2009年3月 5日 (木)

こんなにおもしろい弁理士の仕事

こんなにおもしろい弁理士の仕事 奥田百子 中央経済社

 弁理士からすると、つっこみどころ満載な書籍ですが、自粛しておきます。

 なお、特許のことも書かれてはいますが、「特許庁保有取扱分野情報」をみると・・・

 

 便利ツール

 Google Patent Search

 ULTRA PATENT ベータ版

 対訳君(翻訳者の間に使用頻度大だそうです。) ウェブde対訳

 

 iPAQ(PDAとして紹介されています。) スマートフォン、今なら、こっちですかね。

 

 

本日のキーワード: 国際特許出願マニュアル(どうして???)

 

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2009年2月10日 (火)

化学・バイオ特許の出願戦略 その1

改訂2版 化学・バイオ特許の出願戦略 細田芳徳(心の上に一が入る) 経済産業調査会

 改訂3版が既に出版されていますが、改訂2版でお勉強です。 改訂2版発行の、平成18年から実務はそれほど大きくは変わっていないでしょう。

 

 「抽出物を含む組成物」は、天然物と同じなのか?という議論がある。 抽出物は、もともと天然にあったものであり、抽出物を「含む」組成物とすると、天然物に戻ってしまうという考え方である。 しかし、

5頁 「天然物としての微生物は土壌中で土壌と共に存在するのであって、培地上で培養するなど人為的手段を経て培養されている微生物はもはや天然物とはみないというのが、特許における考え方である。生理活性物質の抽出物や精製品等も抽出物、精製品自体は天然には独立して存在しないものであるからもはや天然物ではない。」

 ということから考えると、抽出物は天然物ではなく、人工物なので、人工物を含む組成物は、天然物足りえないということになろう。

 IPDLで、「抽出物を含む」、「抽出物を含有する」+「食品。」で検索してヒットした中から、

特許4090861号

請求項2 焼成栗皮の抽出物を含有することを特徴とする食品。

 で特許されているわけであるが、

 元の請求項は、

請求項2 焼成栗皮のタンニンを含有することを特徴とする食品。

 クレームの範囲が広くなって認められているという中々に珍しいケースかもしれない。

 拒絶理由をみると、焼成栗皮自体は引例となっていない。 ということから、抽出物となった以上、抽出物を含む組成物が、天然物に戻ると考える必要はなさそうな感じである。

 拒絶理由で、

「(なお、栗の調理方法として栗の渋皮煮が周知であり、この食品には、渋皮由来の様々な物質(タンニンも含む)が「含有」されているから、このような食品と
請求項2の発明とは区別できない点にも留意されたい。)」

 とあることから、この場合、抽出物を含む食品は、元の食品に戻っているともいえなくもない。 とはいえ、タンニンという「物質を含む」と、「抽出物を含む」とは若干意味合いも違う気もする。

 途中で、

請求項2 焼成栗皮の抽出物からなることを特徴とする食品。
 

 と補正されているのはご愛敬。

 審判を経過して特許審決となっているものとして、特許4104180号があるので、そのうち参考になるかも。

 

5頁 「クレームしている物が天然物か否か、あるいは天然物を含み得るか否かが問題となった場合には、クレームしている物が天然物ではないことを明らかにする必要がある。この場合、例えば、「単離された○○○」、「精製された○○○」のように表現することで、容易に天然物との区別化が図ることができる。」

 天然物か否か分からないということは、クレームされている物が、天然物と同一である物を意味しているということではないのか? この場合、「単離された」や「精製された」との限定を入れても、物として相違するものにはならないような気がするが。 また、天然物として既に存在していても、単離することにより、発明として認められるわけなので、「単離された」と記載しても、既に天然物とは違うと認められている以上、何らかの効果があるのか? 区別化ということは、新規性の問題だと思うんだが。。。

 広範な範囲をクレームしていて、明確にするために「単離された」を記載することは、まだ理由があるといえる。

 

5頁 「人為的処理を反映する用語として「単離」、「精製」等の用語が使用される。 米国の特許実務では、この点が厳密であり、クレーム表現によっては、「天然の蛋白質」、「天然の遺伝子」をクレームしていると認定されて、米国特許法第101条の法定の主題に該当しないという理由の拒絶理由が出される。」

 単離された○○、単離物といった記載はある意味、プロダクトバイプロセスクレームといえる。 そうすると、天然からの抽出物の場合、プロダクトバイプロセスクレームとすることにより、発明となり、新規性が出てくるというのは不思議な考えともいえる。 抽出物の場合は、組成物なので、物としても相違するというのは、その成分が異なることがあるので、まだ理解できるが、化学物質の場合、微妙である。 とはいえ、化学物質では、構造が明らかにされない以上、そこに存在していても、新規性は喪失しないと考えられると理解している(要確認:アジスロマイシンの判決。)。 ただし、プロダクトバイクレームといえるという前提がなければ、生じない論である。

 なお、米国実務としては、「A gene encoding ・・・」で天然遺伝子をコードしていると指摘された場合には、「A isolated gene encofing ・・・」と補正するとよいようである(5-6頁)。

 

6頁 「下記式により定義される、分子内の原子の空間的配置を有するファーマコフォアで規定された化合物」は、発明の対象足り得ると紹介されているが、審査基準で、特許要件を満たさないことが明確に記載されている(実施可能要件違反、明確性違反)。

 

7頁 塩基配列は特許にならないはずであるが、

特許2549504号では、

 ・・・を特徴とするDNA塩基配列。

特許2799735号では、

 ・・・ポリペプチドをコードする塩基配列。

として、特許されている(登録年代が古いからであろう。)。

 通常、

請求項1 以下の塩基配列からなるDNA。

        ・・・をコードする塩基配列。

といった記載が多い。

 

 

つづく

 

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2008年9月15日 (月)

初心者のための特許出願完全・最短理解の手引き

初心者のための特許出願完全・最短理解の手引き 葛西泰二(字がないのでIPDLでの記載に合わせています。 なお、カサイではなく、カッサイと呼ぶようです。)

 こういう本を読むときの鉄則。 独立している弁理士なら、IPDLで代理人検索をするに限ります。 また、事務所のHPを確認するのもよいでしょう。 平成20年9月15日検索で、2000年発行の公報から333件ヒットします。 出願件数が伸びているようですので、単純に平均をとるのはよろしくないですが、1つの指標ということで、333÷8.5、年間40件くらい出願されている弁理士先生ということが分かります。 平成11年に独立されていますので、1年半後の公開ということを考えると、独立当初から出願を行っている弁理士さんであることもわかります。

 なお、再公表特許(PCT出願)、公表特許(外国PCTの国内移行)が発行されていないことから、また、さすがにパリルートだけということはないでしょうから、外国関係は一切やっていないといえる弁理士先生ということがわかります。

 

24頁 「ちなみに近年の特許の世界では、特許権者に有利な傾向(プロパテント傾向)は年々強まる一方で、権利の侵害が認められた場合の損害決着額が高騰しています。」

 これは本当でしょうか。 侵害訴訟の場では、104条の3(特許無効の抗弁)で特許権者側が負けるケースが増えていると思いますので、アンチパテントではないのでしょうか? 特許権者側が勝訴する場合には、和解も多いでしょうから、判決が出ているかだけでは判断はつかないと思いますが、私の理解ではどちらかというとアンチパテントです。

 

 弁理士としてお勉強になった箇所として、

71頁 「オンライン出願の場合の手数料納付方法 印紙が貼れませんから、予納制度となります。」

 紙で出願すると今は、電子化手数料がかかりますので、コスト削減の観点から、オンラインで出願する必要がありますね。 そうすると、予納が必要ということになると。 代理人として独立するには、請求書を立ててお金を払ってもらうまでは持ちこたえなければなりませんから、予納する分として先立つものが必要ということになりますね。 予納台帳番号等をゲットするための手続きも必要ということに。

81頁 オンライン出願を希望する場合には、3つの届出が必要なようです。 識別番号付与請求書、電子出願プログラムCD-ROM交付請求書、電子情報処理組織使用届

 って、調べてみると、どうも上記はISDN回線を利用した出願の場合なような気がしますが・・・ また、上記71頁にあるように絶対に予納でなければいかんということではなさそうな気がします。 納付書交付請求書によれば、現金納付を利用できることが記載されていますね

 

 疑問が残ったところとして、

72頁 「記号の▲と▼は使用できません。 また、【】も項目名に使用する決まりになっていますので、それ以外の個所への使用は禁じられています。」

 ▲文字▼とすると、▲▼にはさまれた部分が意味あるものとなるので、使用できないということでしょうか。 旧字を、特許庁の出願ソフトで認められている字に当てはめるときに使いますから、まったく使えないということではないと思いますが。。。 

 

 

本日のキーワード: インターネット出願

 

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2008年6月18日 (水)

日米特許戦争の狭間で

日米特許戦争の狭間で 米国特許弁護士・パートナーへの3000日 服部健一 The Japan Times

 1994年に初版が出ているので古い本ですが、読んでみました。 自己アピールの強いお方です。 アメリカナイズされたのか、元々、押しが強いから、米国でパートナーになれたのか。。。 特許庁審査官→米国弁護士です。 この流れは、我々の業界だと、思いつく人がいますね! 米国特許に関する入門書を書いておられる木梨貞男氏です。 同じ事務所に所属しているようです。

169頁 「普通の人の数倍は働く私をみて・・・」

 全編に渡ってこんな感じです。

 

38頁 「アメリカの法律事務所ではアソシエート(法律事務所の構成員である弁護士や弁理士)は徹底的に働かされ、稼がされる。 彼らの稼ぎの60%はオフィスに献上され、パートナー(法律事務所を経営する)の収入につながっていくからだ。」

 日本と同じなんですね。 日本の特許事務所でも売り上げの3分の1が、アソシエイトの取り分といいますもんね。

39頁 「また、日本の制度(特許を含む)がアメリカの制度と根本的に異なる点は、日本の制度は国が生き残ること(survival)を目的にしていることだ。 古くは中国を範とし、新しくは欧米を相手とし、無資源の島国としては、個ではなく、全体が生きることを目的とした制度でなくては生き残っていけない。 特許制度も独占権よりも産業の調和を第一の目的としている。」

40頁 「日本の特許制度が遅れても問題がないのは、独占権として利用するシステムというより、研究者哲蒙のために教育的なものを基本目的としているからだ。 したがって出願も白衣の研究者のみならず、現場の技術者までが行う。」

40頁 「さらに問題となるのは、日本の特許庁と米国特許庁との性格の差である。 日本の社会は原則的に官庁中心であり、審査官のポストは官僚というエリートである。 ・・・ 優秀な学生は、軍かサービス産業へ行き、あまり成績が良くない者が仕方がなしに米国特許庁などの役所へ行くことが多い。 ・・・ そして、アメリカでは特許の本当の真価を争う場所は裁判所である。 すべての制度の根本は裁判にあり、訴訟が基本となっている。 日本の場合は官庁(行政庁)が主体となり、全体の調和を図りむしろ訴訟回避型である。」

 著者の書いているこの状況って今でも脈々と流れていそうです。 このあたりの制度の理解なくして、特許庁の審査官の対応(拒絶することが仕事)というものは理解できないかもしれません。

 

 途中、氏の発行する米国の特許情勢に関するレポートを読まないものは知財業界にいないといった文章があったのですが(どこだったかは失念)、どんなレポートだったのか気になるところです。 今も発行されているのでしょうか・・・

 

 

本日のキーワード: 日米特許最前線

 

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2008年4月30日 (水)

そのブログ!「法律違反」です

そのブログ!「法律違反」です 知らなかったではすまない 知的財産権のルール 前岨博 早坂昌彦 石塚秀俊 ソフトバンク新書

 久々、知財本です。 一般書籍の分類でもよいかもという読後感なのですが。。。

 正直、新書としても内容が物足りないような気がします。 30分くらいでザクッと読めてしまいます。 今ハヤリ(?!)のフォトリーディングを使わずに逐語読してです。 ターゲットは、全くもって知財を知らない人ってところでしょうか。 知財に携わるものとして、ブログの法律違反については敏感でなければならないので読んでみたんですが・・・ ブログネタはあまり続きません・・・ 中小企業における顧問のような知財コンサルの仕事をしているのでは?というような著者の職責が偲ばれる内容です。 

22-23頁 アニメのキャラクターは著作物ではないというのは、認識しているのですが、理解ができていないのです。

 「アニメという著作物の画面をまねて、そこに登場するキャラクターの絵を描く行為が、著作物の複製行為といい得る、というのが判例の考え方です。」

 というところがよくわからんのですよねぇ~ やっぱし、最高裁判例をまじめに読んでみないといけません。 「複製」というところでひっかかってしまいます。

85-88頁 写るんです事件、インクタンク事件に触れられているのですが、いくら新書とはいえ、ザクッと書きすぎなきがします。 「流通に置かれた使い捨てカメラの特許権はいったん消尽したものの、使い切って効用を終えたことで再び特許権の効力が認められることとなり、少しおかしな感じもしますが、判例はこのように判断しました。」と記載されているのですが(88頁)、、、 判例の内容はモハヤうろ覚えなので、なんなんですがちょっと違うのでは?と思いました。 写るんです事件では、本質的部分の破壊、再構成があったので消尽したままとは認められないと判示されたのではなかったでしたっけね。。。 まぁ、ここまで書くとちょっと専門的すぎますし、分かりにくいですから上記流れでもいいのかもしれないんですが。。。 とはいえ、???な部分でした。

92頁 「ゲーム画面の画像は、ゲーム機そのものの制御や設定を行う操作のための画面ではなく、あくまでもゲーム内でゲームを展開したりキャラクターを操作するためのものなので、意匠法で保護の対象「画像」ではありません。 「画像」として認められるものとしては、例えば、デジタルカメラや携帯電話機、カーナビ等の画面で、機器の操作に用いられる画像などにとどまります。」

 意匠から離れているので、忘れていましたが、、、 平成18年改正にはほぼついていけなくなっていて、Windowsの画面は保護されないんでしたっけね? Macはどうなんだということころもありますが。。。

99-102頁 「他人のブログに掲載されていた発明を特許出願してもよいか?」 

 自社の発明の改良発明がブログに掲示されていてそれをそのまま特許出願することを企図している状況として記載されていると思うのですが、、、 先使用権から先願主義の流れで説明されています。 しかも、「第三者がこのブログに掲載されていた発明に価値を見出し、その発明を「いただいて(特許権を取得して)」ビジネス活動を行うことは、法律上は問題はないと思われます。」

 「同じ発明をした人が二人いた場合」は確かに先願主義ですが。。。 本当に、法律上は問題ないんですかね? 発明者は誰にするんでしょうか?? 字面だけを追うと冒認出願に該当するような気がしますが・・・

 受験時とその後の理解でかわったのが、

1.甲: 学会で発表

2.乙: 学会発表を見て特許出願A

3.甲: 30条適用して特許出願B

4. 特許出願Aの公開

 の場合に、甲は特許出願Aについて特許を受けることができるか?という問題です。 受験時には、特許出願Bは、特許出願Aの公開により29条の2の規定が適用されて特許を受けることができないと理解していたのですが、、、 その後、変わった理解としては、事例の実体を考慮すると(実際の審査とは違いますよ!)、特許出願Aと特許出願Bとでは、発明者が甲で同一なので、29条の2の適用はなく特許を受けることができるというものでした。 ということで、上記著作における事例でも、発明者はブロガーですので、やっぱり冒認出願ですよね(法律的に問題あり。)。

130頁 「将来的には、アジア太平洋経済協力会議(APEC)域内等において、各国の特許審査結果を相互利用できるようになる可能性もあります。」

 審査結果の相互利用と、審査結果の相互認証とは意味合いが違いますね。 相互利用は今でもなされているのではないですかね? 翻訳の観点から、JPO→USPTOが問題ですかね! なお、JPOとUSPTOは、相互利用の一環として特許審査ハイウェイを行ってますよね。

135頁 「2004年7月、特許庁が、特許電子図書館の特許・実用新案の公開公報へのアクセス状況を調査したところ、アクセス件数の上位10社は日本企業ではなく、韓国、台湾、中国企業であるというショッキングな事実が明らかになりました。」

 これまことしやかに言われていましたが、本当だったんですね。 データを探してみたのですが、見つかりませんでした。 元データを見たいものです。

157ー158頁 「独特の形状や動きに技術的な特色もあり、」な製品に対し、「某大手企業が、我が社の器具と見間違える製品を自社製品として展示している」という状況で、「自社製品の独自技術について、特許権を保有しているかどうかが問題となります。」だけの説明です。

 独特の形状などにも特徴があるのですから、意匠権や不正競争への言及も欲しいところです。

 

 

本日のキーワード: 弁理士の監修を入れたほうが良かったのでは?(笑)

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2007年8月20日 (月)

知財立国

知財立国 日本再生の切り札 100の提言

荒井寿光+知的財産国家戦略フォーラム B&Tブックス 日刊工業新聞社

 2002年発行の書籍ですので、内容的には古いですが、5年たってどういう風に変わってきたのか勝手に検証するとともに、今の知財ブームの渦中にいる人間として、いま一度原点を振り返ってみたいと思います。

