他人から譲り受けて所持しているだけだと、その後、直接侵害が構成されないと、従属説の場合間接侵害とすることができない。 しかし、所持の後に特許権侵害がなければならないとすると、わざわざこの規定を設けた意味がなくなる。 直接侵害を必要とするということは、すなわち所持している者がその後、特許発明の実施に該当する行為を行うということになるが、そうであれば、そっちで差止等すればよいのであって、所持をわざわざ間接侵害として取り締まる必要もない。 となると、所持については従属説ではなく、独立説といえそうである。 

 この点に絡んで、特許庁の説明者は、フロアーからの質問に対して、

・以前譲渡していること

・複数の侵害品を所持していること

により、間接侵害を立証できると答えていた。

 また、説明会テキストにも「譲渡等によって侵害物品が拡散する前段階である所持の段階における取締りを可能とすることで、意匠権等の権利の侵害の防止の実効性が確保される。」とあり、明らかに3号及び6号については独立説といえそうである。

 まぁ、3号、6号に該当する場合には、既に侵害品は製造されているわけで、未だ直接侵害が構成されていない1号、2号、4号及び5号と比較すれば、状況が違うといえるのかもしれないが、ちょいと、今後の受験界の動向が気になるところである。

 あとは、所持してればこれまでも、侵害のおそれがあるとして差止請求可能としていたのを、解するではなく、条文としてきちんと規定したかったというところから、法改正はきているのだろうし、また、所持していてその後、販売しないなんてことは通常ありえないことだから、そこは深く考えずに所持=間接侵害でいいんじゃないかとも思える。 1台だけ所持している場合や、所持してても絶対に販売等により譲渡しないと客観的に把握される場合だけ(って多分、単に所持しているだけなんて状況はないだろう。)、この規定から修正されるということだろう。 3号、6号は、独立説でGoだな。

 

 

本日のキーワード: 改正事項は、その年の論文試験に出るという噂はマジか。

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2006年8月18日 (金)

平成18年度意匠法等改正説明会から徒然⑧(共通)

 共通改正として、商標法では既に、譲渡、輸出のための所持がいわゆる間接侵害として規定されているので、当該部分の商標法での改正はないけれど。。。 共通改正は、3点。

 

特許法で代表すると、まず1点目、輸出について。

2条1項1号 物(プログラム等を含む。以下同じ。)の発明にあっては、その物の生産、使用、譲渡等(譲渡及び貸渡しをいい、その物がプログラム等である場合には、電気通信回線を通じた提供を含む。以下同じ。)、輸出、若しくは輸入又は譲渡等の申し出(譲渡等のための展示を含む。以下同じ。)をする行為。

 

(吉藤特許法概説434頁) 

 実施行為として、法2条3項各号以外に、物の輸出、所持、修理・改造の場合に実施に該当するのか?というのがいわゆる吉藤論点とされていたわけだが、今回の改正で2点クリアーになったわけである。 そして、インクカートリッジ事件が最高裁にあがっているので、修理・改造についてもリサイクルという観点から1つの結論が出ると思われる。 

吉藤論点についてその①

 「輸出は譲渡の概念に含まれる場合が大部分であるので、輸出は譲渡の問題として把握すれば足りる。」とされていた。 今回の改正で、物の発明についての実施とは、その物の生産、使用、譲渡等、輸出若しくは輸入又は譲渡等の申し出をする行為が該当する。 すなわち、①生産、②使用、③譲渡等。④輸出、⑤輸入、⑥譲渡等の申出が実施行為なので、条文上、輸出は譲渡等に含まれない概念であることが明らかになったわけである。 とすると、これまでは、輸出の申出は、譲渡等の申出として読めていたかもしれないが、申出としては譲渡等の申出のみが実施に該当するので、輸出の申出は該当しないこととなる。 しかしなんで、この条文は、その物の生産、使用、譲渡等(譲渡等の申出を含む。)、輸出又は輸入、あるいは、その物の生産、使用、譲渡等、輸出、輸入又は譲渡等の申出と規定せずに、わざわざ、その物の生産、使用、譲渡等、輸出若しくは輸入又は譲渡等の申出と規定しているのだろうか??? この場合の本来の条文の姿は、①-(i)生産、①-(ii)使用、①-(iii)譲渡等、①-(iv)輸出、①-(v)輸入、②譲渡等の申出という並びということになる。 まぁ、概念的な問題として①-(i)~(v)と②とを並列に並べたいという意図があったのだろうけど、なんだか微妙な感じ。

 

吉藤論点についてその② 

 「輸出が行われる場合には、通常、輸出用の物は国内で生産又は輸入されているので、生産又は輸入の権原のない者による輸出は、生産又は輸入の点で権利侵害となる・・・」とされていた。 すなわち、輸出があればその前には必ず、生産又は譲渡等に該当する実施がなされているはずなので、そこで差止めればよく、輸出自体は侵害に該当しないとしていたわけで。。。 って、吉藤では生産又は輸入がされていることを前提としているのね。 レジュメとかでは、生産又は譲渡がされていることが前提ってことになっとるよ!!

 しかもその1つの理由付けとして、特許権の効力は属地主義のもと、日本国内においてなされる行為に対してのみ有効なので、外国においての行為には及ばない以上、輸出は外国に対しての行為であるから特許権の効力は及ばないというのが、論文的な記載というか我輩の理解だったのだが・・・ ここの説明ってどうかわるのだ? だから、形式上は間接侵害を構成する物を輸出しても、それによる直接侵害行為が外国で行われ、特許権の効力が及ばない以上、間接侵害も構成せずという従属説で説明するのが、まぁ無難なとこだったと思うのだが。。。 輸出事体が侵害となると、実施行為独立の原則から考えて、Aさんが特許発明に係る物を生産(侵害)→AさんがBさんに譲渡(侵害)→BさんがCさんに譲渡(侵害)→Cさんが輸出(非侵害)だったのが、Cさんが輸出する行為も侵害となる。

 これからは、間接侵害品の輸出の場合にはどうなってくるのだろうか? 101条1号、2号の改正はないので、今までと同じで、独立説でも従属説に関わらず非侵害ということになる。 

101条1号 特許が物の発明についてされている場合においては、業として、その物の生産にのみ用いられる物の生産、譲渡等若しくは輸入又は譲渡等の申出をする行為

 本改正で輸出は、譲渡等に含まれない概念となったので、最早、間接侵害品の輸出は自由にできるのかいな??? まぁ、ここで、輸出している場合には、生産、譲渡等が成立しているはずなので、そこで差止めれば吉ということになるのだろう。 しっかし、こういった間接侵害品を他人から譲り受けて輸出のみしているときは、本来独立説であったら、輸出は、譲渡等に包含される概念であるので、間接侵害を構成するといなければならんかったのね。 今まで、この類の問題では、大体、乙が間接侵害品を生産、輸出している場合にどうですか?という問題だったから、あまり気にしてなかったが、

 甲:特許権者、乙:のみ品を生産、丙:乙から譲渡されたのみ品を輸出というケースでは、乙の生産する行為及び譲渡する行為は、形式的に間接侵害を構成。 丙の行為は、輸出は譲渡等に包含される概念であるので、形式的に間接侵害を構成。 とする必要がある。 で、、間接侵害は、直接侵害に該当しないが、その蓋然性の高いものを侵害と擬制するものであるので、間接侵害品を輸出している場合には直接侵害の発生が考えられない以上間接侵害構成せずとするのがまぁ、合格答案だったでしょう。 今日までのオレならきっと、丙の輸出する行為は、その物の生産、譲渡等若しくは輸入又は譲渡等の申出に該当しないので(101条1号)、間接侵害を構成しない。としていたな・・・ あぶなかった・・・・

 しかし、完成品を輸出したら侵害になるのに、組み立てセットを専ら輸出しても侵害にならないのは、微妙じゃね??? ここは、のみ品の生産で読む??? でも直接侵害は構成しとらんが・・・ 必殺技の比較考量してということで、ここは、従属説でなく、独立説の採用かしらん。。。

↑ 何だか書いててあやふやだなぁ。 相も変わらず侵害系はあ~でもないこ~でもない考えるのも苦手だ。。。 なんだか、理解をできてないことが如実になってくるし、自分の中で結論を出せん!!!

 

2点目、刑事罰について

  刑事罰は、よくわからんくなったので、短答前にマトメル必要あり。 簡単にいえば、特許権等権利侵害の場合には、罰金刑と懲役刑の併科をすることができるようになったのと、直接侵害と間接侵害とで刑罰に軽重がついたこと。 これなら、やるなら間接侵害だよね。 罪の重さに軽重がつくということは、どことなく従属説のにおいが。。。

 まぁ、刑事罰は論文にはでんだろうし、THE 短答マターといえるので、とにかく覚えるしかない!!!

 

 

本日のキーワード: 間接侵害に輸出はいれられないよね。 独立説の採用!ってなっちまう。

 

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2006年8月16日 (水)

平成18年度意匠法等改正説明会から徒然⑦(商標)

1-1.小売業等の商標の保護

2条1項 この法律で「商標」とは、文字、図形、記号若しくは立体的形状若しくはこれらの結合又はこれらと色彩との結合(以下「標章」という。)であって、次に掲げるものをいう。

2号 業として役務を提供し、又は証明する者がその役務について使用をするもの(前号に掲げるものを除く。)

(新設)2項 前項2号の役務には、小売及び卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供が含まれるものとする。

 条文の構成上、役務商標とは、商品商標に該当するものではない(2条1項2号かっこ書き)。 となると、2項が新設され、今まで商品商標として使用してきた小売が2条1項1号に掲げるものを除いたところで、役務について使用することに対して商標として保護されるわけであるが、そこの住み分けってきちんと今回の法改正で説明されるのだろうか??? 

 しかし、何で2条1項2号に、「役務(小売及び卸売を含む。)」と特許法における「物(プログラム等を含む。)」のように規定しなかったのかな? 「プログラム等」とはと規定する特2条4項のような定義規定を必要としてなかったからかな。。。 

 この改正は、商標法の理解という観点では色々考えなきゃいけないだろうが、試験的には特に問題ないだろう。 ただ、これまで小売は役務に該当しないとしてきた実務・判例等があり、どうやって、小売が他人のためにする労務又は便益に該当すると説明していくのだろうか??? しかも、小売のどの部分が役務商標となるのだろうか??? 商品として使用されている限りは、2条1項1号の射程での保護対象だからなぁ。。。 一方で、実務的には、今回の説明会でもわざわざ経過措置について説明してたぐらいで大きな改正といえる。 抗弁事由も持ち出して説明していたし。。。 ただ良くわからんかった。

 シャディ事件 東京高裁平成12年8月29日 平成11年(行ケ)390

 ESPRIT事件 東京高裁平成13年1月31日 平成12(行ケ)105

は、要確認である。

 ただ、「小売」という役務商標は取得できないそうで、「○○の役務」といったような形で商標権を取得することになるそうである。 地域団体商標みたいなもんだな。 指定役務を「小売」として出願すると、4条1項16号の拒絶理由に該当かな?

 

2.団体商標の主体の拡大

7条1項 民法34条の規定により設立された社団法人その他の社団(法人格を有しないもの及び会社を除く。)若しくは事業協同組合その他の特別の法律により設立された組合(法人格を有しないものを除く。)又はこれらに相当する外国の法人は、その構成員に使用をさせる商標について、団体商標の商標登録を受けることができる。

 これまで、団体商標の登録を受けられない者として、財団法人、株式会社、フランチャイズチェーン、商工会議所等があげられていたが(青本1082頁)、この法改正で会社が受けられないのは条文上明らかで変わってないが、新たに団体商標の登録を受けられるようになった者はいるのかな? その他の社団ってなんだ??? 説明会テキストでは、「商工会議所、商工会、NPO法人、中間法人等の社団についても、団体商標の主体として広く認める。」とあることから、商工会議所は、保護される主体に仲間入り。 「地域団体商標の主体まで拡大するものであはない。」ともあるから、この辺は短答マターですな。 「商工会議所は、地域団体商標の商標登録を受けることができる?」なんてね。

 

 

日本経済新聞(8月11日)の記事から。

 「特許庁は弁理士の業務拡大を目指し、制度改正の検討に入った。」そうで、「特許出願手続きが業務の中心である弁理士に、知財保護の分野でも広く活躍してもらう考えだ。」らしい。 ただ、「訴訟分野での業務拡大は、弁護士側から「越権行為だ」との反発も予想される。」って、反発しなさい!!っていってるに等しいじゃん。 確かに、法改正の大元締めと思われる産業構造審議会の知的財産政策部会弁理士制度小委員会が頻繁に開催されているものね。 弁護士会の強さって、日本医師会と並んで日本弁護士会のロビー活動がものすごく効いてるんだろうね。 医者や弁護士出身の国会議員ってよく聞くけど、弁理士出身といえば、『菅さん』ぐらいしか思いつかんもんね。 医師に対する薬剤師みたいなもんで、弁護士に対して弁理士って立場ないね。 あんまり欧米を向くのもよくないけど、日本ももう少し、薬剤師や弁理士の地位が向上するといいですな。