37頁 「当時の特許庁の基本方針は「特許は質が重要」だからと、慎重審理の上、権利範囲はできるだけ狭くして特許するというものだった。」

 2010年の仮想世界を描いた一場面中、2000年の話として出ています。 ということは、より特許要件の判断が厳しくなっていると言われている昨今ですから、今の審査実務はより権利範囲が狭いんでしょうね。 しかし、それで、特許法の法目的を達成できるんでしょうか。 一歩下がって他人に迷惑をかけないという日本人の美徳が、特許法では出すぎている気もしますね。

40頁 2005年までの具体的行動計画(アクション・プラン)を含めた知的財産戦略大綱に基づいた改革として記載されている、「従業員発明の廃止」、「知財ロースクール」、「模造品の輸入防止機関」という政策は取られていないような気がします。 これもまた、この本での仮想世界での話しなんですが、従業員発明の廃止ってことは、職務発明制度の廃止ってことと同義ですよね。。。 凄いことを考えています。

56頁 「エイズの治療薬について、インドの会社が製造した特許侵害薬を、エイズ患者を多数抱える南アフリカ政府が人道的な立場から輸入することになり、国際機関を巻き込んだ大問題となった。 しかし、これがエイズ治療薬だけの議論にとどまる理由はなく、がん治療薬でも、心臓病の治療薬でも同じことが起こりうる。」

 これは事実となりましたね。 一定の範囲では、TRIPS協定で認められていますので本来問題はないはずなんですが、心臓病の薬とかについては、タイで強制実施権が発動されるとかでニュースになっていたかと思います。 インドでは、ノバルティスのグリーベックに関連した特許が無効という判断がされたかと思います。

 特許庁HPのインド特許法の仮訳を見ますと、

3条 発明でないもの

 次に掲げるものは、本法の趣旨に該当する発明とはしない。

(d)既知の物質について何らかの新規な形態の単なる発見であって当該物質の既知の効能の増大にならないもの、又は既知の物質の新規特性若しくは新規用途の単なる発見、既知の方法、機械、若しくは装置の単なる用途の単なる発見。 ただし、かかる既知の方法が新規な製品を作り出すことになるか、又は少なくとも1の新規な反応物を使用する場合は、この限りでない。

説明--本号の適用上、既知物質の塩、エステル、エーテル、多形体、代謝物質、純形態、粒径、異性体、異性体混合物、錯体、配合物、及び他の誘導体は、それらが効能に関する特性上実質的に異ならない限り、同一物質とみなす。

(e)物質の成分の諸性質についての集合という結果となるに過ぎない場合によって得られる物質、又は当該物質を製造する方法

(i)人の内科的、外科的、治療的、予防的、診断的、療法的若しくはその他の処置方法、又は動物の類似の処置方法であって、それら動物を疾病から自由にし又はそれらの経済的価値若しくはそれえらの製品の経済的価値を増進させるもの

 ということで、インドでは周辺化合物では特許が取れないわけですし、また、用途発明をもダメなんですね。 用途発明に関しては米国的であるわけですが、治療方法でも特許が取れませんので、医薬発明については、化合物1回こっきりってとこでしょうか。 製剤も(e)に含まれてしまい、特許がとれないのかもしれません。

63頁 「この十年くらいの間に、企業価値の多くの部分が有形資産から無形資産へとシフトしている。」

 製造業の市場価値は、無形資産で判断できるのでしょうが、前にもブログ上で書いた気がしますが、有形資産になれた融資する側が無形資産を有形化しようとしているというのが現在の流れといえるかと。 そこで、重要になってくるのが、

64頁 「企業の知的財産権戦略のインフラとなるのが、技術移転・知財流通、知財コンサルティング、知財ファイナンスといった知財ビジネスである。 中でも重要なのが知財評価である。」

 ということなんでしょう。 土地の価値だって本来は無形だと思いますが、土地とか有形のものは物件として、所有権の移転が容易なのに対し、特許権の場合は、事業の移転が容易ではないので、より判断が難しくなるのでしょうね。 より、M&Aとかが盛んになって事業の流動化が進めば、知財価値判断も容易になる時代が来るかもしれないなぁと思います。 有価証券だって、目に見えない企業価値を判断しているわけですが、誰も難しいといわず、普通に取引されてますからね。 ブランドについてもある程度は取引の対象になっているわけですから、後は事業化されていない特許の価値判断ですね。

66頁 「特許にするかどうかの結論を先に延ばす審査請求制度や先行技術を隠して登録されるような特許があることは、時代に合わない。」

 とあるけど、特に後者は、激しく同意できる部分ではないかと思います。 特許法36条4項2号とかが規定されたりしましたが、まだまだ本質は明かさないというのが日本の特許法実務ではないかと思います。 かといって、アメリカみたくIDSさえしとけば、実施例がなくても特許権が発生するというのもいかがかなぁとは思います。 しかも、先行技術の全てが本明細書中に援用されるってよく使われてますが、そんなに読んでられませんよね。 私は、それを読んだ瞬間に、この特許は実施してないんだなぁ~と思ってしまいます。 大体、援用するって書かれてるところは、まるっきりやっていないか、全然本願と関係なかったりしますよね。

 

 ここからは、100の提言に関する部分についてですが、

94頁 「12 学内発表しても特許の新規性が失われないようにする

米国では、研究者本人による発表ではこうしたことにはならない。 日本でも、発明者自身の発表で不利益を被ることがないようにする。」

 とあります。 確かに、米国では仮出願の制度もありますし、グレース・ピリオドも1年と長いと思いますが、一方の欧州では認められていません。 たまに、新規性喪失した案件をPCT出願する大学とかがありますが、あまり意味ないですよね。。。 また、米国が長いグレース・ピリオドの期間を設けられるのも、先発明主義を採用していることが一因でもあるのではないでしょうかね。 法の不知があるかもしれないので、研究者に過酷というのも30条制定の趣旨だったかと理解していますが、これだけ特許法というものが公知になり、大学の講義でも知財法の講義が設けられている昨今のようですから、30条廃止論というのもあってもいいのかもしれません。

106頁 「20 ポスドク一万人計画を知財戦略に活用する

・・・、先端技術の専門家として特許庁や裁判所で、審査官・審判官・調査官として採用し、知財ビジネスを支える専門性の高い知財人材として活躍してもらう。」

 とありますが、一部、審査官に任期付審査官ということで採用されていますよね。 しかし、審判官や調査官とは、また行き過ぎな気がします。 発明者は兎角自分の発明を実施例ベースで考える癖があると思います。 しかし、特許法上の発明というのは、実施例を思想に置き換えて概念化されたものとなります。 ここの発明の見方って結構、慣れるまでは大変ですよね。 

129頁 「47 データの裏づけのある特許出願をする

米国では、特許出願の明細書に一つでも虚偽があれば、訴訟の際に虚偽の記載が厳しい証拠開示手続の中で露呈し、権利そのものが成立しなくなる。 日本において、アイデアの段階で出願される場合には、推測を元にし、データの裏づけのないものも含まれているとされる。」

 とありますが、アメリカも似たようなものですよね。 どこが本願の発明なのか分からない明細書がいいのかというと・・・ですよね。 確かに、IDSがあるので、従来技術の開示はされすぎているくらいだと思いますが、アメリカでも「will」で書かれている実施例なんてザラにありますよね。 とはいえ、確かに日本では書きすぎたからといって損になることはないので、書き得感は否定しませんし、弁理士が勢いよく発明を作ることも否定できないと思いますが。。。

132頁 「51 特許取得を支援する審査に移行する

これまで、特許庁は特許としない理由の発見に力を入れ、結果として、特許取得を遅く、弱く、狭くしていた。 これからは、有益な発明を特許とするため、特許取得を支援する審査へと発想を転換する。 発明の内容をいちばん理解している発明者・出願人からの技術説明を最優先し、権利化へのアドバイスのため、補正の示唆や出願人との面接などをさらに積極的に行なう。」

 っていいですねぇ。。。 私は、日本人の気質からして、拒絶理由が限定列挙され、それをクリアーしたら特許になるという法体系では、提言51の目指す世界は遠いのかなぁ~と思っています。 審査官といえども官僚ですから、自分の失敗を公にはされたくないと思います。 基本的に官僚に失敗は許されませんよね。 そんな中、拒絶の理由を発見しないから特許査定するという現行法規下では、無効審判などが起きて無効が確定した時には、拒絶の理由を発見できなかった審査官とレッテルを貼られているのと同じになるのではないかと思います。 かといって、審査待ち案件80万件とかっていわれている今の時代にゆっくり審査できるほどの状況でもないですしね。 となれば、審査待ち件数が減らない限り、狭い権利範囲というものはどうしても仕方ない気がします。

132-133頁 「「拒絶理由(特許としない理由)」の発見サービスから「特許取得を支援する審査」への転換である。 今までは、特許としない理由の発見に力を入れてきたが、この考え方の根底にあったのは、特許は独占を認めるので世の中に迷惑をかけるという「アンチパテント」的な考え方である。」

 審査官が霞ヶ関官僚なのが1つの一因でもあると思うので、、、 とはいえ、巷で話題になったように特許審査の民間解放というのもいかがなものかと思います。 霞ヶ関官僚とは異なる独自の官僚システムを作りあげるのが一番なのかもしれませんね。 もうちょっと、公務員なNTTやJRでしょうか。 すると、独法化ですかね。。。

135-136頁 「54 特許庁の電子図書館のサービスを向上させる」

 これは随分と改善されたンじゃないかと思います。 後は、PCT出願されたものが閲覧しやすくなってくるといいですよね。 日本経由のものでも、PCT出願され国際公開されたものは、WIPO経由で公開という観点があるのかもしれませんが、日本の特許庁からは閲覧するのが不便です。 また、テキスト検索も明細書等の全文に渡ってできるわけではないので、その辺も改善されるといいなぁとおもいます。 ちょっと前までは、確かに、

「ところで、電子図書館の特許公報の明細書のデータは、出願人が高額な使用料を負担して「電子出願」に協力したから集積できたものであるから、特定業者に占有させないで、ユーザーに対するサービスを向上させる。」

 でしたからね。

136頁 「56 特許は出願されたら、すぐに審査する」

137頁 「特許は出願と同時に潜在的な独占権を持つので、審査は遅い方がよいというのは「権利の濫用」であり、新規産業の立ち上げを邪魔している。 ベンチャー企業や個人にとって、審査が遅延している現状は、無数の地雷が埋め込まれているようなものであり日本での企業を困難にしている大きな要因である。 遅い審査は、企業の芽を摘み、国富を大きく減少させている。」

 って、地雷を避けた新規事業を起こすのがベンチャーじゃないんですかね。 私は、日本には、欧米にいるような貴族のような裕福層(すなわち、エンジェル)が育っていないことが問題なのではないかなと思いますが。。。 また、総中流を目指していたんですから、突出せい!というのは土台議論が違いますよね。

141頁 「58 特許庁の未処理滞貨を一掃する」

 って、今、特許庁は「滞貨」とは言わなくなっていると思います。 滞貨って発想は失礼ですよね。 

 広辞苑第五版によれば、

「滞貨 商品などが売れないで倉庫などにたまっているもの。 ストック。 また運べずにたまっている貨物。」

 です。

142頁 「59 審査官に数人の補助者(調査員、検索員)をつける

特許権の経済的価値がより大きくなることから、充実した審査を行うため、先行技術の十分な検索を行なうための人材として審査官の補助者(調査員、検索員)を任期付きで公費採用する。」

 この制度は採用されていないような気がしますね。 審判官の調査員には、元審判官だった方たちが採用されているようですが、審査官にも調査員っているんですかね? 検索員は、審査の外注先IPCCがありますね。

149頁 「65 早期審査・早期審理を改善する」

150頁 「さらに早期審査の手続き書類の作成に、弁理士代を含めて十数万円かかると言う問題が指摘されるほど、個人などのユーザーには負担が大きい。 自分で作成しようとしても、早期審査の書式は特許庁ホームページで掲載されているだけで、十分に周知されているとはいえない。」

 って、早期審査の事情説明書だけで、十数万もいただけないですよね。 早期審査そのものはタダですしね。 と思っていたのですが、日本弁理士会HPのアンケート結果によれば、12万~14万の範囲で報酬をいただいている方が多いんですね。。。 確かに、出願によっては意見書級に重たい案件もありますからね。。。 

161頁 「74 世界特許条約をリードする」

162頁 「世界特許を実現するには、四つのロードマップが考えられる。 第一段階として、互いの特許を事前調査し、サーチ結果を二国間で相互に認め合う。 第二段階では、特許を二国間で認め合う。 第三段階では、日米欧三極間の共通特許にする。 第四段階では、発展途上国を含めた世界特許を目指す(世界で一つの巨大な特許庁を作るのではなく、一定水準以上の特許庁が協力して、相互に特許を認め合う分散型の特許庁連合を作る。)」

 って難しそう。。。 そもそも、特許権ってその国の経済施策そのものですからね。 いきなり、第四段階をやろうとしてWIPOで失敗したので、今は、第三段階を進めようとしている気がします。 物質特許なんかはTRIPSでも認められているように、除外できる状態ですので、第四段階というのは難しいですよね。

162頁 「日本とシンガポールの自由貿易協定(FTA)締結により、日本で特許されたものはシンガポールでも特許となる時代となった。」

 FTAってそんなことも締結できるんですね。 FTAと特許の関係では、上記関係を作ったときには、TRIPS協定の最恵国待遇とかって適用されないのかな?といつも疑問に思っています。 確か、以前米韓で問題になったような気がしますが・・・

183頁 「84 三倍賠償制度を導入する」

184頁 「被害者が実際に被った損害を補填するのが日本の損害賠償法の基本理念であり、実損を超える賠償を命ずる懲罰的賠償はとりえない。 だから、アメリカの裁判所が命じた三倍賠償判決を日本で強制執行することは許されない。-これが日本の最高裁の判例だ(最高裁判所一九九七年七月十一日判決、・・・)。 懲罰は、刑法の仕事であり、民事法の領分ではないという考え方も根強い。 一九九八年の特許法改正に当たって、三倍賠償制度の導入が検討されながら結局見送られた背景には、こうした判例・学説の発想がある。」

特許法102条第1項

 特許権者又は専用実施権者が故意又は過失により自己の特許権又は専用実施権を侵害した者に対しその侵害により自己が受けた損害の賠償を請求する場合において、・・・

民法709条

 故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。

ですからね。 特許法102条は、民法709条の特則であることは明確なので、特許法100条のように、三倍賠償を認めるなら、特許法に損害賠償の根拠条文を置かないといかんでしょうね。

200頁 「92 知財裁判所を創設する」

200-201頁 「技術的素養を持つ裁判官(特許庁からの裁判所出向経験者を一定の資格試験を経て登用したり、知財専門の弁護士や弁理士を登用)を集めて、合議体として技術内容を判断できる「知的財産裁判所」を、韓国に続き、アジアで二番目に設置する。 知的裁判所の人的構成としては、法的素養を持つ裁判官、技術的素養を持つ裁判官、双方の素養を併有している裁判官、各三分の一とすることを目指す。 ・・・ したがって、特許庁の審判官や「ポスドク」を知財裁判官に起用することが急務である。」

 上記のような知財裁判所というのは創設されませんでしたね。 確か、ロースクール化した際に、知財も含めて、色んなバックグラウンドを有する人を、法曹の世界へというのが1つのキャッチコピーだった気がしますが、、、 知財裁判所だったら、独立機関ですので、理系からロースクール行ったおじさんでも採用されたかもしれませんが、今は知財高裁ですから、そういう方は知財の裁判官にはなれなさそうです。 きっと、高裁の裁判官自体においそれとは慣れないですよね。 地裁でそこそこ経験して、ってなると、裁判官も特別公務員の官僚みたいなもんですから(弁護士も何期生っていうのが一生付いて回るみたいですもんね)、上記理念は達成できないというか、法曹界からの反対も凄かったというのを聞いたこともありますので、ある意味、知財高裁となったというところが、1つの両者痛み分けみたいな裁定だったのかもしれません。 そもそも今まで回してこれてるのに、今更理系が必要だというのは、裁判官の方達に失礼な気がします。

205頁 「?? 知財ロースクールを早期に立ち上げる」

207頁 「知財ロースクール(知財法科大学院)は物理、化学、工学などの理工系学部出身者を学生の大宗とするべきである。 法学部出身者に理工系科目の教育を行なうよりも、逆の方が容易であり、有効と考えられるからである。」

 知財ロースクールって、ないですよね。 確かに、知財を扱っているロースクールはあるでしょうが、専門となるとないですよね。 ただ、理系大学出てとか、博士課程出ただけで、発明が理解できるのかというのは疑問ですよね。 特許法でいう発明は多くは企業で作出されていると思います。 確かに、ベンチャーの素は大学の研究から生まれていますが、やはり多くは企業からですよね。 そもそもベンチャーの発明は原理的な発明だったりしますので、どちらかというと、争いになるものというのは少ないと思います。 争いにすることは多いと思いますが。。。 となると、単に理科系を出たというだけで、発明を理解できんのか!というと、・・・だと思います。 これは、審査官にもいえることだとは思いますが。。。 これだけ、この本では、米国追従が激しいのですから、審査官の資格も米国追従したらいいのに!と思いますが、そういったことは書かれてませんねぇ~。 公務員改革って難しいんですかねぇ。。。

 

 

本日のキーワード: 知財評論家

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2007年7月26日 (木)

キヤノン特許部隊 その2

 つづき

 

107頁 「中身を変えないで文章だけを増やす技術を持っているのです。 文章を長くした分、請求書が高くなるというわけです。」

 この辺は気をつけなくてはいけないところですよね。 明細書や特許請求の範囲も頁加算や、請求項加算なんてぇのがあったりなかったりします。 書こうと思ったらいくらでも増やせるわけで、如何に必要十分に書くかというところがポイントになろうかと思います。 とはいっても、化学の場合、実施例ありきだったりしますので、あまり弁理士の力量は問えない部分も多分にあります。 あの弁理士に頼むと、ちょっと多めに書かれちゃうけど、権利が取り易いんだよなぁ~という風評がどちらにとってもいいのかもしれません。

109頁 「単に立場が上というだけではなく、議論をしていてもどんどんいいアイデアが出てくるのです。 一つのことを徹底的に議論すると、相手の力量が分かります。 彼と仕事の中身を議論していると、こちらの狙いをぱっと感じ取ってくれます。 この感じ方が大事なのです。 とくに交渉のときには、この感性が絶対に欠かせません。相手の気持ちを察知するということが重要だからなのですが、実際にはこの能力を欠いた弁護士が多いのです。」

 どの世界におろうとも重要なことだと思いますが、特に時間の限られた中で仕事をする代理人たるもの常に意識しとく必要がありそうなスキルですので、ちょっと長いですが、引用しました。 弁理士も弁護士ほどではないにしろ、発明者の方や知財部の方と実際にお会いして打ち合わせしたりしますし、当然、審査官とは書面でやり取りもするわけです。 こういう感性みたいのは磨いて磨けるものではないと思いますが、意識しとけば少しは変わってくるかもしれないもんです。 よく、公園に象さんなんかの石の置物みたいのがありますが、子供が上ってズリズリとしている間にテカってたりしますからね。 石でも日々の研鑽で磨けば光る可能性もありってことです。

129頁 「どちらの立場になっても必ず反論の余地はあります。 ですから攻めるときは攻める立場での議論をする。 守るときは守る立場での議論ができるのです。 これをいかに両方の立場でできるようになるか、・・・ いつも両面からものを見ていれば、相手がどう言ってくるかという予測も立ちやすくなります。 どちらの立場に立っても一応主張ができる。 これが特許の仕事の一番大きな特徴だと思います。」

 侵害訴訟によく関与することになると、こういう感覚は必要なのかもしれません。 明細書を漫然と書いているだけでは、こういった感覚を養うことはできませんね。 交渉とは、審査官をどうやって納得させるのかとほとんど同じであると著者は書いていますので、意見書を書くときなんかに意識しておくといいのかもしれませんね。 私は、交渉術といったものはまだいらないと思って、そういった類の研修には全然参加していなかったのですが、ちょっと見方を変えてみることも必要かもしれません。

159頁 「-アメリカのような産学連携は日本ではあまり見られません。」

 アメリカはバイオベンチャーが流行ったこともあって(情報産業の場合、ベンチャーがそのまま雄になることも多いようですが、バイオの世界ではアメリカでも2、3の会社を除いて大手製薬企業に大体買われちゃいます。)、産学連携がバシバシです。 日本では、この前、アステラスと京都大学だったかな?が産学連携を始めますなんてニュースが出てました。 遅きに失した感もありますが、成功してもらいたいもんです。 寄附講座ってぇのはいくらでもあるようなんですけどね。。。 とはいえ、寄附講座ってあまり、ビジネスライクじゃなかったりしますよね。 その寄付講座の教授が元社員だったりしますから・・・ そういえば、昔は、教授-助教授-講師-助手-ポスドク-D-M-卒論ってぇのが、研究室のヒエラルキーだったかと思いますが(たまに、秘書-教授-・・・だったりしますが)、今は、准教授とかいうんですよね。 助手も助教とか言うようになったとか・・・ そういえば、昔は、助手は「さん」付けで、助教授以上が「先生」でしたねぇ。。。 先生つながりでいくと、何で弁理士は「先生」って呼ばれるんですかね? 1年目でも先生なので、申し訳ないないなぁといつも思ってます。

185頁 「・・・、特許庁が有効性を判断するのではなく、訴訟になった場合は、裁判所が有効性の判断を全部行うべきではないでしょうか。 ・・・、現在、実際に特許の有効無効を判断している特許庁の審判部と裁判所が有機的、機能的に結合すればいいのではないかと思います。 さらに先に行けば、特許庁の審判部が全部裁判所の中に入ってしまてもいいのではないかと思います。」

 三権分立の考え方や、行政不服審査法などとの絡みで難しいことと思うのですが、昔はこういった議論がなされてたみたいですね。 今は、知財高裁があるので、こういった議論にはならないのかもしれませんが・・・ とはいえ、法律的には対世効はないとはいえ、侵害裁判所では104条の3ができて無効の判断がばしばしされていて、審決取消訴訟の裁判所と同じなんですから、実質対世効ありまくりですよね。 しかも、青本にあるような、給付判決はできず、形成判決しかできないといっていても、実質給付判決みたいな今の世情の中では、審判部が裁判所の下に入っちゃっている方が、予見性が高まる気もします。 一応、審判官が調査員として裁判所に出向しているので、有機的、機能的に結合しているとはいえるんでしょうかね。

189頁 「間接侵害の条項を追加して、共同して複数の人が行った侵害行為でも、システムそのものが侵害されたと主張できるように手は打たれています。」

 って、この考え方は、従属説的な間接侵害の考え方ですね。 「共同して」とあるので、私は、てっきり共同不法行為のことを書いているのかと思いました。 共同不法行為は、特許法ではまだ結論がでていないんじゃないでしょうか?

 読み進めると出ていました。

189頁 「民法の共同不法行為というのは、損害賠償は取れるけれど、差し止め執行ができないらしいのです。」

 

 

本日のキーワード: 法学者の観点から特許法を眺めてみたいもんです。

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2007年7月25日 (水)

キヤノン特許部隊 その1

キヤノン特許部隊 丸島儀一 光文社新書

 ひさびさ知財系の読書です。 いわずと知れた、キヤノンの元特許部長です。 というか、今、名刺交換して、キヤノンの知財部ですといわれると、この業界では、興味津々話題の中心です。 この前デジカメを見に行って、キヤノンの製品はどうですか?って聞いたところ、キヤノンは好きな人がいますからねぇ~、どうしてもキヤノンじゃなきゃ嫌って人がいるんですよ~って言ってました。。。 ブランド戦略の最たるものですね。

 

32頁 「ブレードというのは印刷インクをかき取るのに使う道具ですが、それにゴムを用い、当てる角度なども工夫して完成させました。 しかしこれはあまりにもシンプルな方法だったため、特許を取るのに苦労しました。 審査官からは、これは自動車のワイパーと同じではないか、チューインガムをかき取るへらと同じではないかといわれたのです。」

 クレームを見てないので何ともいえませんが、機械ものの用途発明としての成立の難しさを物語っているような気がします。 用途発明といえば、化学、それも合金や医薬の専売特許ですね。

 そーいやぁ、専売特許って普段使いますね。 話それますが、調べて見ました。

広辞苑第5版によれば、

「専売特許 発明品などを専売することに対する官許」

 特許とはまた違った考え方ですね。 特許では独占排他権は付与されますが、専売権が付与されるわけではないですからね。 上記定義だと、特許権はなくても、専売特許となることはあるって感じですかね。

33頁 「自社の成果を人に突破されたくないとなると、自社で使う技術だけでなく、その代替技術をも特許で押さえる必要があります。 ・・・ それを未然に防御する意味で、自社の事業に使ってない技術でも事業を守るための特許を出そう、ということです。」

 まさに知財マネジメントですね。 ここまでやれている企業さんてどこまであるんですかね? 機械・電気では(特に、電気)、そもそもちょいちょいと発明ができるようですし、そのできた発明が次々に明細書に表せる発明足りえるとか、この周辺を固めやすいというところが、クロスライセンスの世界へと繋がっていくのかもしれません。 私のいる分野からでは、この辺りの考え方や開発の流れを含めて理解し難い部分だったりします。 そもそも回りが固まるっていうのが難しいような気がします。 まぁ、私のいるところでも、1000や2000の出願をすればいいのでしょうが、その場合、1000の出願となるよりも、1000頁の一出願となりそうです。  とはいえ、弁理士としては、こういった側面からも発明者の方と話ができるといいのではないかな!?と思います。 一弁理士では、中々、企業戦略にまで踏み込めないのも事実ではありますが。。。 休眠特許との切り分けが難しい部分でもありますね。

59頁 「発明の本質的な思想を捉えずに、単にひとつの実施形態を書いただけなのです。」

 と、確かに、機械・電気分野では、発明の本質がなにで、それをどう明細書に表すのか!というのは弁理士として腕の見せ所な気がします。 「○○手段」とかはまさにその好例だと思います。 化学屋の私からすると、あーいうのは機能クレームに見えて仕方ありません。 例えば、「酵素ポケットに認識される手段と酵素のアミノ酸○○と水素結合する手段とを有する化合物A」なんて出願しても、不明確で一蹴されます。 ホント、機能クレームって機械のためにあるんでは?って私には思えて仕方ありません。 確か、審査基準って機械分野のために作られているもんだというのをどこかで聞いた覚えがあります(不確か情報ですが・・・)。

75頁 「-クロスライセンスを結んでいる一方の企業が倒産してしまった場合には、どうなるのでしょうか。 丸島 ・・・、現状では破産法が優先するのです。 ・・・、あるいは会社更生法を適用した場合は、」

 前後関係はどうでもよくって、企業でライセンスの仕事をしていると、会社更生法やら破産法やらもでてくるのですね。 明細書書きの弁理士として仕事しているとこういった法律とは殆ど知り合うことがないです。 特許法だけにしがみついてないで、頑張った上での民法、民訴だけでなく、こういった方面の知識も仕入れていかないといかんですな。この点については、

90頁 「ライセンスの使い方にも気をつけないと独占禁止法にひっかかるケースが出てきます。 自分でライセンスを使うなら構わないのですが、競争相手を攻撃するために人の特許を使うのは、認められないのです。」

 って、米国では他人の特許を買って他人に権利行使するといかんということなんですかね。

 90頁 「日本の場合でも優越的な地位の濫用ということで、無効と判断されるかもしれません。」

 とあります。 専用実施権者がいる場合に、特許権者に差止請求権は残るかという論点があるかと思いますが、上記とはちょいと相反してしまう事例な気がしますね(大前提で専用実施権者は差止請求できますよね。)。  米国の射程も、特許権を買った場合のみってことなんですかね!?!? とはいえ、てっきり、日本では、他人の特許権を買ったとしてもその特許権で差止請求できると理解していましたが、そうでもないんですかね。 損害賠償請求はできるけど、差止請求はできないということなんでしょうかね。 とはいえ、米国は独占禁止法が強い国だとも聞いたことがありますが、米国法も勉強しないといかん部分です。

92頁 「特許法に精通しているとか、技術に精通しているということはもちろん大事なことですが、それよりも企業人ならば、その企業が行っている事業にとってどのように有利な展開ができるか、・・・、そういった発想が大切なのだと思います。」

 って、こういった観点で明細書を書けると、弁理士としても一つの売りになると思います。 確かに、時間に追われている中、ここまで気を回す余裕がない、はたまた、そういったことをする能力が欠けている等々、色々理由はあって万人が着手できていないと思いますので、こういった観点を売りにすれば、独立しても食っていけそうな気がします。 そのためには、非常なクレバーさが求められるとは思いますが、弁理士としての一つのビジネスモデルではありますな。

 

 つづく

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2007年2月 9日 (金)

新・特許戦略ハンドブック ぱーと ろく

 忘れ物

 

第13章 特許工学

545頁 「特許工学とは、高度知的活動である特許ライフサイクルにおける、一見、非定型な活動、および第三者への伝達が十分でないノウハウを定型化する定型化活動、およびその成果物に関するものである。」

とあるけど、特許工学って何? まぁ、造語だろうなぁ・・・ なんでも「工学」ってつければいいというものでもないと思うんだけど・・・ 

552頁 「以上、トップダウンでテーマ設定を行って、複数の発明者のベクトルを合わせることにより特許網を構築すること、および発明の思考を刺激して、アイデアが溢れだすような具体的なテーマを設定することが重要であることを述べた。」

 この筆者は、IT系かな・・・ 松下電器産業にいたみたいだけど、トップダウンの研究ってどんなのでしょう???

 

第14章 ソフトウェア・ビジネスモデルの特許ポートフォリオ形成

618頁 「アマゾンドットコムの1クリック特許」

 「各ユーザーの請求および出荷に関する情報などを記録、リピートユーザーが、1度クリックするだけで購入できるようにする方法に関する特許である。」

 特開平11-161717号、EP 927945号

627頁 「JAL対ANAのビジネスモデル特許事件」

 「企業IDと当該企業に属する個人の個人IDを用意しておき、発券処理には個人IDを用い、請求処理には企業IDを用いるという内容の発明である。」

 特許3400447号

635頁 「医薬品などの化学分野においては、机上の理論だけでは効果を予測できず、実際に実験をしてみないと結果が予測できない。 つまり、技術における予測可能性が低い。 ・・・ さらに、電子回路(・・・)の分野となると、機械分野よりもさらに予測可能性は高くなる。 ソフトウェアになると、バーチャルの世界で実現できないことはないのであるから、理論的な予測可能性はきわめて高くなる。 ・・・ 医薬品などにおいては、予測可能性が低い結果、実験結果を大幅に超えるような権利を取得することは難しい。」

 なるほどねぇ。 審査基準って画一に作られているけど、化学分野、機械分野、電気分野で一律に適用されるってことはないってことになろうなぁ。。。 となると、実務をつんで、おおよその境界線みたいなものを理解しないといけませんわね。

637頁 「アマゾンドットコム社が1クリック特許に基づいてバーンズ・アンド・ノーブル社を訴えた事件では、アマゾンドットコム社の独占戦略に対して反発したユーザーが不買運動を展開した。 ヘルプアイコン特許事件においても、権利者製品の不買運動が起こっている。 ・・・ ユーザーインターフェイスが対象であったため、ユーザーが特許内容を意識しやすく、その過剰の反応を招いたといえるであろう。」

 ということで、購買者が多数いて親しんでいるような製品に対して特許権を行使すると、上記のようなことが起こる場合もある。 キャノンのインクカートリッジ事件では、被告の製品がそれ程売れているわけではないので、消費者が親しんでいるものではないことから、キャノン製品の不買運動が起こったとは聞いていないものね。

640頁 「有効なビジネスモデルが発案されやすいのは、システムエンジニア(SE)部門である。」

641頁 「経営責任者、開発担当者(IT技術者)、弁理士が3つの立場の者が参加したブレーンストーミングを行う。 ・・・ 経営責任者、開発担当者(IT技術者)、弁理士ブレーンストーミングにより、事業性、特許性、実現性を備えた発明をつくり出すことができる。」

 大手企業で、これは難しいだろうなぁ。。。 経営責任者に委譲されているCTOとかでも無理だろうなぁ・・・ 研究開発において企画提案型でない大手企業ってどれくらいあるんでしょうね?

 

 

本日のキーワード: やっぱ、知財を考えるのってIT系のためですかね。

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2007年2月 7日 (水)

新・特許戦略ハンドブック ぱーと なな

第15章 バイオベンチャーと特許ポートフォリオ

646頁 「大学発ベンチャー1000社構想がスタートして5年になるが、」

 こういうの始まってたんですね。 ポスドク1万人計画のように計画倒れにならないといいのですが・・・ 知財立国の話もそうですが、この国の施策って、箱物行政といわれているように、とりあえずつくっとけぇ、やっとけぇで、受け皿なしなので、当事者になるとたまらんですよね。。。

650頁 「遺伝子治療の特徴として従来の医薬品とは大きく異なる点がある。 すなわち、遺伝子治療の多くの特許からなる複合技術である点である。」

 で、図表15-4として記載されているけど、従来の医薬品でも、医薬品の特許、製造方法の特許、中間体の特許、結晶の特許、医薬品製剤の特許とあるんだから、そんなに変わらんのじゃないか?と思うんだが・・・ 標的遺伝子の特許、治療用遺伝子の特許、プロモーターの特許等遺伝子そのものの特許が複合的といえば複合的なのかもしれないけど・・・ 

653頁 「特許庁は、特許化の審査基準として自己細胞であっても増殖過程における技術に特許を認めることを打ち出したが、細胞治療の一部過程において特許化を認めたにすぎず、まだ欧米との特許化の範囲には差異がある。」

 確かに米国は、治療方法も認めるし、発明でも発見でも特許化できるけど、欧州も日本より進んでるのかな?

 「遺伝子治療に関してはかなり広範囲に特許化可能だが、日米における最大の違いは、投与法および治療法の特許を認めるか、認めないかである。」

 でも、米国ではES細胞の研究って大統領権限でストップしているんじゃなかったっけ??? そういえば、韓国の黄 兎錫教授の論文データ捏造問題ってどうなったんですかね?