 

 でここまでは、余談で、記事より

弁理士制度の改革の主要検討項目

弁理士の業務 

 ・水際措置の輸入企業代理

 ・地財訴訟での代理分野拡大

研修制度

 ・弁理士試験の合格者に実務研修義務化

 ・最新の技術や制度についての定期研修

特許事務所

 ・有限責任の導入で法人化促進

試験制度

 ・知財関連学科の学生には一部の科目免除

 ・国際条約関連の試験科目強化

 受かっていない身としては、下線の2つが気になるところである。 来年の通常国会に提出するものと考えられるので、H20の試験から新制度ということになるかな。 一応、来年は大丈夫??? 登録前研修についても、いくらなんでも、H19に改正して、H19の試験の時には施行されてなかったのに弁理士試験の事後的に施行するなんてこたぁないよね。 登録前義務研修制度はつらいよなぁ・・・ しかも、商標って、改正商標法条約の発効が待ち構えてたりするんだよね。 水際とかの業務できるようになると、TRIPSとかを条約とかで聞いてきたりして・・・ あとは、ここで弁理士法を改正するってことは、大量合格も終わるということだろうね。 来年までは、まだ大量合格かな。。。

 しかし、業務拡大すれば当然に試験科目は増えるだろうから、民法や著作権法や不正競争防止法が論文試験になってしまうんじゃないか!? 専門も免除制度とかなくなったらうざいなぁ。。。 選択の問題見た瞬間、院試を思い出したよ。 今なんかすっかり忘れてるから、もう一度勉強してって言われたら、耐えられませんね。。。 試験と実務とは、関連は薄いとはいえ、特許法等の4法なら勉強する気になるけど、選択科目は

 将来の論文試験としては、

必須 特許・意匠・商標・条約(・不正競争・著作権)

選択 理系科目+民法・民訴の両方

と6科目(8科目)になるのでは!! 因みに、実用新案法は廃案です。

 

 

本日のキーワード: 商標はまぁ。

 

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2006年8月15日 (火)

平成18年度意匠法等改正説明会から徒然⑥(特許)

3.別発明に変更する補正の禁止

(新設)17条の2第4項 前項に規定するもののほか、第1項各号に掲げる場合において特許請求の範囲について補正するときは、その補正前に受けた拒絶理由通知において特許をすることができないものか否かについての判断が示された発明と、その補正後の特許請求の範囲に記載される事項による特定される発明とが、37条の発明の単一性の要件を満たす一群の発明に該当するものとなるようにしなければならない。

 新設の17条の2第4項は、拒絶理由であって(49条1号)、無効理由ではないが(123条1項各号)、補正却下の対象である(53条)。 最後の拒絶理由通知の際の指定期間内にする特許請求の範囲についてする請求項の削除、限定的減縮、誤記の訂正、明りょうでない記載の釈明よりは、拒絶理由に該当する点で厳しい要件となっている。 新規事項追加の禁止と比べた場合には、無効理由となっていない点で形式的瑕疵ということが明らかである。 補正の要件として、新規事項の追加の禁止(17条の2第3項)に加えて拒絶理由に該当する要件が増えた。

 特許をすることができないものか否かについての判断が示された発明と補正後の発明とが単一性の要件を満たす必要があるとは??? 仮に、請求項1に対して新規性なしとの拒絶理由が通知されれば、請求項1と発明の単一性を満たす発明は条文上存在しないのではないか? ここでいう、単一性の要件を満たすとは、事後的な単一性違反を含まない? そうだとすると、1つの用語に2つの意味を持たせることにならないのかな??? なぜならば、請求項1において新規性がなければ、請求項1には先行技術に対する貢献を明示する技術的特徴は存在しない。 すると、他の発明との間で同一の又は対応する特別な技術的特徴が存在し得ない。 この場合は、どうやっても17条の2第4項の拒絶理由に該当することになってしまわないか? 多分ここまで厳密にはしないだろうが、条文上はあり得る。 となると、弁理士試験ではこの辺も書く???

 最悪に厳しい審査官なら、

請求項1 成分Aを含有する組成物X

請求項2 成分Aと成分Bを含有する組成物X’

とある場合に、成分Aを含む組成物Xが公知であれば、「請求項1には新規性の欠如。請求項1と請求項2とは発明の単一性を満たさない。」なる拒絶理由がくる。 そして、請求項1を削除して請求項2のみにしたら、17条の2第4項違反に該当するという拒絶理由。 で、そのまま拒絶査定。。。

 しかも、この場合、17条の2第4項に該当することになったのは、出願人が請求項1を削除する補正をしたことに基づくのだから、最後の拒絶理由がくるのか??? そうなるとモハヤ減縮しても減縮後の発明が単一性を満たすとは考えにくく、17条の2第4項が利いてくるから拒絶査定という結果だよね。 17条の2第4項の拒絶理由をもらうのは、ほとんど拒絶査定されるに同義といえそうである。

 これは、現在、最初の拒絶理由もらった後に、新規事項追加の補正をしてしまって、最後の拒絶理由をもらった場合と同じことになりそうである。 この場合も、最早もとにも戻せないし、新規事項に該当する部分のみは削除できないし、新規事項に該当する発明特定事項を限定的減縮補正しても新規事項は通常残ってしまうから、分割するか、新規事項のある請求項を削除するしか打つ手ないのと同じことを起こす危険な要件となりそうである。

 今のところ、審査基準に委ねた説明しかなされていなかったので、何ともいえないが(審査基準待ち)、

請求項1 成分Aを含有する組成物X

請求項2 成分Aと成分Bを含有する組成物X’

とあるときに、成分Aを含有する組成物という点で、とりあえず文言上は単一性を満たしているので、両請求項は審査してもらえると思うが、上にも記したように、請求項1に新規性がない場合の取り扱いがどうなるのかは要注意である。

 テキストにあるのは、

請求項1 成分Aを含有する組成物X

請求項2 成分C

といった例が記されているのみなので、どこまで条文が厳密に適用されるのかは読めない。 今後の審決取消訴訟の蓄積の待たれるところである(随分、先になろうが・・・ それまでは、特許庁審査基準の独壇場だ・・・)。

 

4.外国語書面出願の翻訳文提出期間の延長

36条の2第2項 前項の規定により外国語書面及び外国語要約書面を願書に添付した特許出願(以下「外国語書面出願」という。)の出願人は、その特許出願の日から1年2月以内に外国語書面及び外国語要約書面の日本語による翻訳文を、特許庁長官に提出しなければならない。 ただし、当該外国語書面出願が44条1項の規定による特許出願の分割に係る新たな特許出願、46条1項若しくは2項の規定による実用新案登録出願に基づく特許出願である場合にあっては、本文の期間の経過後であっても、その特許出願の分割、出願の変更又は実用新案登録に基づく特許出願の日から2月以内に限り、外国語書面及び外国語要約書面の日本語による翻訳文を提出することができる。

 但し書きって必要なの??? 44条で読んでたのに、44条から36条の2を敢えて削ってるんだよね。

 因みに、審査請求については規定がないんだけど、どうするんでしょう。 出願公開の早期請求は翻訳文提出が要件だから問題はおきないだろうが、翻訳文でてなくても審査請求できちゃうよね。。。 方式上どうなるんだろうか???

 

 パリ優先権使わずにいきなり日本に、外国語書面出願するのは、外国企業ではなく、まぁ日本企業か日本人が想定される(欧州・米国に出願することを考慮して最初から英語で出願するということ。)。 これってかなりレアなケースだろうから、テキストにもあるように、ベンチャー企業保護の趣旨が強い改正だ。 となると、米国みたく仮出願の制度を導入する予定があるのかもしれない。。。 このような改正しなくても、米国で先に出願して日本には、パリ優先権主張して外国語書面出願すりゃぁいいんじゃねぇの??? しかも、日本人が出願するなら、翻訳文の作成期間なんてそもそもいらないよね。 それにしても、そんなに日本に最初っから外国語書面出願する者はいるのかしらん??? やっぱ、本当の趣旨は、仮出願かな・・・ 最近、米国で先願主義を導入した特許法が議員立法されてるみたいだけど、先願主義を米国が入れるかわりに、日本は1年のグレースピリオドと仮出願の制度でも入れるのかな??? 米国もサブマリン特許の防止のために出願公開制度導入してるし、なんだか互いに譲歩しあってる感がぷんぷんしますねぇ。 そもそも外国語書面出願制度は米国人のための制度といわれているぐらいだもの。。。 2年後、3年後どうなるやら。

 

 

本日&一昨日のキーワード: 改正は、来年は弁理士法、再来年は商標法?

  

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2006年8月14日 (月)

平成18年度意匠法等改正説明会から徒然⑤(特許)

1.分割の時期的制限の緩和

44条1項 特許出願人は、次に掲げる場合に限り、二以上の発明を包含する特許出願の一部を一又は二以上の新たな特許出願とすることができる。

1号 願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面について補正することができる期間内にするとき。

(新設)2号 特許をすべき旨の査定(163条3項において準用する51条の規定による特許をすべき旨の査定及び160条1項に規定する審査に付された特許出願についての特許をすべき旨の査定を除く。)の謄本の送達があった日から30日以内にするとき。

(新設)3号 拒絶をすべき旨の最初の査定の謄本の送達があった日から30日以内にするとき。

(新設)5項 第1項第2号に規定する30日の期間は、4条又は108条3項の規定により同条1項に規定する期間が延長されたときは、その延長された期間を限り、延長されたものとみなす。

(新設)6項 第1項第3号に規定する30日の期間は、4条の規定により121条1項に規定する期間が延長されたときは、その延長された期間を限り、延長されたものとみなす。

 この改正は、短答マターであるなぁ。 場合はないとかで色々バリエーションをもって問えそうである。 5項&6項みたいな改正結構続いていると思うので、実用の訂正なども含めて、どういった場合に期間の延長があるのかよくよくまとめとく必要がありそう。 「前置審査において特許査定の謄本の送達がされた後に分割出願をすることができる?」とか、「特許審決の謄本の送達後に分割出願をすることができる場合がある?」といった問題がありそう。 一番最悪なのは、「最初の特許査定の謄本の送達の日から30日以内であれば常に分割出願をすることができる?」だ。 拒絶査定→不服審判→補正→前置審査→特許査定→分割不可なので、否となるわけだが。

 最初の拒絶査定の謄本が送達された場合に、まず30日間は分割出願をすることができる。 その後、拒絶査定不服審判を請求した場合には、審判請求の日から30日以内に限り補正をすることができるので、その時も、分割出願をすることができる。 これだけの機会があるから、拒絶査定不服審判請求後の特許査定、特許審決の謄本の送達後には、分割出願をすることができないのね。 拒絶理由が通知されずに、特許査定がされた場合に分割出願をすることができると規定すると、変な改正なので、審査段階における特許査定においてのみ分割出願をすることができるとしたものと思われる。 根底には、日本の審査制度のもとでは、いきなり特許査定の謄本が送達されちゃうから、特許査定できるなら、もうちょっと特許請求の範囲を補正させてよっていう産業界からの要請があったのだろうね。 特許査定後でも、特許請求の範囲は訂正審判により変更することができるけど、実質特許請求の範囲を拡張したり変更することはできないから、この改正になったのでしょう。

 17条の2第1項は、法改正されていないので、分割する機会は増えたけど、分割と同時にする補正はできないということになる。 すると、今年の商標みたいな問題が増えそうだなあ。 特許法施行規則30条の補正はできるけど、17条の2の補正ができる機会は設けられてないので遡及効はなく。。。ってことに。 17条の2第1項で特許請求の範囲等について補正することができる期間が変更になってないから、44条1項2号及び3号に新設されたといえよう。 以下で述べる鞭政策を導入したいがために、この飴政策を入れたような改正だなぁと感じる。 特許法の改正は『飴と鞭』改正と名づけたい。

 

2.分割出願の補正制限(分割出願制度の濫用防止)

50条 審査官は、拒絶をすべき旨の査定をしようとするときは、特許出願人に対し、拒絶の理由を通知し、相当の期間を指定して、意見書を提出する機会を与えなければならない。 ただし、17条の2第1項第1号又は3号に掲げる場合(同項1号に掲げる場合にあっては、拒絶の理由の通知と併せて次の条の規定による通知をした場合に限る。)において、53条1項の規定による却下の決定をするときは、この限りでない。

53条1項 17条の2第1項第1号又は第3号に掲げる場合(同項1号に掲げる場合にあっては、拒絶の理由の通知と併せて50条の2の規定による通知をした場合に限る。)において、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面についてした補正が17条の2第3項から第6項までの規定に違反しているものと特許をすべき旨の査定の謄本の送達前に認められたときは、審査官は、決定をもってその補正を却下しなければならない。

 と改正され、17条の2第1項第1号の拒絶理由通知の場合であっても、その際にした補正が、補正却下される場合があることとなった。 しかしまぁ、50条の2の通知を伴った拒絶理由はなんと呼ばれるようになるのだろうか? 50条の2の通知を伴った最初の拒絶理由通知になるのかな??? 50条の2の拒絶理由通知はおかしいし、50条の2による拒絶理由通知となるのかな・・・