653頁 「大学発ベンチャー1000社創出の平沼プラン」

 当時の平沼赳夫経産大臣によって、2001年に発表されているのですね・・・ 

660~661頁 アライアンス戦略の説明として、「フルターンキー」というのと、「ファブレスモデル」というのがある。 何???

 フルターンキー契約とは、物を渡して売ってもらうだけってことかしらね。

 ファブレスモデルとは、自社工場を有さないということみたいね。 で、マーケティングをすると。

 

第16章 技術移転と特許戦略

669頁 「1970年1月1日に、スタンフォード大学に技術移転機関(Technology Licensing Organization = TLO)が正式に発足し、」

 早いですねぇ。。。 これって、コーエンとボイヤーの遺伝子組み換え技術に関するものっすかね。

 「米国では、Office of  Technology Licensing(OTL)やOffice of Technology Transfer(OTT)という名称が使われることも多いが、」

670頁 「大学のニーズと企業のニーズの間に、「死の谷」と呼ばれる大きなギャップが存在していることがほとんどである。」

 ライセンスの難しさ、事業化の難しさ、色々の意味で「デスバレー」なのかな。 まぁ、シリコンバレーや、バイオバレーからモジッテイルのでしょうね。

679頁 「この手法は特許プールの一種であり、独占禁止法との関係で問題がないかどうかに留意する。」 

 今後は、独占禁止法についても、勉強しとく必要がありますね。

 独占禁止法上のパテントプールの考え方として紹介されているのが、「特許・ノウハウライセンス契約に関する独占禁止法上の指針(1999年7月30日)」や「標準化に伴うパテント・プールの形成等に関する独占禁止法上の考え方(2005年6月29日)」である。

683頁 「グローバル競争の激化が進むなか、大企業による調達先企業の選別、生産拠点の海外移転が起こり、状況は変わりつつある。 関連会社が持っていたノウハウや大企業が持っていた技術が、大企業の海外進出と同時に、海外拠点の工場で使われるようになり、それが現地で模倣されるという問題が指摘され始めている。 特に、日本の製造業の強さの源泉といわれてきた金型産業において、技術やノウハウの海外流出の問題は深刻化している。」

 リストラによる人材の流出も問題になっていますよね。

 

 

本日のキーワード: ようやく終了。

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2007年2月 6日 (火)

新・特許戦略ハンドブック ぱーと ご

第11章 知的創造活動と企業報酬制度

459頁 「「知」の唯一の創り出し手は「人」に他ならないことに鑑みると、知的資産経営は「人」ないしは「人」の才能を経営資源とするものであると言っても過言ではない。」

 当にこれ!!って感がある。 でも、これを言っちゃうと知財経営とかって次元を通り抜けてしまうので、やっぱり知財を考えるときに、「人」が全てというのはタブーです。

464~465頁 「勤務規則が企業と発明者との間の一種の契約であると考えると、企業が勤務規則に定める基準に従って対価を支払ったときには、企業は発明報奨金の支払債務を履行済みであり、すなわち、発明報奨については清算済みであるがために追加請求の余地なしとの解釈も成立しうるからである。」

 勤務規則自体が、契約か?っていう論点にいきますわな。

465頁 「・・・、後日、発明の価値が上がったからといって売り主である発明者が差額請求できない、という解釈は通常の取引法に照らし合わせればむしろ当然である。 ところが、平成14年、最高裁はこのような解釈を排除した。 ・・・ 最高裁の打ち立てた、勤務規則の規定よりも特許法の定める報奨基準規定が優越する、という解釈こそ発明報奨制度が生じる本質的な理由である。」

 勤務規則が契約でないならば、勤務規則の規定よりも、特許法の35条4項が優先するのは当然である。 また、契約であるとしても、特許法は民法の特別法なので、契約自由の原則があるとはいえ、35条4項の規定がある以上、特別法たる特許法の規定が優先するってことでいいのかな??? 民法とか勉強したこと無いのでわかりましぇーん。

 そうそう、職務発明の対価の額はいつの時点に基づいて算定するするのかって判決でてた気がするんだけど、それがなんなのか忘れちゃったのよねぇ・・・ 特許を受ける権利の承継時点では、特許の価値判断ができないので、対価を算定できない。 かといって、マックス売れているときに基づいて対価の額を算定するのも行き過ぎみたいな判決だっと思うんだけど・・・

467頁 「法が、当事者間の譲渡対価の取決めに優越するとの解釈(特許法35条の強行規定性)を最高裁判所が打ち出したために、・・・」

487頁 「欧米の経営管理者は、MBAコースなどの中で、必ずといっていいほど組織行動学や心理学を大なり小なり学ぶ・・・」

492頁 「知的資産は人材と密接不可分である。 知的資産経営を行うことは、すなわち、人材を重視した経営を行うことであるといっても過言ではない。」

 この点でよく引き合いに出されるのが、日亜化学工業の中村氏の処遇と、島津製作所の田中氏の取扱である。 考え方等もあるだろうが、一方は会社と戦い、もう一方は会社にいる。 どちらがいいか悪いかではなく、当に知財を考えるとき、人材をどう活用するかという点は重要である。 ただ、日本の知財教育の場面では、心理学ではないけれど、そこまではまだ教えきれてないんじゃないかな?という思いがあります。

 

第12章 アジアにおける知的財産権教育の現状

494頁 「日本政府の統計では、低位人口統計で2050年には、現在の日本の人口の約1億2781万人が9203万人に減少し、2100年には現在の韓国の人口とほぼ同じの約4645万人にまで減少すると予測している。」

 そんななったときって、弁理士ってどうなってるんでしょうねぇ。 100年後の日本の状況なんて想像つきません。。。 今のサイエンスの知識では太刀打ちできない状況になっているのでしょうか。

502頁 「貿易輸出競争力という点で見ると、日本は韓国の約7倍のGDPであるが、輸出額は韓国の約2倍にすぎず、・・・ 韓国や中国に遠く及ばないほど日本の貿易輸出競争力は低下している。」

 って確かにそうも読めるけど、むしろ直接の物品の受け渡しである貿易に寄らず、知的財産によって競争力を高めているとも読めないのかな。 物を動かすのではなく、アイデアを動かしてGDPを高めていると。

507頁 「就学援助の増加が新たな格差の問題となっている。」

 就学援助を受けるというのはどういった基準で受けるのか分からないが、紹介されている数字だけを見ると凄い!!! しかし、ちょいと疑問なのが東京や大阪で小中学生の4人に1人が就学援助を受けているようなのだが、文房具代を支払えなくても、東京や大阪には住めるんだなぁ~ってとこである。 実態を全く知らないので、失礼な感想かもしれないけど、なんで23区に住まいがあるんだ!?ってとこ。 給食費については、支払う能力があるのに、支払っていない人がいるなんてニュースも聞いたりするので、まぁ、実態はよく分かりません。 それにしても、どこもかしこも金銭的な意味での格差社会である・・・

 以上は、知財の世界におけるダメ日本論で、ここからは、韓国・中国脅威論です。 しっかし、知財の世界でも自虐的になっちゃって、ここまで自虐的な民族は世界にも類をみないのでは(自虐的だからといって改善するわけでもなく、脅威!脅威!!というだけいって行動しないでいるのが日本人のいいところかもしれません。 日本ではデモ行進なんてものは、ほとんどないものね。)!!!

524頁 企業内大学・大学院というものがあるそうである。 

 「サムスン電子やLG電子の企業内大学もオンラインによるMBAやMOTプログラムを世界的な教育機関や有名大学との提携によって、学習者である社員に提供する時代が到来していた。」

 ここの議論を見ていると、今後は日本の企業でもMBAやMOTを持ってないと就職できない時が来るんですかね? でも、MBAって日本の企業ではいらないんじゃん!って聞いたりしますからねぇ・・・ まだまだ論功行賞の1つとして欧米への留学が在って、その一環にMBAがあってって感じで、研究者における論文博士みたいなもんですかね!

531頁 「韓国と同様に3カ国語のビジネス・スキルを基本とする中国の企業経営と・・・」

 ひょえぇ、韓国、中国では、ビジネススキルとして3カ国語ですか・・・ 日本で3カ国語がビジネススキルになったら堪りませんな・・・  しかしまぁ、中国12億人、日本1.2億人とはいえ、中国のスケールはでかすぎます。 よく、中国の国民の1割程度に当たる富裕層を顧客にするだけで、商売が成り立つなんて聞いたりもしますので、逆に、中国のインテリ層も単純計算で日本の10倍いるわけですから、日本がテクノロジー分野であっさりと駆逐されるなんてこともありそうです。 米国から発表される論文には、結構、中国系の名前見ますからねぇ。。。

 

 

本日のキーワード: 特許の世界でも欧米だけでなく、中韓、はては、BRICsにも目を向ける必要がありますな。

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2007年1月16日 (火)

新・特許戦略ハンドブック ぱーと よん

第10章 知的人材育成

 この章の執筆者である杉光一成氏は、昔は弁理士試験業界に入る際には必ず読むことになっていた(読んだであろう)、いわずとしれた「理系のための法学入門」の執筆者である。 そして、私がこの本の執筆者陣の中で唯一名刺交換をしたことがあるお方。 って、他の執筆者は見たこともないので、顔もわからないのであるが・・・ まぁ、さすがに氏は私の顔を覚えているはずもないので、なんなんだけど・・・ 結構、若くてびっくりしたのでした。

 

 MOT以外にも、色々と勉強する場があります。

432頁 「東京大学先端科学技術研究センターの先端知財人材育成オープンスクールのようなオープンスクール形式の教育プログラムも複数存在する。」

434頁 「・・・金沢工業大学研究科・知的創造システム専攻(知的財産プロフェッショナルコース)・・・ 情報通信工学系の研究科を基盤として設置されているため、「コンテンツ」すなわち技術分野をITに絞り込んでいる点が特徴である。」

452頁 「「知財スキル標準」とは、企業における知的財産の創造・保護・活用に関する諸機能の発揮に必要とされる個人の知財に関する能力を明確化・体系化した指標であり、知財人材育成に有用な「ものさし」を提供しようとするものである。」

 「知財スキル標準」は、経済産業省が作成するようなので、もはや国家戦略の一といえるのかな。

 

 

本日のキーワード: この業界、日進月歩で一生勉強でしょうか・・・

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2007年1月15日 (月)

新・特許戦略ハンドブック ぱーと さん

第3章 自社技術を活かす知的資産戦略の策定法

142頁 「・・・そもそも知的資産に対するトップマネジメントの戦略的な視点が欠けていることに問題の根本がある。 ・・・「知的財産(特許)マネジメント」への取組みを強化する企業が増えてきているが、知的財産としての特許をどれほど効率的にマネジメントしても、その活動が知的資産(技術)および事業のマネジメントとシームレスに結合していないと経営戦略上の意味が薄いのである。」

 って、みんな分かっていることだよね。 ここが一番難しいしとこだよね。 そもそも、昨今の日本の知財ブームの始まりは、他国で金儲けするために、知財を持ち出してるだけなんだよね。 それを理論立てるのが知財経営とか言う名の下の作業ともいえるかな。 今までは、労働力の簒奪だけしてれば、金儲けできたけど、労働力を簒奪するべきところが世界中でもなくなってきっちゃって、しかも、中韓といった国が、自国にも技術を持つようになってきたから、金儲けしずらくなってきちゃって、金儲けシステムの構築を急いでいるに過ぎないんだよね。 だから、事業のマネジメントと特許のマネジメントがずれるのは仕方ないんじゃないかな??? 多分、日本でだけを考えてるとそんなに知財ってマネジメントしなくてもいいんでないかい?って思えるし。。。 まぁ、企業の考えていることは、知財経営といって、今まではどんなに不況でも、宝箱のように重宝されてきた研究部門にメスを入れたいという思惑があって、知財経営だなんだってブームにしている気もする・・・ 知財経営をする際に、一番重要なのは知財を生み出す部分だけど、ここって、なかなか定量的にすすまない、考えることができないのは明らか。 となると、定量的とまではいかなくても、なんとか定性的に判断できるようにして、ばっさりナタをなんてことになるんじゃないかなぁ。。。 研究のアウトソーシング化を進めて、結局の人件費の節約と。。。 知財経営という甘言で、研究者を騙くらかしといて、ゆくゆくは研究の世界にも、勝ち負けをはっきりさせて、、、ってことになるんじゃないかな?と思う。

 その思惑を分かっている、コンサル系は、その要望にこたえようとするけど、まだノウハウがないから、とりあえずの金儲けと・・・ 今の知財ってこんな感じかしら!?!?

 

第5章 知財によるインキュベーションと資金的考察

213頁 「世界を制した中小企業」という本が紹介されているがおもしろそうである。

215頁 「同じ土俵、軸あるいは価値観で競争することは戦略上避けるべきである。 「大企業と同じことはできない」ことを逆手にとって、「大企業と同じことはしない」という前向きな行動規範、規律を確立すること。 これが、非対称戦略のポイントであり、ある意味でゲリラ戦を戦う覚悟が必要である。」

 これって、どんな場面でも通用する戦略だよね。 弁理士業界も、今後再編等が進んでいくと思われる中、法曹のようになっていったとき、当に独立を考えているなら、大手ではできないようなものを提供する非対称戦略といったものを取る必要があろうなぁ。

227頁 「2003年3月には、松下電器産業子会社の(株)ピンチェンジと光学系特許権を保有するベンチャー企業であるスカラ(株)との間で資産流動化法に基づく特定目的会社方式を利用した日本初の特許権証券化案件が成立した・・・。 また、2004年の信託業法の抜本改正により、知財が信託対象財産に含まれることになったことにより、2005年3月には、UFJ信託銀行(現三菱UFJ信託銀行)と東京都大田区のトキワ精機(株)との間でトキワ精機の持つ特許権についての信託契約が成立した。」

 

第9章 知財リスク保険化の可能性

366頁 「欧米の先進企業には、自社のリスク・マネジメント戦略に基づき、ファイナンスの最新手法を用いて、巨額の損害賠償をカバーするオーダー・メイドの知財リスク保険を実現している企業がある。」

368頁 「Entire Market Value Ruke: 特許権等の製品への利用率において、発明がその製品の一部しかしめていない場合であっても、その発明の効果が製品全体に及び、製品全体が創意的で特許の実施価値が認められれば、利用率を100%まで引き上げられるという考え方」があるらしい。

 意匠法の口述試験で、同じような問題がでたけれども、その際の回答としては、上記Ruleではなかったなぁ・・・

 上記Ruleに関連して、

371頁 「・・・、製造設備と設備を利用した製品の方法特許や薬品業界におけるリサーチツールと最終製品の特許との関係において、同様のリスク構造が見られる。」

 とあるが、判例で、リサーチツールは、最終製品には及ばないとする生理活性物質測定法事件(カリクレイン事件)があると思うので・・・。 とはいえ、該判例は、最終製品の差止請求が認容されるかという点が争点であるので、上記Ruleとは射程が異なりますな。

385頁 「欧米の考え方では、リスク・マネジメントとは、リスク・コントロールとリスク・ファイナンスから構成されている。 ・・・、リスク・ファイナンスは、リスクの完全な制御は不可能であり、そのためにリスクに対する資金的手当てを積極的に手配しようとするアプローチである。」

 リスク・ファイナンスっていうと、かっこいいけど、生命保険と考え方は同じだよね。 やっぱり、知財だからと特別扱いする必要はないね。 一般の経済学の知識があれば、MOTなんていらんのじゃないかな???

406頁 「以上のように、知財リスクの保険化には、まだ多くの課題があり、本章では可能性への言及にとどまっている。」

 ということで、やっぱり知財マネジメントというのは、これからの学問である。なのか、学問足り得ないのか・・・

 

 

本日のキーワード: 「新々」の際にもう一度読むべし!!!

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2007年1月14日 (日)

誰が本当の発明者か

誰が本当の発明者か 発明をめぐる栄光と挫折の物語

志村 幸雄 BLIE BACKS 講談社

 さらっと読めるし、発明は事実行為なので自然人のみが云々かんぬんの29条1項柱書じゃないけど、権謀術数の渦巻く世界なのねぇってのが、手に汗握る感じで書かれていて面白い。 筆者は、半導体方面の知識が豊富なようで、そこかしこに知識が散りばめられているけど、そして、書いてあることは基礎の基礎なんだろうけど、全く分かりかねます。 ということで、わたくしは、電気の弁理士には成れないことが確定です。

 エジソンのイメージって、小学生ぐらいの時に電気もとい伝記を読んだくらいなので、エジソンについて知っていることといえば何となくな割りに、発明王ってことですごく良いイメージだったんだけど、かなり銭ゲバなシタタカな人だったようですね。 しかも、知的財産をかなり有効に活用していたみたいで。。。 「エジソンとパテントポートフォリオ」っつうのもいい論文テーマになるかもです。 エジソンって京都の竹を使って親日家で、、、ってイメージしかなかったからなぁ。 エジソンが来たわけではなく、弟子が来てたみたいです。。。

 一端を引用してご紹介。

90~91頁 「エジソンの名前が出るところに必ず特許問題あり、金銭問題ありで、その判定は容易ではない。」

92頁 「エジソンがしたたかなのは、この時点で早くも映画に関して暫定特許出願をしていることだ。 この手続で、出願特許が成立する前でも発明意図が法律的に認知され、・・・」

98頁 「エジソン伝説の1つに「エジソンの靴で特許庁の会談が擦り減った。」という話がある。」

103頁 「・・・、「商工業の世界では誰もが盗む。 私自身もずいぶん盗んだものだ。 肝腎ななのはいかに盗むかである。」というエジソンの言葉・・・」

 

 ベルは電話を発明したけれども、アメリカ電話電信会社(AT&T)ってベルの会社らしく、更には、「Science」ってベルが創刊したみたいです。

 キルビーといえば、特許法の世界では、富士通と争って、104条の3のモトとなった権利濫用の抗弁が有名だけど、キルビーさん自体は、ノーベル賞を受賞しているICの発明者なのね。

 飛行機の発明者であるライト兄弟も特許権を行使しまくっていたようである。

 

 最後に、発明の話とは直接関わんないような文章にみえるが、今の世相をあわしているようで気になった文章を引用しておしまい。

192頁 「聖書マタイ伝の「富む者はますます富み、貧しい者はますます貧しく」にまぞらえていれば。これも一種の「マタイ効果」である。」

 

 

本日のキーワード: 特許を受ける権利は原始的に発明者に帰属する(29条1項柱書)

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2007年1月12日 (金)

平成18年 意匠法等の一部改正 産業財産権法の解説 第一部 意匠法の改正項目 第七章

第七章 秘密意匠制度の見直し(第33~35頁)

 秘密意匠制度は、「直ちに当該意匠の実施を行わない場合に意匠公報が発行されることによる第三者の模倣を防止しようとする趣旨」(33頁)であるので、模倣防止の観点から本改正において、重要な位置を占める改正であるといえる。

14条2項 前項の規定による請求をしようとする者は、次に掲げる事項を記載した書面を意匠登録出願と同時に、又は42条1項の規定による第1年分の登録料の納付と同時に特許庁長官に提出しなければならない。

≪短答ポイント1≫

 意匠登録出願人は、意匠公報の発行の日前であれば、常に、秘密意匠の請求をすることができる。

 否

≪短答ポイント1’≫

 意匠登録出願人は、登録査定の謄本の送達後、登録料を納付するまでは、秘密意匠の請求をすることができる。

 否

 この改正も、時期的要件がらみだけ注意しとけばよい。 ただ、気をつけなければならないのが、過去問で良く出ていたようなの。 

 例えば、話が前日に戻るけど、法改正前は、30条適用の特許出願を意匠登録出願に変更した場合に、特許出願のときに14日以内に30条4項の証明書面を提出していないと、変更後の意匠登録出願において4条の適用を受けることができなかった(はず)。 こういう問題は結構脳裏に焼きついているもので、条件反射で昔の対応をしてしまうんじゃないか!?って思える。 今後は、特許出願時に出願日から15日以降に30条4項の証明書面を提出した場合であっても、4条適用を受けることにより意匠登録を受けることができることとなったので、こういった問題は再度確認しとく必要があるんじゃないかな?って思います。 って、去年の改正が地域団体商標のみで、あまり他の条文とリンクしてなかったので、過去問の解答変更っていうのが少なかったのはラッキーでしたな。 実際、私も法学書院の古い法域別問題集とかで勉強してたからなぁ。

≪短答ポイント2≫

 特許出願から意匠登録出願に変更出願をした場合には、秘密意匠の請求をすることができる場合はない。

 否

も、類題といえるでしょう。

 秘密意匠の請求をすることができるのは、2回しかないわけだが、ここの改正趣旨は、口述で聞かれると思う。 何で、登録料の納付と同時の場合だけに限られるんですか?って。 端的にいえば、特許庁の負担軽減ってところにあるけど、昨今は改正本どおりの内容で言わないと許してくれなかったりするので、口述前には覚えないといかんでしょうな。 適当に言って思いつける趣旨ではないだろうなぁと思えます。

「なお、登録料の納付については、出願人だけでなく利害関係人もすることができるため(・・・)、出願人が登録料の納付と同時に秘密意匠の請求を行おうとしても、先に利害関係人によって登録料が納付され、秘密意匠の請求の機会が失われてしまう場合があり得る。」(35頁)

 いやぁ、こんな状況って結構すごいんでは!? 登録査定の謄本の送達があってから30日以内に登録料を納付しなければならないので(期間が短いよね。)、利害関係人が支払うためには、かなりのウォッチングが必要といえよう!!! まぁ、権利者からするとラッキーだが、勝手に支払われてたなんて事例が今までにあったりするのかな???

≪短答ポイント3≫

 利害関係人が秘密意匠の請求をすることができる。 

 否(これは、過去問にあったかな!?)

 

 秘密意匠を請求する場合には、67条2項により、手数料の納付が必要である。

別表(67条関係) 

二 14条1項の規定により意匠を秘密にすることを請求する者 一件につき5100円

 で、意匠登録出願と同時に秘密意匠の請求をした場合で、拒絶査定又は拒絶審決が確定した場合にはどうなるの?  

67条7項 過誤納の手数料は、納付した者の請求により返還する。

の規定で、返してもらえたりするのかな? って、それはないだろう。

14条1項では、「その期間その意匠を秘密にすることを請求することができる」とあって、あくまで、14条で規定しているのは、秘密意匠の請求についてである。 よって、67条2項に基づいて支払う手数料というのは、秘密意匠の請求の手続に対してであって、条文上は、秘密意匠の意匠公報の編纂のための手数料ではない。 となれば、拒絶査定になって、意匠公報が発行されない場合でも、そのために支払った手数料は過誤納とはならんでしょう!!! そういえば、4条適用の場合には、手数料っていらないのね。 14条の手数料ってなんなんでしょうね!?

 そういえば、短答過去問で、秘密意匠の場合には、登録料のほかに別途手数料が必要である。といった問題がありましたな。

≪短答ポイント4≫

 秘密意匠の意匠登録出願について、登録料とは別の手数料の納付が必要な場合がある。

 是(かな!?)

 秘密意匠の登録料は不要だが、登録料の納付と同時に秘密意匠の請求をする場合には、手数料は必要。

 

 

本日のキーワード: 意匠はおしまい。

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2007年1月11日 (木)

平成18年 意匠法等の一部改正 産業財産権法の解説 第一部 意匠法の改正項目 第六章

第六章 新規性喪失の例外の適用の手続の見直し(第31~32頁)

「この規定の適用を受けるための手続は、出願時に適用を求める旨を願書に記載し、出願から14日以内に適用の要件を満たす事実を証明する書面を提出することが求められる。 これは登録要件の審査を迅速かつ的確に行い安定した権利を発生させるために、その審査が行われる時までに必要な情報が提供されているべきことを趣旨とするものである。」(31頁)

「近年の企業の製品開発の活発化や多様な情報媒体による情報流通環境の発展に伴い、出願前に自ら意匠を公開するケースが増加している。 ・・・、特に、日本国内又は外国において公然知られた意匠となったことについて第三者からの証明を取得することに要する手間と時間が負担となっているため、・・・」(31~32頁)

「・・・、出願人の利便性の向上の観点と審査着手時期までに適用の要件を判断するための材料が提出されているべきことを考慮し、・・・」(32頁)

 って、意匠の場合は、証明が容易だから14日なんじゃなかったっけ? また、審査着手時期っていうけど、意匠の場合、8月程度ではなかったか???(14日か30日かで揉め事が起きる期間ではなかったのでは?)

青本883頁 「意匠は具体的な物品の形状、模様等であり、抽象的な発明、考案の場合よりも証明書の作成が容易であるため、特許法、実用新案法よりも期間を短縮した。」

 

 

 新規性の喪失の例外については、特にありませんな。

 

 

本日のキーワード: 飲みすぎて気持ちが・・・

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2007年1月10日 (水)

平成18年 意匠法等の一部改正 産業財産権法の解説 第一部 意匠法の改正項目 第五章

第五章 関連意匠制度の見直し(第25~30頁)

 「関連意匠制度とは何ですか?」と問われれば、「一つのデザインコンセプトに基づいて同時期に創作されるバリエーションの意匠群を保護する制度です。」と答えていたが、本改正で一言定義が変更になる。

 青本896頁にも、「デザイン開発の過程で、一のデザイン・コンセプトから創作されたバリエーションの意匠については、同日に同一出願から出願された場合に限り、同等の価値を有するものとして保護し、・・・」とある。

 とはいえ、イタリック部分を削除すればいいだけか・・・

 

 本改正で時期的要件が緩和されたことにより、要件的には、類似意匠制度のような状態に近づいたといえる(関連意匠が独自の効力範囲を有する点で違うけど)。 今になって考えてみると、なんで類似意匠制度から関連意匠制度に変わるときに、本改正のようにしなかったんだろうか? なんか理由あるんかいな?

 説明されている趣旨としては、「近年のデザイン重視の商品開発においては、開発当初からすべてのバリエーションを創作する場合に限らず、当初製品投入後に需要動向を見ながら追加的にデザイン・バリエーションを開発する等、デザイン戦略がより機動化・多様化しつつある。」が一番理解しやすいかな。 口述のためには全部覚える必要があろうが。。。

 

10条1項 意匠登録出願人は、自己の意匠登録出願に係る意匠又は自己の登録意匠のうちから選択した一の意匠(以下「本意匠」という。)に類似する意匠(以下「関連意匠」という。)については、・・・

 となったので、意匠法施行規則の様式の【本意匠の表示】の欄を設け本意匠を特定し・・・、のところに登録番号も記載できるようになるっつうことかいな? 施行規則は改正されるんかいな??

10条1項 ・・・、当該関連意匠の意匠登録出願の日(・・・)がその本意匠の意匠登録出願の日以後であって、20条3項の規定によりその本意匠の意匠登録出願が掲載された意匠公報(同条4項の規定により同条3項4号に掲げる事項が掲載されたものを除く。)の発行の日前である場合に限り、・・・

 関連意匠の意匠登録出願をできる始期は、「日以後」なので、当該本意匠の出願の日が含まれ、終期は、「日前」なので、意匠公報の発行の日は含まれないとなる。 因みに、関連意匠の出願が先に出願されていても、本意匠の出願が同日であれば関連意匠制度は利用できるんだねぇ(改正部分ではないが、今、気付いた。)。

 そうそう、自己の登録意匠を本意匠として関連意匠の意匠登録出願をすることができるけど、非常にリスキーですな。 登録意匠ということは、登録料を納付した後、設定の登録がされた後をいうのだし、そして、意匠公報が発行される日前に出願しなきゃならんのだから、登録意匠を本意匠にできる機会は少ない。 また、意匠公報の発行は、出願人にがどうこうできるもんでもないしね。 因みに、登録査定の謄本の送達があった場合には、登録査定は確定するので、意匠登録出願は特許庁に係属しているの??? 係属していないとすると、その出願番号で特定するのはいかがなもの? 登録査定の謄本の送達後から設定の登録がなされるまでの間には、まぁ、意匠登録出願を本意匠とするのだろうけど、法的に大丈夫なんかいな??? ただ、登録料未納の場合、出願が却下されるんだから(準特18条1項)、未だ係属しとるんかいな??? 条文上できる期間になっているんだから問題ないんだろうけど(出願という事実行為はあるわけだしね。)。。。 どの状態であれば出願が特許庁に係属しているかなんて、結構、一生懸命覚えるもんだが、特許法での分割出願の時期的要件緩和といい、係属中って考え方はもう古いのかしらね。

 

「当該秘密期間に出願された関連意匠出願は、意匠法9条1項の規定により拒絶することとしている。」(28~29頁)

 この秘密期間中の出願については、関連意匠の場合には9条1項で拒絶されるわけであるが、3条の2の場合でも同様に拒絶理由になっているので、秘密期間との関係でよくよく押さえとく必要がありまんな。 短答ポイントですな。

 

「既に専用実施権を設定した本意匠についての関連意匠は登録できない旨を意匠法10条2項に規定したものである。」(29頁)

10条2項 本意匠の意匠権について専用実施権が設定されているときは、その本意匠に係る関連意匠については、前項の規定にかかわらず、意匠登録を受けることができない。

 とあるので、解説の方を読むと、一度本意匠に専用実施権を設定してしまうと、金輪際、関連意匠は登録できないとも読めるけど、条文上は、「専用実施権が設定されているときは」なので、関連意匠の査定時において本意匠に専用実施権が設定されていなければOKということになるでしょう。 意匠の審査速度から考えて、ほとんど考えられない世界だとは思うけど。。。

 

 10条1項から3項までが拒絶理由で、10条2項と3項が無効理由。 これって、短答で出そうですな。 過去問でも良く出てますしね。

 

 せっかくなので、一問だけ。

≪短答ポイント1≫

 関連意匠の意匠登録出願の日がその本意匠の意匠登録出願が掲載された意匠公報の発行前である場合には、9条の規定にかかわらず、意匠登録を受けることができる。

 否

 3条の2でも同じ問題が作れる。

 

 

本日のキーワード: あ~だこ~だがすきなのです。

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2007年1月 9日 (火)

平成18年 意匠法等の一部改正 産業財産権法の解説 第一部 意匠法の改正項目 第四章

第四章 意匠の類似の範囲の明確化(21~24頁)

 本改正において、最も本質的な部分に関する改正であるが、まぁ改正本を読んでも私にはよくわかりやせん。 改正でいいたいことをちゃんと理解するためには、参考としてあげられている判例やら解説やらを読まざるをえんでしょうが、流しておきます。 意匠関連に携わる弁理士となる際にもう一度勉強することにしましょう。 

 いやぁ、ホントよく分からんので、そのまま抜粋すると、

「このように最高裁判例において意匠の類似とは一般需要者から見た美感の類否であるとされているが、裁判例やら実務の一部においては、意匠の類似についてデザイナー等の当業者の視点から評価を行うものもあり・・・、」(22頁)

 ここだけ読むと、当業者の視点からは、類否判断をしないとその後流れていくようにも思え、需要者の観点で類否判断するんであれば、やっぱ、混同説!?って思いたくなるんじゃけど・・・

「意匠の類否判断は、意匠制度の根幹に係る意匠の登録要件や意匠権の効力範囲を司るものであることから、統一性をもって判断されることが望ましいと考えられる。 ・・・、意匠の類似について、最高裁判例等において説示されている取引者、需要者からみた意匠の美感の類否であることを規定する。」(22頁)

 取引者って何? ここには、当業者は含まれないってことでいいのかしら?? 需要者という概念から想起されるのは、お店で買う人である。 で、取引者っていうと、卸業者などの中間業者のことと思う。 取引者というのは、需要者超当業者未満みたいなもんか??? 宅急便(登録商標)というと、一般人は、ヤマト運輸だけでなく、佐川急便も宅急便って思うかもしらんけど、取引者の中では明白に違うみたいな感覚で、取引者を捉えとけばよいのかいな????

24条2項 登録意匠とそれ以外の意匠が類似であるか否かの判断は、需要者の視覚を通じて起こさせる美感に基づいて行うものとする。 

 どうでもいいことだけど、昨今の法改正後の四法の条文ってなんか、堅苦しさが抜けてない!? ほんとどうでもいいことだけど・・・ 良く言えば、口語調でより読みやすい、悪く言えば、・・・ってとこである。

「・・・、登録意匠にそれ以外の意匠が類似しているか否かの判断は、当該意匠が需要者に起こさせる美感の共通性の有無に基づいて判断するものであることを規定した。 ここでいう需要者とは、取引者及び需要者を意味する。」(23頁)

 って、何で、取引者を条文上規定しないのかな? 取引者って、法律用語ではないのかな?? でも、前段を読めば、判例において出てくる用語なんだよね! まぁ、弁理士としては、この辺もそのうち仕事になるんだろうから(解釈部分は揉め事のモト→弁理士の出番)、ちょっと明確でないくらいの方が良いですが。。。

≪短答ポイント1≫

 意匠の類否判断は、需要者の視覚を通じて起こさせる美感に基づいて行われるが、取引者の視覚を通じては判断されない。

 否

「最高裁判例上、意匠の類否判断の視点は一般需要者となっているが、意匠法24条2項において一般需要者ではなく需要者としたのは、(a)意匠法における類否判断を物品の出所混同と結びつけるために一般需要者を使用したわけではないとする最高裁判例の解説、・・・」(23頁)

 って、とこから、完全な混同説ではないのだなぁというとこである。 ある意味、最高裁は混同説ではないといっているとも読めるからなぁ。 ホントこの辺は深入りしないのが懸命でしょうな。 ただ、口述が怖いですな・・・

 そういえば、平成18年の短答式試験でも出ていた部分だけど、3条1項3号と3条2項とを比較して、需要者と当業者という用語を使っているのだから、需要者には明らかに当業者は含まれせんわな。 両方に被る部分はあるかもしれないけど、当業者のレベルでは判断してはいけないんだって思っておけばいいのかもしれない。

 

「・・・、意匠法の根幹をなす意匠権の対象である登録意匠の範囲を規定している意匠法第24条に第2項を新たに設け、意匠の類否判断の解釈や手法を規定することとしたものである。 これにより、意匠法第3条第1項第3号をはじめ、他の条項に規定されている意匠の類否についても一定の解釈が及ぶことになるものと考えている。」(24頁)

 って、微妙な言い回しですね。。。 一定の解釈が及ぶに過ぎないともいえてしまわないかい???