(新設)50条の2 審査官は、前条の規定により特許出願について拒絶の理由を通知しようとする場合において、当該拒絶の理由が、他の特許出願(当該特許出願と当該他の特許出願の少なくともいずれか一方に44条2項の規定が適用されたことによる当該特許出願と同時にされたこととなっているものに限る。)についての前条(159条2項(174条1項において準用する場合を含む。)及び163条2項において準用する場合を含む。)の規定による通知(当該特許出願についての出願審査の請求前に当該特許出願の出願人がその内容を知り得る状態になかったものを除く。)に係る拒絶の理由と同一であるときは、その旨を併せて通知しなければならない。

 かっこ書きを除くと、

50条の2 審査官は、前条の規定により特許出願について拒絶の理由を通知しようとする場合において、当該拒絶の理由が、他の特許出願についての前条の規定による通知に係る拒絶の理由と同一であるときは、その旨を併せて通知しなければならない。

 これまでの実務でも論文試験でも、拒絶理由のある請求項を分割出願して、拒絶理由のない請求項については早期権利化を図るって作戦が取られていた。 今後も、その作戦は取れるが、もとの出願の請求項と同一の発明をそのまま分割出願したら、分割出願いついての一発目の拒絶理由が最後の拒絶理由と同じ効力を有することになるわけだ。 拒絶理由を受けた場合の取り得る措置としては変更はないが、留意事項が変更である。50条の2の規定が設けられた趣旨を考えると、拒絶理由のない請求項については早期権利化を図り、拒絶理由の対象となっている請求項については再度争うことができるため分割出願を行う的なことを書くと、なんだかなぁ~ってなりそう。 50条の2の新設はそういった点で大きい改正である。

 かっこ書き1つめを考慮すると、非常にレアケースだろうが、子出願で拒絶理由が通知されている場合、親出願において、その拒絶理由と同一の拒絶理由が通知される場合にも50条の2の適用はあることとなる。 親出願&子出願の双方が審査に係属している場合で、50条の2の通知がされているのに、39条2項が通知されない場合なんかは、ちょっと戦えるかな。 ただ、周知技術を付加した場合なんかは、拒絶理由が変更なしとして、そのまま拒絶査定される場合があると思うが、そのようなケースも本条の対象なのかな??? 審査基準が出るらしく、そこでのパブコメ等を通して明らかにしてもらわないと困る部分である。

 50条の2の通知が出た場合の補正の制限は、最後の拒絶理由通知の場合と同じで、17条の2第3項~第6項に規定する要件を満たす必要がある。。

17条の2第5項(4項が新設されたので繰り下がり)

 前2項に規定するもののほか、第1項第1号、第3号及び第4号に掲げる場合(同項1号に掲げる場合にあっては、拒絶理由通知と併せて50条の2の規定による通知を受けた場合に限る。)において特許請求の範囲についてする補正は、次に掲げる事項を目的とするものに限る。

 

 説明会テキストには、「分割出願の審査において、もとの特許出願等の審査において通知済みの拒絶の理由が解消されていない場合(・・・)には、拒絶の理由が既に通知されていることから、1回目の拒絶理由の通知であっても「最後の拒絶理由通知」を受けた場合と同様の補正制限を課すこととする(この場合、拒絶理由通知の回数は原則1回となる)。」とあるけど、今でも原則は1回なんじゃないのかな??? 拒絶査定をする前には、拒絶理由通知をしなくてはいけなくて、拒絶理由を1回通知してあれば拒絶査定できるのだから、やっぱり現行でも拒絶理由通知の回数の原則は1回だよね。 この改正によて、50条の2の通知がされた場合に、2回目の拒絶理由通知が通知されることがほとんどないというなら分かるけど。。。 

 

 

本日のキーワード: 論文試験でも書くことが求められていたのに、分割出願の濫用とのこと。

 

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2006年8月13日 (日)

平成18年度意匠法等改正説明会から徒然④(意匠)

10条1項 意匠登録出願人は、自己の意匠登録出願に係る意匠又は自己の登録意匠のうちから選択した一の意匠(以下「本意匠」という。)に類似する意匠(以下「関連意匠」という。)については、当該関連意匠の意匠登録出願の日(・・・)がその本意匠の意匠登録出願の日以降であって、20条3項の規定によりその本意匠の意匠登録出願が掲載された意匠公報(同条4項の規定により同条3項4号に掲げる事項が掲載されたものを除く。)の発行の日前である場合に限り、9条1項又は2項の規定にかかわらず、意匠登録を受けることができる。

(新設)2項 本意匠の意匠権について専用実施権が設定されているときは、その本意匠に係る関連意匠については、前項の規定にかかわらず、意匠登録を受けることができな い。

 常々、問題といわれていた点が改正されただけなので、さほどでもという感はあるが、関連意匠は、短答、論文ともに頻出なので、解答変更がめんどくさそうである。 関連意匠は同日出願が必須だったからね。 パリ優先権と絡めて問うたH13なんかは完全に解答が変更される。 今年は、短答も問題集を買いなおす必要があろう。 意匠は論文レジュメ集も買わなきゃいかんしで、物入りな改正になるのぉ。

 外国出願(意匠イ)→(パリ優先主張)国内出願(意匠イ)→外国出願公開(意匠イ)→関連意匠(意匠ロ)の場合は、関連意匠の出願日が遡及するわけではないから、意匠ロは登録されないなぁ。

 

 改正といえば、商標は大改正をひかえているので、登録後異議申し立て等がなくなっていないのです、なんて聞いてた気がするが全然大改正されないなぁ~。 H16で実用が変わって、H18で意匠が変わって、とすると、マイナーチェンジの続く商標は、来年か再来年か。。。 まぁ、来年は弁理士法の改正があるだろうから、再来年かな。 弁理士法改正といえば、登録前研修制度が導入される前に受かりたいものである。 そういえば、論文試験に条約を!なんて話はどうなってるんだろ。 これを聞くたびに、H13以前合格者に著作権・不正競争防止法をって思っているのはわしだけではないはずじゃ・・・ ただ、そうすると返しで、選択免除者に選択を!って返されるのが目に見えてるからなんじゃが。。。 あっと、選択免除制度も変わるかもしれんのよね。 今は大量合格で質より量時代だけど、量から質への転換が図られる時代はすぐそこにきてるだろうから、ホント早く受かりたいものだよね。 法科大学院出身の理系弁護士もどちゃこんと増えそうだしなぁ。 きっと年くってから、弁理士やるよね。

 