 

 

本日のキーワード: なかなか先に進みません・・・

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2007年1月 8日 (月)

平成18年 意匠法等の一部改正 産業財産権法の解説 第一部 意匠法の改正項目 第三章

第三章 意匠登録要件の見直し(第18~20頁)

 意匠法の法目的はなんなんじゃ?という点は、この改正でも明らかになってないよぉ~。 まぁ明らかにもならんじゃろうね。 単純化して創作説と混同説があるとして、意匠の類否判断については、混同説になった。 でも、創作非容易性が意匠登録の要件となっている点からも、創作説は捨てがたい。 やっぱし、今後は適宜使い分けていくっつうことなのかな。 っつうか、過去に聞かれたことあると思うけど、今般の論文式試験で聞かれることはないだろうから、スルーするのが一番なのかもしれませんわね。 理解しやすく比較して書いてある書籍なんつうのはないしね。 因みに、私は、予備校のレジュメ集でも創作説、混同説はかっ飛ばして読んでるし、高田も斉藤も読んだことないし、じぇんじぇん理解できてないから、この項はかなり適当だと思いますぅ。 だから、なんじゃ!こいつ!!ってなるかもしれないですが、今年の干支ばりの激しい突っ込みは厳禁ですよ(笑)

 私の中では、特許庁は創作説で、裁判所は混同説だと理解していた(2つしか説がないという過程での話しなので、修正混同説とか色々なことは言わないように!!!)。 つまり、権利化前は創作説であり、権利化後は混同説ということである。 そして、特許庁が創作説であると根拠づける最たるものとして、3条の2があると理解していたのだった。 3条の2は創作説で、類否判断(3条2項)は混同説の立場から審査するってちょっと考えにくいかな!?って思ったのもあってね。。。

 まぁ、平成17年度は新人研修(後期)で、小谷先生の講義があったようなので、平成18年度版のそこに期待しよう!!!

 

「意匠制度では、新しい意匠の創作を保護することを制度の趣旨としているため、・・・」

「・・・、新しい意匠の創作をしたものとは認められないことから、・・・」(以上、18頁)

 ってここを読むと、やっぱり特許庁は創作説なんかいなと思えなくもない。 3条の2を改正するにあたっては、平成10年改正の部分意匠制度導入に伴うこの3条の2の趣旨を否定するわけにもいかないし、改正本を書くにあたってどういった感じで書いてくるのか楽しみにしていたのだったが・・・ 何ら新たな意匠を公開することにならないという点は、どういった理由付けをしても変えられないだろうなぁって思っていたので。。。 今年の意匠法の改正は、趣旨だけを考えると部分改正とせずに全面改正としていれば、ちょっとは楽だったのかもしれないけど、まぁ、全面改正はしばらくはないかな? そういえば、商標はどうなったのでしょうか!!! 異議申立てはずっと存続させるのかしらん。。。 SPLT(実体特許法条約)の発効の前には、特許法では全面改正になるかもしれやせんが・・・

 

「デザイン開発においては、先に製品全体の外観デザインが完成し、その後個々の構成物品の詳細のデザインが決定されて製品全体の詳細なデザインが完了するという開発実態がある。」

 ここは、3条の2の改正の前提として成立していない気がするが・・・ 外観デザインが完成し、全体意匠の出願をしたあとに、その構成物品の詳細なデザインが決定されるのであれば、全体意匠において大雑把な部分にしか完成していない意匠は、構成物品の部分の詳細な意匠と類似せんのじゃないか!?と思えるが・・・ それとも、大雑把なものと詳細なものとは大枠で変わらんのだから、3条の2の射程に入るってことが言いたいのかしらん。。。 まぁ、趣旨の項は3文で、その接続詞が「また、」、「このため、」ってなっているんだから、「また、」以下の部分は、並列関係。 そして、「このため、」以下が、並列部分を受けての説明となると考えられる。 したがって、改正本では、上述のような開発実態があることを一の要因として、3条の2の要件緩和が必要と説明していることとなる。 何だか変なのって感じである。 何ら新たな意匠の創作に該当しないから3条の2の適用があるのに、詳細なデザインを後から完了するという開発実態から3条の2の要件緩和って、後から完了している段階で、新たな意匠の創作になっているんじゃねぇの!?ってとこである。 

「また、市場において成功した商品については、需要を喚起する独自性の高い創作部分が模倣の対象となりやるいとされる。」

 こちらの方は分かりやすいかな。 模倣の対象とされやすいのに(そもそも部分意匠制度の導入趣旨が、独創的で特徴ある部分を・・・なのだから、まぁ、模倣の対象とされやすいという点は大合意) 、全体意匠の出願より先に出願してないから、先願意匠の部分に該当する意匠を保護することができないというジレンマに対し、模倣のし得を排除するための要件緩和ということであれば、理解しやすいかな。 この場合には、産業界からの要請とでもいえば聞こえはいいのかもしれない。 何で、今回の改正では今まで良く使われてきた趣旨の一である、産業界からの要請という点が明示されてないんでしょうかね??? 要請がなかったのかしらん!?!?

「このため、独自性の高い自己の製品デザインの保護を強化するため、先に製品全体の意匠について出願し、それに遅れて、先の意匠の一部を部品や部分意匠として出願した場合でも、双方の意匠について意匠登録を受けられるようにする必要がある。」

 しかし、若干、権利期間の実質的な延長につながる改正をするというのは画期的なことではないかな???

青本880頁 「先願として意匠権を得た意匠の一部と同一又は類似の意匠について後日に改めて権利化することは、実質的な権利の延長を招くおそれがあり、不適当であることから、後願の出願人が先願の出願人と同人であるか他人であるかを問わず、新設する規定を一律に適用することとしたものである。」

 なので、やっぱり、今回の改正は、平成10年改正の趣旨を真っ向からなぎ倒すような改正なんだよね。 最近は、部分改正しかしてないから、こういう、前回改正の趣旨をぶった切るような改正が多い。 まさに、受験生泣かせである。

≪短答ポイント1≫

 先願として組物の意匠登録出願がある場合に、その構成物品の意匠登録出願を後にした場合には、その構成物品の意匠登録を受けることができる場合はない。

 否

≪短答ポイント1’≫

 先願の意匠公報に掲載された部分意匠であっても、意匠登録を受けることができる場合がある。

 是

3条の2ただし書 ただし、当該意匠登録出願の出願人と先の意匠登録出願の出願人とが同一の者であって、20条3項の規定により先の意匠登録出願が掲載された意匠公報(同条4項の規定により同条3項4号に掲げる事項が掲載されたものを除く。)の発行の日前に当該意匠登録出願があつたときは、この限りでない。

 どうでもいいことだけど、まだ大きい「つ」なのね。 昭和35年法の名残がまだあるということですわな。

 3条の2の適用対象となる先の意匠登録出願は、意匠権が発生して意匠公報に掲載された場合と、同日出願協議不成立により拒絶査定又は拒絶審決が確定した場合に意匠公報に掲載された場合である。 当然のことながら、後者の場合には、後に同一内容の出願をした場合には、同一出願人であったとしても3条の2の適用はあるという点を忘れてはいけない(ただし書の適用はない。)。

 秘密意匠の場合には、意匠公報に2回掲載されるので、どちらが3条の2の適用除外の終期かをただし書中のかっこ書で規定している。 これは、関連意匠の場合と同じなので、まぁ覚えやすいだろう。 秘密意匠の場合は、意匠の内容が隠された1回目の意匠公報の発行の日前に出願することが必要ということになる。

≪短答ポイント2≫

 意匠公報の発行前であれば、同一の出願人がその意匠の一部について意匠登録出願をすれば、常に意匠登録を受けることができる。

 否

 今年の規定は例外規定が多く設けられているので、こまごまとした条件設定を問題文に表さないといけないので問題を作るのが難しいかもしれやせんね。。。

 秘密意匠に絡めて先に、

「当該秘密期間に出願された後日出願は同一出願人による場合であっても、本条の規定により拒絶することとしている。」(20頁)

≪短答ポイント2’≫

 秘密意匠に関する意匠権については、その一部について同一出願人が意匠登録出願した場合であっても、常に、意匠登録を受けることができない。

 否

 書誌的事項の意匠公報の発行→意匠の内容等実体的事項の意匠公報の発行と秘密意匠の場合に意匠公報が2回発行されるが、その間の出願については、3条の2の適用除外は受けられませんよってことを20頁で説明している。

 

 3条の2の説明で、ちゃんと書いているなぁと思ったのは(その趣旨はいまいちだが。)、

「後願意匠と同一又は類似の意匠が、先願意匠の一部として既に開示されたものであるとしても、同一出願人による場合には、それによって新たな意匠の創作であることを否定しないとするものである。」(20頁)

 やっぱ、創作説なんじゃねぇのぉ~ って、話戻しすぎ・・・

 「後願意匠と同一又は類似の意匠」&「先願意匠の一部」って文言は、短答式試験で使われそうな文言ですなぁぁぁ。 

「本規定の趣旨は(って、ただし書の規定のことと思われるが・・・)、先願意匠の一部をなす後願の意匠権成立による権利の錯綜を避けることにもあることから、同一の者か否かの判断は、可能な限り権利成立に近い時点である査定時に行うこととする。」(20頁)

 査定又は審決時ではないということかな。 商標法では、3条の判断基準時って、査定又は審決時でなかったっけ??? ここは、受験生ではないので、スルーしとこう(そのうち分かるじゃろ)!!! とにもかくにも、特許法の29条の2では、後願の出願時が判断基準時となるが、そことは確実に違うということである。

特許法29条の2ただし書 ただし、当該特許出願の時にその出願人と当該他の特許出願又は実用新案登録出願人とが同一の者であるときは、この限りでない。

 とあって、後願の出願時において出願人同一であることが条文上明記されている。 因みに、発明者同一の判断基準時は本来的には出願時になると思うが、発明者については、補正ができるのでその場合の判断基準時は、なんというのでしょうかね。。。 実質、査定時ということかな。 っつうか、発明者が変わるっつうのが本来おかしいことなんじゃが・・・ まぁ、条文上も発明者同一の場合については、出願時であることを明記してないので補正でひっくり返すことができるっつうことになるわけですよ。 ここの説明としては、

青本91~92頁 一般的には、明細書の詳細な説明の欄に記載し、請求範囲には記載しなかったという発明については、出願人はその発明について特許を請求しない。 いいかえれば公衆に開放するという意思であるとみられるが、中には必ずしもそういう場合だけでなく、その出願び請求範囲に記載された発明の説明にどうしても必要なために詳細な説明の欄で特定の技術を記載し、その特定の技術については後日別に出願して特許権を得たいというものがある。 こういう場合には、後に本人が出願すれば特許が受けられるようにしないと困るのでその旨を規定した。

 とあって、出願人同一の判断時が後願の出願時であることが明らかとなる。

≪短答ポイント3≫

 先願と後願の出願人は、後願の出願時において同一でなければ、3条の2の適用により後願は意匠登録を受けることができない。

 否

 

 

本日のキーワード: 戯れ言が多くなった・・・

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2007年1月 6日 (土)

平成18年 意匠法等の一部改正 産業財産権法の解説 第一部 意匠法の改正項目 第二章

 今年の改正本には、特に意匠法で改正趣旨が細かく記載されている感じを受ける。 まぁ、大改正であった平成10年の趣旨を超える形で改正がされていたりするので、より詳しく記載されているのかなという感じである。 ということで、短答式試験のために条文を確認し、口述試験のために、制度改正の趣旨を勉強する必要がありそうである。 

 そういえば、雄松堂出版から「意匠法コンメンタール」という本が出てますね。 中を見てないし、買う気もないのですが、試験における基本書となったりするのでしょうかね!? まぁ、昨今流行の勉強法をとる場合には、基本書といわれるものを買う必要は無く、予備校の出している書籍を読めば合格はできるので、基本書という概念自体古いかもしれませんね。 司法試験でも、吾妻とか内田とか読むんですかね!?!?

 

 話戻して、

第二章 意匠の定義の見直し(画面デザインの保護の拡充)(第13~17頁)

2条1項 この法律で「意匠」とは、物品(物品の部分を含む。8条を除き、以下同じ。)の形状、模様若しくは色彩又はこれらの結合であって、視覚を通じて美感を起こさせるものをいう。

2項 前項において、物品の部分の形状、模様若しくは色彩又はこれらの結合には、物品の操作(当該物品がその機能を発揮できる状態にするために行われるものに限る。)の用に供される画像であって、当該物品又はこれと一体として用いられる物品に表示されるものが含まれるものとする。

 改正本を読まずに、条文だけを眺めると、、、

 部分意匠とは、物品の部分の形状、模様若しくは色彩またはこれらの結合であって、視覚を通じて美感を生じさせるものをいう。 なので、2条2項において規定されているのは、部分意匠には、物品の操作の用に供される画像が含まれるということである。 いいたいことは、全体意匠としても保護されることは明示されていないということである。 ただ、部分意匠は、全体意匠の一部と読むことができるので(物品には、物品の部分が含まれるので)、まぁ、部分意匠には物品の操作の用に供される画像が含まれるのであるから、その部分意匠を含む全体意匠も保護されるっつうことになるわけですな。

 審査基準を読まないとわからないけど、以前の3要件は、どうなるんでしょうね???

「「物品の操作(当該物品がその機能を発揮できる状態にするために行われるものに限る。)の用に供される画像」が、「物品の部分の形状、模様若しくは色彩又はこれらの結合」に含まれるとは、当該画像が物品の一部分として保護されることをいい、通常の全体意匠の一部分として保護されることをいい、通常の全体意匠の一部を構成する要素、あるいは、部分意匠を構成する要素として保護することを可能とするものである。」(15頁)

 2条1項かっこ書って、部分意匠のことを規定していると理解していたんだが・・・ どうも間違っているのかな??? 上記のようだと、2条1項かっこ書は部分意匠のことだけをいっているのではなくて、部分であっても全体意匠の一部として保護され得るということをも規定しているということになる。 とはいえ、画面デザインが全体意匠としても部分意匠としても保護されるという点は明らかである。

≪短答ポイント1≫

 ゲーム機を使用してゲームを行っている状態はゲーム機の機能を発揮させている状態にあたるので、ゲームソフトによって表示される画像は意匠登録を受けることができる。

 否

 ということで、「機能を発揮できる状態」か「機能を発揮させている状態」かは重要である。 簡単にいえば、初期状態のみの画像が保護されるといえるのである。 という観点から、Windows(登録商標)の画像は意匠登録を受けることができないとなるわけである。 Windowsによる画像は、既に物品であるパソコンの機能を発揮させている状態での表示になるからである。 こうなってくると、Macの場合はどうなるんですかね??? まぁ、保護されないんだろうけど・・・

「「機能を発揮できる状態」とは、当該物品の機能を働かせることが可能となっている状態であり、実際に当該物品がその機能に従って働いている状態は保護対象に含まないことを意味する。」(16頁)

≪短答ポイント2≫

 画像を含む意匠は組物の意匠として保護されることはない。

 否

 結局、画面デザインであっても、部分意匠として出願しているのか、全体意匠として出願しているのかで、組物の意匠として保護されるのかを考えればよいだけである。 ただ、画面デザインを部分意匠でなく、全体意匠で出願した場合には、ある意味あまり意味のない出願となるよね。 だって、画面デザインが全体意匠において要部足りえるかというと・・・ その辺は、(補説)として記載されているところである。 弁理士としては、両方出願することを進めるのが一番いいのだろうな。 因みに、平成18年論文式試験では、部分意匠と全体意匠の利用関係を絡めた問題がでたけど、その辺の理解をする上でも、(補説)の部分が参考にちょっとはなるかな。

≪短答ポイント3≫

 画面デザインが汎用の表示機器に表示されている場合に、斯かる表示機器を製造販売する行為は、物品そのものの表示部に画面デザインが表示される意匠の意匠権の侵害となる。

 否

 って、ここって結構重要な点だと思うけど、問題文でうまく表すのは難しそうである。 口述で絵つきで問われる部分かな。 

「画面デザインが、物品そのものの表示部に表示されておらず、当該機器と接続されている汎用の表示機器等に表示されている場合については、当該表示機器を業として製造、使用、譲渡等する行為が侵害とされるのではなく、意匠権で保護された画面デザインをその部分とする物品の製造、使用、譲渡等が禁止されるものと考えられる。」(17頁)

 なので、画面デザインを部分意匠なり全体意匠として意匠権を有していたとしても、接続される汎用の表示機器等(画面デザインが表示される)の販売行為自体を意匠法では権利侵害とすることはできないということである。 この場合には、意匠法ではのみ品以外は間接侵害に該当しないので、汎用の表示機器に画面デザインが表示されるということのみでは間接侵害にも該当しないだろうしね。 まぁ、汎用品を売っている行為を意匠権の侵害とするほうがおかしいともいえるが。。。 因みに、汎用の表示機器等に画面デザインが表示される場合に、物品とのセットで販売した場合に、意匠が類似となるんですかいな??? 全体意匠だと間違いなく形態が非類似だよね。 部分意匠ではどうなるんですかね・・・ プリンターなんかで考えるといいのかな? プリンターの表示部に画面デザインが表示される場合で、物品がプリンターの意匠権がある場合に、その画面デザインをパソコンのモニターに出るようにして販売したような場合には、やっぱり、意匠は非類似かな。。。 ここの(補説)がどういったケースを意味しているかは、やっぱり絵付の審査基準が必要ですな。 DVDとかで、TV画面に出る画像が該当するのかな。 この場合にゃぁ、出願自体が、TV画面を含めた状態となるであろうから、まぁ、汎用品のTVを販売する行為が侵害っつうのはおかしいのは明らかじゃの。

 

 

本日のキーワード: 改正本を逐一読んだのは初めてですよ。

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2007年1月 5日 (金)

平成18年 意匠法等の一部改正 産業財産権法の解説 第一部 意匠法の改正項目 第一章

第一章 意匠権の存続期間の延長(第9~12頁)

 実用新案権が10年に延びたのに続いて、意匠権も設定の登録の日から20年に延長。 試験的には、ほとんど寄与しない部分の改正なので、おそるるに足らずである。

 今年の一押しTRIPSとの比較。

 意匠では、

TRIPS 26条3項 保護期間は、少なくとも10年とする。

 特許では、

TRIPS 33条 保護期間は、出願日から計算して20年の期間が経過する前に終了してはならない。

 となっていて、国内法でもTRIPSでも、意匠では、存続期間が規定されていて、特許では、存続期間の終期が規定されている。 ん~、この違いはどこから来るのでしょうか・・・!?

 権利期間の改正は試験的には、どうってことないが、改正本の中には、特許と意匠の違いがさらっと記載されていたりして、勉強になる。

「発明は、あまりに長期間の独占権を与えることにより、技術開発を通じた技術の向上を阻害するおそれがあるのに対し、意匠は、審美的な観点から保護されるものであるため、存続期間を長くすることによる弊害は比較的小さいものと考えられる。」(10頁)

「意匠権は、・・・、権利を早期に手放すことを促進する政策的必要性は特許権に比較して強くないと考えられる。」(11頁)

 とはいいつつも、法目的として、特許法では、「発明の保護及び利用を図ることにより、・・・産業の発達に寄与する・・・」、意匠法では「意匠の保護及び利用を図ることにより、・・・産業の発達に寄与する・・・」なので、同じなんだけどね。 まぁ、利用の部分で軽重があるという理解でいいのだろう。

 確かに、特許料は、

1~3年が、2600円+200円X請求項数

4~6年が、8100円+600円X請求項数

7~9年が、24300円+1900円X請求項数

10~25年が、81200円+6400円X請求項数

となっているのに対し、

 意匠権の登録料は、

1~3年が、8500円

4~10年が、16900円

11~20年が、33800円

とそんなに高い上昇率を見せないね。 こうみてみると、知財って、ほんの少しの金額で強固な権利を得ることができ、莫大な富をもたらす可能性を秘めている点で凄い制度ですな。 何億円という稼ぎをするものが、高々数十万円でその権利が保障されるというのは、面白い制度ではある。 登録料と経常利益という観点で、誰か研究をやってくれないかな。。。 歴史的に見てみるとどうなんだろうか!?

 

 

本日のキーワード: こんなことを牛歩で書いている場合ではないのだが・・・

  

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2007年1月 4日 (木)

平成18年 意匠法等の一部改正 産業財産権法の解説

平成18年 意匠法等の一部改正 産業財産権法の解説

特許庁総務部総務課制度改正審議室編 発明協会

 

 いわゆる改正本って、著作権が発生しているのね(びっくり!)。 当たり前か・・・ となると青本もなのよね。 そう考えてみると、著作権ってメンドクサイよなぁ(って、弁理士卵がいう台詞ではないか・・・)。

 

 

序章(第1~5頁)

 趣旨として、

「近年、アジア諸国をはじめとする途上国産業の技術、品質、価格面での競争力が高まっており、我が国産業も知的財産を活用した競争力の強化が重要な課題となっている。」

「・・・、競争力をつけつつある途上国産業による製品・サービスからの日本企業の更なる差別化・高付加価値化を可能とするものである。」

「・・・、模倣品の流通・拡散等を防止するための措置を強化することが強く求められている。」

 とある部分からわかることは、日本国の今後の進むべき道として、対外的に知的財産に基づいて権利行使をしていかなくては、国家の繁栄はないと考えているということであり、特許庁もそのための法制度を制定するということである。 権利行使すなわちエンフォースメントといえば、でてくるのはTRIPSである。 ということで、今後の短答式試験では、TRIPSの重要性が増してくることは間違いないであろう。 更には、エンフォースメントをおこなうためには、各国での権利の取得が必要なので、当然に、PCT&マドプロの重要性も増す。 しかも、世界特許とかいって、ある意味、パリ条約の大原則である属地主義の考えが蔑ろにされていることからも、短答式試験でのパリ条約の重要性は衰える。 ということで、TRIPS、PCT&マドプロの出題率が増えるのではないかな?というのが、昨今の知財の状況からみる弁理士試験かしらね。

 制度改正の骨子として、

「第四に、模倣品対策を強化するため、模倣品を輸出することや譲渡等の目的で所持することを産業財産権の侵害行為とするとともに、産業財産権の侵害等についての刑事罰を強化した。」

 模倣品対策を強化するため、模倣品を輸出することを侵害行為とするという部分だけ読むと、よくわからない。 模倣品を輸出するということは、国内で模倣品が生産されていることを意味するのではないかい?と思う。 しかし、模倣品は、アジア諸国で製造されているのである。 となると、???である。 また、「アジア諸国等から日本企業の製品のデザイン等を模倣した商品が流入するなど、」と記載されてもいるように、この場合も模倣品の輸入である(輸入は既に侵害行為となる。)。 だから、余計に???である。

 ここについては、タイムリーな記事があって、

 1月4日の読売新聞の配信記事で、「中国製の模倣「日本ブランド」中東へ、被害9兆円にも」というのがある。 その中で、「日本製を強調するため、中国からいったん神戸港など日本国内へ持ち込んだうえで輸出することもあるという。」と記載されている。 ここから、輸出であっても取り締まることの意味が分かるというものである。 しかも、ここにいう9兆円という額は、特許庁の試算だそうである。

 ということで、模倣品対策を強化するためとは、模倣品の流通を防止するためということであり、模倣品の輸入時に侵害行為として取り締まることができなくても、模倣品の輸出時に取り締まることができれば、二重のチェック機構が働くことになりGOODということで、本改正がされたのやもしれん!と納得することにした。

 

 

本日のキーワード: ちょっと改正本に浮気。

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2006年12月21日 (木)

新・特許戦略ハンドブック ぱーと に

第2章 企業経営と知的資産マネジメント

 知的資産マネジメントって、特許事務所にいる人間には、あまり関係がないのかなと思ってしまう。 やっぱし、法律事務所にいてM&Aをやっているとか、企業にいて知財部にいるとかでないと別段ねぇ・・・ しかも、知財を財として捉える時って、あんまり理系の知識っていらない気がするのよね。 財として捉えることができるってことは、ある程度活用されているってことだもんね。 基本的に出願や権利化のための特許庁とのやりとりについての法律の専門家である弁理士の資格もいらない気が・・・ 未使用特許の価値判断は、理系の力がいるのかもしれないけど、それ以外ではなぁ・・・というのが率直な感想。 未使用特許については、特許流通アドバイザー制度というものもあるしなぁ。。。 特に弁理士もってなくてもできる。。。 ということで、この本を読んでいても、私自身の勉強が足りないこと、また、私の興味が知財のマネジメントに向いてないことから、やっぱり、頭に入ってこない(トホホ)。

108頁 知財評価って、やっぱり、会社の知財部でやるべきマネジメントというよりは、どちらかというと、M&Aで相手先の評価のための指標だよね。 ベンチャーを買う時とかに、使ってそう!!!

115頁 「特許権信託の第1号として、UFJ信託銀行がトキワ精機の保有する油圧配管の継ぎ手の新製法に関する特許権の信託を受託した。」

 信託第1号ということで、結構新聞をにぎわせていたと思うんだけど、その後どうなってるのかな? また、特許権信託というものが、バリバリなされているのかな? それよりも、投資の対象としての(以下)

116頁 「みずほ信託銀行がアニメーション著作権の信託を手掛け、信託受益権を販売し制作費を調達する、との報道もされている(日本経済新聞朝刊2005年4月12日)。 」

 日本の知財の中では、アニメなどのコンテンツ系において他国を圧倒的にリードしているという話を聞くことから、こっち方面で、知財の信託は進んでいきそうである。 なんだったか忘れたけど、角川書店だったかが、こういった形で著作権の信託から制作費を稼いで映画化したみたいな話を聞いた覚えがあるけど・・・ 著作権がからむと、弁護士の業務だなぁ・・・(っつうか、そもそも契約がかむと、本質的には弁護士業務だよな・・・)

120頁 「日本が知的財産立国として国際競争を改めて回復するためにも、知的資産経営を支える知的資産マネジメントがより効果的に実践されることを期待したい。」

 と締められているが、ネットバブルの次の担い手が知財ということで、今、知財経営等が流行っている感が否めない。 知財は、無形の財産で、市場性が読みづらい手前、ネットバブル等とも違うし、また、直接市場に訴えかけるものでもないので、知財は直ぐに儲かるものではないと分かるや・・・。 ということで、日本人は飽きやすいし、ブームで終わってしまうんではないかと危惧したくなる。 ネットバブルは、コンテンツやビジネスモデルを提供することで、アイデアが即金につながったけど、知財ってその点で難しいよね。 また、参入しているのが、儲けといったものには厳しい感覚をもっているであろう、銀行系、コンサル系だというのもブームが直ぐに過ぎ去ってしまって終焉してしまうのではないか・・・と思う。 特許を実際に使用し収益を得ている製造業が、率先して知財経営をやっているというよりは、ハゲタカファンドといわれたような知財ハゲタカとでもいうべき方たちによって、知財マネジメントが動いている気がしてならない。 なんか100年の計とでもいうべき、経営学や経済学に通ずるような学問としての重さが感じられないのよね。 ということで、この本も何とか知財で一攫千金を狙うというようなコンサル会社の宣伝本に見えて仕方がない。 正直、「知財ほにゃらら」とすれば何でもよしみたいな風潮が感じられるけど、何も知財を特別に扱う必要なんてなくて、経営学、経済学的な観点で考えるときに、1つの財産として知財も捉えばいいのではないかなぁと思うのよ。 何も知財だけを特別に切り離す必要はないんでないかい?とさっ!! 唯一、アメリカのベンチャーのように、エンジェルがいて、本業は赤字だけど、なぜか株価などの評価は高いみたいな企業を評価する際にはどうしても特許を評価する必要があるので、必要な手段になるかと思うけど、日本みたくベンチャーが殆ど育ってなくて、ベンチャーに投資するような投資家も少ないようだと、何だか、知財を学問化するのってホント虚栄だよね。

 これでは、知財も以前流行った、人材マネジメントの二の舞じゃないかな。 人材マネジメントだということで、色々な派遣会社やら人材マネジメントを扱うような企業ができ、種々の自己啓発系に近いマネジメント本が流行ったが、今やそんなブームもどこへやらだもんね。 転職のすすめと、派遣のすすめで気付いたら賃金だけ安くなった、ワーキングプアの時代だもんね。 そして、マスコミでは、勝ち組、負け組と組み分けされて、これじゃぁ、競争はいけませんと順位付けを禁じられた教育を受けてきたであろうゆとり教育世代もビックリだよね。

 

 

本日のキーワード: 知財ブームはいつまで続くのかしらん。

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2006年12月13日 (水)

新・特許戦略ハンドブック ぱーと いち

知財立国への挑戦 新・特許戦略ハンドブック

鮫島 正洋 編著 商事法務

 真面目に初めて読む知財マネージメントの書物である。 思ったところを羅列していく。 読んでいてよく分からんので、アンチテーゼとでも言おうか、ちょっと悲観的な切り口で感想を述べてみたいと思う。

 

序章 わが国における知財国家戦略

2頁 「知財法律家の中には「知財の実体法は出尽くした」とコメントしている人もいるが、知財立国への制度改革は、知財の法制度の話ではなくなっている。 知財改革が拡充するに従って、知財法は相対的に比重が軽くなり、いまや知財法学者の出番はなくなっているのである。」

 確かに一面はあるとは思うけど、知財法学者(知財法律家?)なしに知財を語ることができないのも事実ではないだろうか。 企業の知財統治といったような方向に対し、我輩は興味がほぼ無いので、この本を読んでいても正直頭に入ってこない。 なので、敢えて悲観的に述べていってみたいと思う。

4頁 「権利を取得しなければ、アイデアを提供するだけになり技術流出となる。」

 昨今、日本の出願を減らすためにプロパガンダとしてよく言われていることである。 ホントのところ1日にどれだけ韓国や中国からのアクセスがあるのだろうか? そして、このプロパガンダの言わんとしていることはホントなのだろうか? 確かに、ノウハウで留め置けばいいことなのかもしれないが、該企業にとってはどうでもいいけど、他社に独占権を取得されたくないという内容の発明もあろう。 そういったものは、出願して公開してしまえば公知技術となるし、発明者にとっては一応の出願をしたというインセンティブが得られるから、企業からすると出願することは一石二鳥である。 実際、片っ端から遺伝子を出願されて困っていたりもするんじゃないの?って思ってしまうし。 そして、このプロパガンダの際に必ず付いてくるのが、先使用権の推奨である。 やっぱり、本気で技術流出を考えているというよりは、単に出願を減らしたいだけなんじゃないか?!と思えてしまう。 そもそも、技術流出というけれど、企業もアホじゃないんだから、基幹となるような技術について特許を取得しないということは今の時代ないんじゃないか?と思う。 それよりも、好き勝手に(やっているように見える)特許や商標の権利を発生させるどこぞの国に文句をいうことの方が先なんじゃないのか! 加えて、公開した技術を土台にしてさらなる先進の技術を開発し特許化しておけば、あまり技術流出ということは起こらんのではないのかい?(この場合に流出した技術は陳腐なものだから、流出しててもそんなに痛くないような。。。) それよりも技術流出としては、リストラによる人材流出や現地工場を作ったことにより起こる流出の方が大きいのではないのかい?

 この辺は、ノウハウとして秘匿することと公開されることにより公知技術化してしまうことのバランスを企業がいかにコントロールするかという点に尽きるのだろうけど、中々学問として捕らえることは難しそうである。 MOTとかで、修論のテーマになってそうだ。

6頁 昨今の大学教育、大学院化した後の教育がどのようなものかしらんが、日本でベンチャーが育たないのはやっぱり大学教育のせいなんじゃないかい?と思う。 今年の弁理士試験合格者にも学生さんが多いみたいだけど、やっぱり知財に来ようとすることもいいけど、一回くらい研究者として自分の可能性を勝負してみてもらいたいものではある。 ただし、そんな学生さん達でも学生時代から一生懸命勉強して弁理士資格を取得していたりするんだから偉いとは思うけど・・・ 逆に、学生のうちから弁理士試験の勉強をしようと思わせる大学環境という意味では、結構日本の研究はお先真っ暗なのかもしれない。 研究がお先真っ暗では、弁理士業界に至っては、暗黒である。 それかそれ程不況なんだろうね。 威勢良く産声をあげたポスドク1万人計画もポシャッタに等しいものがあるから、学生が研究に未練を感じず、弁理士資格に流れ着くのも仕方ないのかもしれないなぁとは思う。 ただ、なんとなく取っちゃったという人が多いのも事実な気がする。 というか、弁理士資格って未登録者も含めて何人持っているのか知らないけど、ホントの意味で活用している人なんて、ホンの一握りの有資格者に過ぎないんじゃないかな?って、今年の合格者を見ていると特に思う。 我輩もそうならないように気をつけるべし。 そうそう、手頃感があるのかもしれないけど、やっぱり学生から弁理士目指すなら弁護士取ればいいんじゃないのん?って思わなくもない。 だって、我輩の時には、これほど法曹の門戸は広くなかったし(言い訳にすぎないけど・・・)、法科大学院なんてなかったけど、今は法学未修者にも法科大学院の門戸は開かれとるもんね。 というと、我輩も何で弁護士資格でないのだい?という点には自問しなくてはいけない。(ちょいと、本の内容とあまりにも書いている内容が乖離しすぎた。 反省・・・)

 

第1章 知的資産経営と技術法務の潮流

20頁 今後は、有形資産だけでなく無形資産の管理が重要となってくる。 これまでのところ有形資産の管理は銀行が主体となって行われてきたのではないかと思う。 そして、今、知財等の無形資産の管理を誰が主体となって管理するかという点がTOPICSになっているのだと思う。 今後の資産は無形資産において増大していくことが当然に予想されるのだから、そこで覇権を握ることは今後の経済界を牽引していく武器を有することとなる。 ただ、無形資産の管理が難しいのはこれまでのノウハウがないし、資産価値を如何に判断するかも難しいので、その覇権は誰の手に落ちてもおかしくない状態である。 そういった意味では、混沌の世界にハゲタカが舞い降りている状態ともいえる。 知財等の無形資産の発生には当然に現時点では管理の及ばない(この本においてもきっと明らかにされることはないであろう)、人的資産の創出が重要である。 ただ、「失われた10年」の時代と共に、日本にはゆとり教育という名の下に教育が行われてきており、知財を考える上で切っても切れない関係にある人的資産とでもいうべきものの教育及び創出はきっちりとなされているものなのだろうか。 