 話戻して、論文試験では、今後、複数の出願に関する問題で、1つは出願しているという状況の問題が出そうである。 確かにH17で出願後の問題出ているが(この改正のことが頭にあったからあの問題なのかもである。)、措置としては改正によって取り得るものが変わったので問われてもおかしくない気がする。

 新設された10条2項は、拒絶理由であり、無効理由であるわけであるが、無効審判請求時に本意匠及び関連意匠双方に専用実施権が設定登録されていても無効理由なのかしらん??? 行きすぎな気もするけども・・・ ただ、27条1項が存在してるから、無効理由なのだろうね。

 そうそう、3条の2もだそうだが、先願→施行日→後願の場合、後願において3条の2は、新法が適用され、関連意匠でも10条は本意匠の出願について規定しているわけではないから、やはり新法が適用され、先願の関連意匠とすることができるそうである。

 4.、5.及び6.は一連托生改正なので、まとめて覚えておくと間違いを減らせるかな。 よく改正点は、論文試験ではでないといわれているけど、そうすると来年はどこだすのだ? 組物と動的意匠くらいしかのこってないぞ。 今年、利用の大論点と変更きいてるからなぁ。。。 あとはパリ優先権かぁ。。。 関連意匠や3条の2で出願日の適用をずらすなら、国内優先権制度もいれてもいい気がする。 まぁ、関連意匠制度が、意匠公報発行までに出願できるということは、実質1年間類似する意匠については出願することができるようになったといえるので、まぁ、その点だけは国内優先権制度を導入したに近いものがあるわな。 ただ、1年の実質存続期間延長ができないからのぉ。 存続期間を設定登録から20年にするなら、関連意匠を異日出願でも認めるなら、そろそろ良くね。

 

6.秘密意匠制度の見直し

14条2項 前項の規定による請求をしようとする者は、次に掲げる事項を記載した書面を意匠登録出願と同時に、又は42条1項の規定による1年分の登録料の納付と同時に特許庁長官に提出しなければならない。

 これまで、「出願後であっても意匠を秘密とすることを請求することができる?」という問題が頻出してたと思うけど変更になっただけ。 秘密意匠制度は、短答マターだし、まぁ、論文で書くにしても、2~3行程度、その出願の仕方(14条2項、意匠法施行規則10条)を書くことが多かったわけで、試験にはたいして影響はでんだろう。 予備校的には、「秘密にする請求手数料を設定登録後であっても納付することができる?」なんて問題をだしそうである。 14条2項では、書面は意匠登録出願と同時と定めているだけだからね。 あらん!?、今でも、秘密意匠を請求する場合の手数料は、出願と同時に支払わなくても書面さえ出てればよくて、単に補正命令の対象なだけだな(準特17条1項3号)。

 

7.新規性喪失の例外の適用規定の見直し

4条3項 前項の規定の適用を受けようとする者は、その旨を記載した書面を意匠登録出願と同時に特許庁長官に提出し、かつ、3条1項1号又は2号に該当するに至った意匠が前項の規定の適用を受けることができる意匠であることを証明する書面を意匠登録出願の日から30日以内に特許庁長官に提出しなければならない。

 証明書の作成が容易だからという趣旨が没却されただけ。 意匠の場合には、売れ行きを打診するための試験販売であっても新規性喪失の例外の適用を受けることができるので、その場合を考慮しているのだろうね。 「近年、企業の製品開発の活発化に伴い、出願前に自ら意匠を公開する場合が増加しているが、本規定の適用を受けるために、公開事実について第三者からの証明を取得することに時間を要することから、証明書類の準備期間が不十分であるとの指摘がある。」

 

 

本日のキーワード: 何かぐちゃぐちゃ。

 

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2006年8月12日 (土)

平成18年度意匠法等改正説明会から徒然③(意匠)

続きその2

4.部分意匠等の保護の見直し

3条の2 意匠登録出願に係る意匠が、当該意匠登録出願の日前の他の意匠登録出願であって当該意匠登録出願後に20条3項又は66条3項の規定により意匠公報に掲載されたもの(以下この条において「先の意匠登録出願」という。)の願書の記載及び願書に添付した図面、写真、ひな形又見本に現された意匠の一部と同一又は類似であるときは、その意匠については、前条1項の規定にかかわらず、意匠登録を受けることができない。ただし、当該意匠登録出願の出願人と先の意匠登録出願の出願人とが同一の者であって、20条3項の規定により先の意匠登録出願が掲載された意匠公報(同条4項の規定により同条3項4号に掲げる事項が掲載されたものを除く。)の発行の日前に当該意匠登録出願があったときは、この限りでない。

 特許法29条の2と異なり、創作者同一の場合に適用除外がない。 意匠法においては、本改正でも混同説へのシフトということで明らかにしたように、創作という観点が少ないからなのか、それとも、意匠は製品の最終形態という観点から、創作者が同じで別々の出願人が出願するということが考えにくいということなのか、それともそれとも、旧関連意匠で同日出願を要件として規定していたように、意匠においては累積的進歩という観点が乏しいし、本改正の本当の意図は、出しそびれちゃった小さい方の出願を保護できるようにするという点でしかないということなのか。

 問題点として、「一方、デザイン開発上、製品全体のデザインが創作された時点では部品の詳細なデザインが決定していない場合など、部品や部分意匠の出願が間に合わず、意匠権を取得できない場合が生じている。このため、自己の出願意匠の後願意匠となる部品の意匠や部分意匠についても意匠登録を可能とすることで模倣被害を防止したいとの要請がある。」と記載されているけど、この場合だと、全体意匠の先願に部品や部分意匠として同一又は類似する意匠が記載されているとはいえない気もするけど・・・ 部分意匠の保護って、そもそも独創的で特徴ある部分を保護することが目的でしょ。 全体意匠の出願時にデザイン決定されていないものが、その後独創的で特徴ある部分となるんかいな・・・ まぁ、法改正のときって、ホントの趣旨って隠されてて名目が表に出てくるから仕方ナイとは思うけど。 結局のところ、3条の2と関連意匠の出願の時期的要件をずらしたのは外圧だよね。

 「当該意匠登録出願の出願人と先の意匠登録出願の出願人とが同一の者であって」の出願人同一の要件は、後願の査定時に同一であればよいらしい。 特許法29条の2とはここも大きく違っている。 あっと、結局創作者同一をいれてないのはこういうことなのね。 やっぱり、意匠は物品の最終形態に相当するものだから、権利範囲として同じようなところに創作者が同じであるという理由で2つの権利を登録させる必要がないということなのでしょうね。 ここは、点で出願して権利は範囲という風に広がる(特許法とは異なる)意匠法特有の制度から来てるのかもでアール。

 

 しかし、論文試験での、全体意匠と部分意匠の出願をする際に注意すべき事項として必須記載事項であった、「同一の日又は部分意匠についての意匠登録出願を先に出願することが必要である。」が、なくなりましたな。 今後は、「部分意匠についての意匠登録出願は、全体意匠の意匠公報発行前に出願することに留意すべきである。」とでも書くのかな? とすると、「全体意匠の出願は、3条1項の適用を避けるために、部分意匠の意匠公報発行前に出願することに留意すべきである。」とでも書くんかいな・・・ ようは、「部分意匠と全体意匠の意匠登録出願は、意匠公報発行前に出願することが必要である(3条1項、3条の2)。」ってことなんだけど、3条の2の改正点をアピールしたいとなると、旨い記載が必要ですな。

 ただ、意匠公報発行前に出願すればよいってところが、出願公開制度のない意匠法においては、出願人にとっては使いやすい制度である。 自分の全体意匠の登録査定の謄本の送達があったら、部分意匠、部品の意匠の出し忘れはないかな?とチェックできる点で良い制度であるのぉ~。 その点で、代理人としてはチェック項目が増えますな。 全体意匠の出願前には、部分意匠の出願の必要性はないですか?と確認し、登録査定の謄本の送達があったら、再度確認するってことになるかいな。

 

 短答的には、「創作者同一の場合に適用があるか?」って問題が予備校レベルでは出そう。 本試だと、「公開公報の発行前に出願すれば、3条の2の規定により拒絶される場合はない?」が狙い目かな。 

 上と絡むけど、秘密意匠の場合、意匠公報は2回発行されるわけで、1回目の公報発行をもって、その後の出願には3条の2の適用があることになるのをカッコ書きで規定しているわけだが、中々面白い規定振りである。 この点は、実質的な権利の延長の防止を図るという観点があると思う。 まぁ、3条の2の従前の新たな意匠を公開するものではないからという趣旨は没却されてるわな。 今後は、他人に対しては何等新たな意匠を公開するものではなく、同人に対しては模倣品対策としての要請が強く、出し忘れに対しても保護を与えるためとでも書きますか。。。

  

 

本日のキーワード: 業務拡大も必要だけど、地に足つけて地位向上を図ることの方が先じゃないかなぁ~

 

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2006年8月11日 (金)

平成18年度意匠法等改正説明会から徒然②(意匠)

続き。

1.意匠権の存続期間の延長

21条1項 意匠権(関連意匠の意匠権を除く)の存続期間は、設定登録の日から20年をもって終了する。

 実用新案に引き続いて存続期間の延長である。 特許もそのうち伸びるんじゃないか!! 弁理士試験的には痛くも痒くもない改正である。

 しかし、

81条1項 特許出願の日前又はこれと同日の意匠登録出願に係る意匠権がその特許出願に係る特許権と抵触する場合において、その意匠権の存続期間が満了したときは、その原意匠権者は、原意匠権の範囲内において、当該特許権又はその意匠権の存続期間の満了の際現に存する専用実施権について通常実施権を有する。

 ほとんど意味をなさない規定になってないか? 唯一、存続期間が延長されたときが関係するだろうが、薬事法や農薬取締法に関する発明と意匠が抵触ってあんまピンとこない・・・ 医療機器が関わるのかな??? みなし全指定となった今、「一の国のみの指定を含む国際出願に基づく優先権の主張を伴う場合には、」と状況を想定できない、PCT8条(2)(b)の国内法令によるという規定みたいなもんだな。

 

2.画面デザインの保護の拡充

2条1項 この法律で「意匠」とは、物品(物品の部分を含む。8条を除き、以下同じ。)の形状、模様若しくは色彩又はこれらの結合であって、視覚を通じて美観を起こさせるものをいう。

(新設)2項 前項において、物品の部分の形状、模様若しくは色彩又はこれらの結合には、物品の操作(当該物品がその機能を発揮できる状態にするために行われるものに限る。)の用に供される画像であって、当該物品又はこれと一体として用いられる物品に表示されるものが含まれるものとする。

 これまた弁理士試験的にはそれ程影響はでないだろう。 定義規定は短答でも問いづらいだろうから。 予備校なんかだと、部分意匠登録を受けられるものはどれか?なんて問題をだしそう。。。 本試では出んでしょ。

 液晶表示はこれまではガイドラインで定めていたものであるが、保護する旨を条文に規定して、部分意匠として登録を受けることができることが明確になったわけである。 画面デザインが物品自体の機能に関わる必要があるとのことであり、キーワードは、機能を発揮しているか否かである。 ただ、これは条文の文言であり、短答でもここを聞きづらいと思うところだし、論文なら法文集みればよいので、口述マターといえるところかもである。 

 しかしまぁ、液晶表示のガイドラインは一回も論文試験前に目を通さなかったが、今年は出なかったし3要件等覚えてなくても助かったよ。 これで、条文に規定されたし、ガイドラインは気にしなくてよいかなぁ~♪

 そうそう、図面の出し方がちょいとめんどくさいようである。

 

3.意匠の類似の範囲の明確化

23条 意匠権者は、業として登録意匠及びこれに類似する意匠の実施をする権利を占有する。 ただし、その意匠権について専用実施権を設定したときは、専用実施権者がその登録意匠及びこれに類似する意匠の実施をする権利を専有する範囲については、この限りでない。

24条1項 登録意匠の範囲は、願書の記載及び添付した図面に記載され又は願書に添付した写真、ひな形若しくは見本により現わされた意匠に基いて定めなければならない。

(新設)2項 登録意匠とそれ以外の意匠が類似であるか否かの判断は、需要者の視覚を通じて起こさせる美観に基づいて行うものとする。

 「づ」の違いはなんだろぉ???

 ここは、受験界にとっては一番の改正ポイントではないだろうか!! ベテには更にスイートスポットだろう。 意匠法23条と24条は、特許法における68条に対する70条の規定と同じ関係にありますといっていて、意匠法24条は、23条の解釈規定に該当するそうである。 本来は、「類似」とはと定義規定を2条におきたかったのであるが、条文上、「類似」は、類似する意匠(3条1項3号)、意匠の一部と同一又は類似であるときは(3条の2)、同一又は類似意匠(9条1項)とその用語が形容詞的に使われていたり、動詞的に使われていたりして、定義規定(定義規定の場合は名詞で規定するのが立法なんだそうな。)をそのまま読み替えると日本語として煩雑になることを考慮して、24条で定めたといっていた。 そして、この考え方は意匠法全般の「類似」の判断に適用されるとのことだったので、審査段階についても意匠の類似については、創作説ではなく混同説になるようである。

 妙に強調していたのが、最高裁判例の確認改定であるということであった。

  最高裁昭和49年3月19日

  最高裁昭和50年2月28日

 の2つが参考判例らしい。

 フロアーから「需要者が判断主体となると、需要者の位置づけが変動することによって、時代によって権利範囲が変更したりしないのか?」との質問がなされていたが、権利の拡張・縮小はないと答えていた。 よくわからん!!(答えになってなくないか!?) そうそう、需要者とは取引者が含まれる概念だそうだ。

 未だに、類比判断の創作説と混同説や、意匠法の趣旨における創作基準説や競業説だっけか?は全然理解できてないので、この辺で・・・ そのうち気が向いたら勉強しよう。

 

 

本日のキーワード: 青本の通読が先か、口述の過去問が先か。 そろそろ・・・

 

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2006年8月 9日 (水)

平成18年度意匠法等改正説明会から徒然①

 昨日、メルパルクホールでの改正説明会に行ってきた。 去年の地域団体商標の説明会はいかなかったので、2年ぶりである。 その時と比べると、説明の仕方はかなりいけてたんじゃないかと思う。 前の時は、単にテキスト読んでるだけだったからね。 寝てる人が少ないのが、やっぱ代理人って切実な仕事なんだなぁって思うとこだ。 席も結構、前から埋まるし。

 1500人強のキャパに結構埋まっていたけど、何割くらいが代理人なのだろうか? 早く仲間入りをしたいものである。 そーいやぁ、受付では名刺を当然のように要求してたなぁ~。

  

 今年の改正は、例外の例外を法改正しましたって感じで、、、 しかも、論文試験での取り得る措置系に絡むところも多いので、短答、論文共にごっついことになりそう。 短答では、「場合はない」問題を出された場合には、よく考える必要がありそう。 論文も、過去問の分割が絡むようなH17とかは解答変更が必要そうだ。 

 意匠は、今年までは、H10から大きい改正なかったのもあって問題のバリエーションに閉塞感があり、短答の意匠は、過去問さえやっときゃぁ点とれてたけど、意匠の楽園はおしまいに。 全く改正ないのが組物と動的意匠ぐらいだからなぁ。 まぁ、部分意匠は液晶表示が保護されることが明確になっただけなので、短答的にはたいしたことないかもだけど、関連意匠、新規性喪失の例外、秘密意匠、3条の2の中でも関連意匠と3条の2が変わったのが要注意だ!! ここらは、論文のレジュメ及び論文試験の過去問の解答もそう入れ替えしないといけない。。。

 

 説明を聞いていて疑問に思ったところ。 ただ、同じところを疑問に思う人もいるようで、全て他者が質問してくれたのでオールクリアー。

 

その1 画面デザインの保護の拡充

Q.Windows(R)画面は保護されるのか?

A.OSは基本的に部分意匠では保護されない。 

My Comment.法改正によって、DVD再生録画機の録画予約操作用画面デザイン等の画面デザインが保護されるようになるが、そのためには、物品の操作の用に供される画像である必要がある。 そして、物品の操作とは、物品の機能を発揮できる状態にするために行われるものに限られるので、Windows(R)画面が供されなくても既にパソコンとしての機能は発揮されている以上、Windows(R)の画面デザインは部分意匠として保護されない。 マイコン制御の家電に特化した制御用画面デザインは保護されそうな気がするが、OS等の汎用性の高い画面デザインは保護されないという所で線が引けそうである(OSのみならず一般のソフト画面も保護されない。)。 要は固有の機能を発揮させないとだめそうで、タッチパネルなんかはきっと保護されるだろう。

 

その2 分割の時期的制限の緩和

Q.特許査定後に分割出願ができるようになるが、補正はできるのか?

A.補正はできないので、訂正審判で対応することとなる。 

My Comment.拒絶査定の後にも分割出願することができるが、この場合は、補正の機会は必要ないし(どうせ親は拒絶査定確定することで先願の地位が消滅する。)、親出願につき補正して争いたければ審決取消訴訟を提起すればよいので問題はないか。 ただ、実務的には、拒絶査定不服審判にいかなくても何回でも勝負できることになるね。 いくら、分割要件に制限かけて分割出願が親出願と同じ拒絶理由に該当すれば、最後の拒絶理由でるとしても、また、分割出願すればいいだけのことだものなぁ。 しかも、分割ってもとの出願の最初に添付した明細書等の範囲内からいけるからねぇ。  オゼゼ的には、請求項が1つの場合に、拒絶査定不服審判を請求すると、49500+5500X1=55000円、分割出願の場合には、16000+168600+4000X1=188600円だから審判請求の方が安いけど、大企業にとっては大した額じゃないだろうし、審判は実質補正の機会がないからねぇ。 それなら、最後であっても審査の結果が分かってから、補正に反映させることのできる分割の方が使い勝手がよさそうだよね。 国際的調和を趣旨としてるけど、審判請求を減らしたいという特許庁の意図があるのかな?

 拒絶理由通知なしでの特許査定があるから、出願人の利便のために特許査定後にも分割を認めたわけだけど、その特許査定に不服があるなら(特許請求の範囲を狭く記載した等)、最大限請求項を広げるだけ広げて分割出願をして、親は放置するのが一番だろう。 すると、登録料の未納により手続が却下されて(18条1項)、親出願は先願としての地位を失うので一番金がかからんだろう。 どうせ特許査定されるクレームは分かってるわけだし、思いっきり広げて勝負できるな。

 

 特許庁の説明者が出願は特許査定後でも特許庁に係属していますといっていたけど、いいのかな???

 

その3 分割出願制度の濫用防止

Q.分割出願の審査において、もとの特許出願等の審査において通知済みの拒絶の理由が解消されていない場合の例示として、分割出願の特許請求の範囲に、もとの特許出願の審査において進歩性が否定された発明と実質的に同じ発明が含まれている場合が例示されているが、ここにいう実質的に同じ発明とは何ぞや?

A.29条の2や39条の実質同一とは異なった考え方で、50条の2にいう実質同一とは、拒絶理由が同一か否かが判断基準となるそう。 

My Comment.29条1項3号やら29条2項やらの拒絶理由が同一な場合は、補正してたとしても、実質的に、出願人はもとの出願における請求項に係る発明をそのまま分割出願をしているといえるだろうが、36条等でも適用あるのだろうか??? 出願人としては、36条クリアーしたと考えて請求項を減縮して分割出願してても審査官が36条の拒絶理由が同一と判断したら、50条の2となる???

 

 

本日のキーワード: 全ては審査基準が出てから 

  

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