24頁 「知」を学問として捉えるというのは非常に難しい状況にあるのだろう。 似た学問であるといえる経済学では、数学化して若干実業と乖離させているがゆえに成立し得ている学問な気がするが、「知」を学問として捉える際にはどうしてもフィードパックを求められているというか常に実業が傍にあるという点でより学問化が難しいのではないかな?と感ずる(やっぱ、産業革命時代からある学問とは違うわな)。 だから、机上への学問化がまだ体系化されていない段階で、こういった類の本を読んでも内容がまだまだ稚拙であると感じる。 ようは、学問としての体をなしてないのよね。 そもそも学問足り得るものなのか?!という点も議論の余地はまだまだあろう。 結局のところ、モデルスタディの域を出ていなくって、歴史学に等しいのよね。 学問として一般化するためにもデータの蓄積が待たれるところである。 ケースバイケースで事象を捉えていては、やっぱ歴史学になってしまうよね。 ということで、現時点では、ノンフィクションものの知財本を読んでいる方がまだマシで、知財学は中途半端ね。

41頁 「ソフトウェア分野は実験などの検証なくして特許出願が可能な分野であるという点で特筆すべき特徴を有している。」

 とあるけど、ホントかい? ソフトウェア分野は全くわからんから何とも言いがたいのだけど・・・ 36条4項1号の実施可能要件的に問題がないのかいな?? 審査基準でも読まんといけんね。 とはいえ、次のようなフォローあり。

42頁 「なお昨今のソフトウェア特許の審査実務ではアイデアレベルの抽象的な発明は容易に特許されないので、後日、具体的なシステム上の工夫を抽出して明細書に盛り込むこと(優先権主張出願)が併せて必要となる。」

 とあるけど、この優先権主張出願を利用した実務は、「人口乳首事件」があるから危険だよね。。。

 

 

本日のキーワード: いやぁ、意味もなく熱く書いてしまった。 これでは、変なおじさんである。。。 ただ、しばらく口やかまし状態が続きます・・・

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2006年12月10日 (日)

模倣社会

模倣社会 忍び寄る模倣品犯罪の恐怖

パット・チョート著、 橋本 硯也訳 税務経理協会

 訳者は知財を知らないなと分かる訳多し。 訳語から英語が想定できるところが、素人感丸出し。 知財関係の監修は入れてないのかな?? 知財に関しワシントン大統領の時代から語られていて、古い話なのに臨場感に溢れていて前半部は非常に興味深く読める。 筆者は、ペロー氏の副大統領候補だったみたいで、御多分にもれず、最後には書きたかったであろうことがドロリと顔を現し、如何に米国知財が簒奪されているか、国家が知財保護に関し如何に機能してないかの、批判的な方向からのアメリカ万歳物語。 米国の議員立法については、ロビイストも出てきて、どっちがどっち側何だか良く分からんくなって、何だかよく分からん。 読み物としては、全般に臨場感にあふれていて面白い本であります。 

 

本から知ったこと。

 GEってエジソンの会社が始まりなのね。 それにしても、エジソンの知財の話は非常におもしろい。 前半部分の山である。

 知財の歴史って、どこも変わってなくって、結局、簒奪を国家が法で保護して、自分とこの産業が他人を排除するレベルに達したら、他国の法体系に対して文句をいうってことなのよね。 アメリカはイギリスから盗み、日本はアメリカから盗み、中国は日本から盗むという、歴史は繰り返すとは当にこのこと。 次は、インドが中国から盗むのだろうか・・・ そーいえば、年齢が分かってしまうが、昔、GATTウルグアイラウンドととかって結構揉めてたもんね。 また、日本だって一寸前まで、物質特許を認めていなかったんだよね。 いやはや。。。

152頁 「2003年8月に貧しい国の加盟国はその加盟国国内の医薬品製造業者にライセンスを供与するように医薬品関連の特許保有者に対して強制することができる協定をWTOは認めたのである。」

 いわゆる医薬品アクセスの問題である。 最近、タイ政府が強制実施を発動したニュースが流れた。 もともと、ブラジルが国家をあげてじゃばじゃば作っているのは有名である。 深夜番組だったが、TVでも取り上げられていたのを覚えている。 日本弁理士会のHPの日本弁理士会知財ビジネスアカデミーの2006年度 前期研究ゼミ『国際知財ゼミ』研究資料の中に、医薬品アクセスの問題が取り上げられていたりするので、自分なりに考察してみたいと思っている部分である。 医薬品アクセスといえば、AIDSやマラリアの薬が良く問題になるが、欧米製薬メーカーがアフリカなどでもきっちりと特許権を押さえていることが驚きである。 日本製薬メーカーも、アフリカ等できっちりと権利化しているのかしらね。

156頁 「アメリカ通商代表部(USTR)は「スペシャル301条報告」(アメリカ通商法スペシャル301条=他国による知的財産侵害に対する法律、に基づく報告書)を毎年発表している。」 「侵害の程度が最も悪質な優先国に日本は侵害国であるにも関わらず、政治的理由で除外されているそうである(適当に抜粋した。)。」

 日本が侵害国であるといわれてもあまりピンとこない。 未だに、盗みたおしているのだろうか? 損害賠償すれば済むということではないという意味かな。 確かに、日本企業は、多額な使用料というか、和解金を支払ったというニュースを耳にするからな。

175頁 教科書の海賊本の話が出ているが、確かに、海賊版業者というのはいたね。 アマゾンが日本にも入ってきて、海外の教科書を容易に買えるようになったのと時を同じくして、取り締まられただのの噂とともに買えなくなったなぁ。 化学者なら一度といわず何度もお世話になったはずのProtective Groups in Organic Synthesisやら、ゼミ等で勉強する際に使ったAdvanced Organic Chemistry Bやらは海賊本を持っているのが普通だったよね。 先輩が卒業する毎に代々譲り受けたりしてね。 この本によれば、現在はデジタルで海賊本作るから、見分けがつかないんだそうだ(アメリカでの話しだろうが・・・)。 昔の海賊本は一種独特の表紙紙が使われていたから、その点は愛嬌があったともいえる。

178頁 「インドは’’バイオパイラシー(生物資源の略奪行為)’’に対して特に神経を尖らせている。」

 医薬品アクセスと並んで、WTOでの南北問題として生物資源問題はよく問題になるね。 MRSAの特効薬であるバンコマイシンは、そもそもインドネシアの土壌サンプルだったかな?から、Eli Lilyの研究者が産生菌株を見つけだして、誘導体化して得られたんじゃなかったかな?? アマゾンの奥地には製薬会社の植物ハンターだかが、現住民族の民間療法から活性種を見つけ出してるなんて話もよくきくものね。 まぁ、アスピリンだって柳の皮から見いだされたもんだしね。 生物多様性条約だな。

258頁 「特許洪水」 

「その方法は、通産省管轄の日本の特許庁に外国から出願があると、競争相手である日本の企業がその外国からの特許に密接に関連する特許を、すぐさま何十件、時には何百件という単位で、その同じ特許庁に出願し審査を妨げるのである。」

 一応日本も先願主義を採用していると思うので、審査が妨げられることはないかと思うが・・・ 上述の日本が侵害国である1つの戦略として位置づけられると考えられる。 日本の米国特許簒奪の話は初見なので、なんとも批評のしようがない。 ただまぁ、そうなのだろうなぁ・・・と思うが、属地主義という考え方はあまり、この筆者には有効ではないのかな?という気がしないでもない。

264頁 「GAO(アメリカ政府会計検査院)によると、アメリカの特許制度は個人の特許権保有者の保護およびその発明の排他的使用権を個人に付与する制度が中心となっている。 一方、日本では特許制度を通じて技術を伝播し、特許が産業の発達に寄与するように図ることが主眼となっている。」

 ここは一理あると思うけど、

265頁 「GAOの報告書は、・・・、まさに日本の制度は国家建設のための、防衛的な、かつ同時に攻撃的な、戦略となってきたのである。」

 米国も国家戦略として特許を利用しているのだから、日本も国家戦略として特許を利用していいのではないのかな? これでは、まるで、日本が米国の属国なんだから、特許制度も米国風にしなければならないって言われてるに等しいよね。

265頁 「外国から日本の当局に出願された申請の承認を故意に遅らせるとか、保護項目を制限するとか、競争相手に出願内容を吟味させるとか、コメントを求めるとか、あるいは実行不可能なことを義務付けるといったことなどだ。」

 とあるけど、勉強をよくしてないから、うろ覚えというか耳学問だけど、米国だって、以前は、先願としての地位を有するには英語で出願しないと、優先権があっても後願排除効としての先願権はないみたいなことがあったんじゃなかったけ? 各国が、パリ条約等に反しない範囲で(反している部分もあるのかもしれないけど)一応の国際的な枠組みの中で保護しているのだから、特段日本が国家のためになるような法律を作って特許を保護していても問題はないような気もするが・・・ 

 216頁から217頁にかけて、日本のホテルでは盗聴されているだの、ホテルでパソコンを使用するとハードディスクが定期的にダウンロードされているだの書かれているけど、ここまでくるとホントなの?と疑いたくなる。 やっぱりスパイ映画もののように知財の世界でも謀略というものがなされているのかしらん?? また、現地情報が毎日のようの在外政府機関から経産省に送られて分析されているなんてことも書いてあるけど、外務省では、昨今のTV等で、現地の新聞情報を翻訳して、本省に送信するのが仕事だなどと揶揄されている国でそこまでのことがやられてるのかしらん??? 

345頁 「中国の経済が日本と同じように進展していくのであれば、自分たちが外国で権利を保護しておきたい技術を開発するようになって初めて知的財産の保護についての関心が高まることになるのであろう。」

 まさに、この本が伝えていることを端的に表している部分である。 歴史は繰り返すのである。 

第9章 特許戦争の項では、いかに米国が自国の技術を切り売りしようとしているか、プロパテントならぬ方向に進んでいるのか(この筆者の場合、個人の利益が損害を蒙ることを憂えているわけであるが)について記載されていて、面白い。

433頁 「アメリカ特許庁は、商務省管轄から外し、民間の理事会が運営する民間組織とする。」

 日本でも特許庁の民営化という点が議論されているようであるが(確か、弁理士会は声明を出して反対してたと思うけど、)、米国でもあるのね!! EPOは条約により作られている機関だから、民営化なんてことはなさそうな気もするが、日本特許庁とアメリカ特許庁が民営化されるなんて日がくるかもしれないってことね。 日本特許庁が民営化される日が来たときには、弁理士資格なんて屁みたいな資格になっちゃうんだろうなぁ。。。

441頁 「アメリカが特許の保護期間短縮を約束することと引き替えに日本からレーマンが引き出したことは、2ヶ月以内に日本語に翻訳して提出するという条件付きで、アメリカ側の日本での特許出願は英語でも受け付けさせるという、何とも些細な譲歩だったのである。」

 よく、日本の外交は及び腰でよくないと言われていたりするが、この本では日本の外交&通商政策は非常にアメリカに対して強行的であり、国益を考えているとなっている。 この本は、ある意味、日本国公務員がいかに頑張っているかのプロパガンダに使えるのではないかな!? うむうむ。

 やっぱり、外国語書面出願制度は米国のために入れたという話はホントだったのだね。 この辺を読むと、36条の2の青本の趣旨って何?ってなってくるけど・・・ やっぱりの建前と本音の使いわけってとこかな(弁理士たるもの建前も使える大人であれ!!!ってことか。。。)。 

454頁 「・・・「従前使用条項」(他人の特許も、もし前から自分が使っていたことを証明できれば無償で使用することが出来るとする案)は、産業界が特許ではなくトレード・シークレットの方を選ぶことを助長する、そうなると技術は隠されてしまうことになる、と指摘した。 これでは発明家は保護期間が限定され、技術も公開されてしまう特許権に対する魅力を感じなくなる。 また、そうなると社会の知識の水準が減退してしまう、というのである。」 

 従前使用条項、日本でいうところのいわゆる先使用権に該当すると思われる。 432頁にも、(個人)発明家の保護が今ひとつになると筆者が考える施策として、列記されているものの一つである。 しかし、日本では、既にその制度があって、利用されていないから、出願件数減らしのためにも、利用してくれぇ~ってなっている。 日本と米国の発明をする環境の違いがあるからなんとも比較しがたいけど、先使用権があるとそんなに発明が秘匿化されるのかね??? そもそもが、先発明主義の国なんだから、先使用権があるということは、斯かる特許権は無効なんでは? って、出願してないから、インターフェアランスはかけれないのかな??? ただ、米国法についてはほぼなんにも知らず、インターフェアランスの期間がどれだけあるのかもわからないから、先使用権を導入することにも意義が出てきてしまうのかも、である。

464頁 「「特許の審査業務の外注は全体を外注する前段階の一つのステップである。 つまり、1995年のブルース・レーマン長官が提案し、今でも大企業のほとんどがワシントンでこのためのロビイスト活動を展開し、日本およびヨーロッパ政府が支持している特許商標庁業務全般の民営化のためのワンステップ」だったのだ。」

 とあるけど、そして、これを外部委託条項というようだけど、日本政府もアメリカ特許商標庁の民営化を支持しているとなると、日本特許庁も当然民営化されるよね。 アメリカの特許商標庁だけ民営化させて、アメリカでだけは、特許権が公に権利として認可されるものではなくするとして、アメリカの知財戦略の弱体化を狙っているとは思いがたいよなぁ。 他国の特許庁だけ民営化させて自国は国営でなんて、外交通商上無理がありそうな気がするけど、できんのかな??? やっぱり、日本でも将来的には民営化とまではいかなくても、独立行政法人化ぐらいはされてしまうってことなのかもな。 となると、弁理士資格って紙くず??? というか、外部委託条項が民営化の第一歩ということは、審査の外注を盛んに行っている日本の特許庁はもはや民営化されるのが必然!?!?

495頁 「1998年ソニー・ボーノ著作権保護期間延長法」

 「その法律はもっと適切に、「ディズニー・コーポレーション著作権保護法」とでも言ったほうがよかった。 というのも、ディズニーのミッキーマウスの著作権は2003年に保護期間が満了となり消滅するはずであり、同じく、グーフィ、プルート、そしてドナルド・ダックは2009年に満了を迎えるはずであった。」

 今日本でも、著作権の保護期間を70年にというムーブメントがある。 日本弁護士会は反対声明を出したようではあるが・・・ この本でも指摘されているが、特にアメリカでは、今後も著作権は伸び続けて、商標権を超える存在になるのかもしれない・・・ いやはや、やっぱりロビー活動というのが凄い国だよね。 日本の金権政治との違いはなんなんだろうかいな???

501頁 「’’ハッピー・バースデー・トゥ・ユー’’という歌は、毎年200万ドルの使用料を稼いでいる。・・・この歌の著作権は2030年まで持続することとなった。 この歌から入る毎年200万ドルの印税のうち半分は、世界最大のミュージック商品の版元である複合メディア企業、AOLタイムワーナーが受け取る。」

 へっ!? あの歌は著作権あったのぉぉ~・・・ いやぁ、知らなかった。 

  

 

本日のキーワード: 日本は日本で・・・、米国は米国で・・・って感じ。

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2006年11月22日 (水)

知財革命

知財革命 荒井寿光 角川oneテーマ21

 そーいえば、荒井寿光氏は、内閣官房知財戦略推進事務局長だったわけであるが、小川洋氏に局長が変わりましたな。 って、小川洋前特許庁長官といえば、あの、・・・である。 まぁ、過去のことは置いといて、三井住友海上火災で禊はすんだってことかな!? しっかし、特許庁長官から、三井住友海上火災保険顧問って、これぞ天下りじゃないのかな??? 最近は、日本経済新聞社で株取引のインサイダー取引が問題になってたけど、経済産業省の問題はどうなったのかしらん。 日本ってホントニュースは一瞬で熱して一瞬で冷めていくよね・・・

 

そうそう、内容に戻ると、

 ここ数年を概観する知財分野の小泉政治振返り本という位置付け。 内容的には、ProPatentというよりは、小泉政治同様にProUSAである。 まぁ、小泉さんが、知財を活性化したから今の知財の状況があるわけで、その中で活躍されたのが、荒井寿光氏なんだから、当然といえば当然の内容。 今でこそ、知財の部局が経済産業省にあるのかもしれないが、出世コースとしての知財畑なんてぇのはないんだろうし、特許庁長官になってから知財に取り組み、これだけの時代を作り上げたんだから、その手腕は素晴らしいよね。 ただ、本自体は役人が書いた本の域を出ていなくてちょっと退屈。 虚の部分を全然出て無い上に当たり前すぎ。

 

 特許庁には、確か高橋是清の像があると思うけど、中興の祖として、荒井寿光氏の像を建ててもいいんじゃないか!!!(これはマジ思う。)

 

 この本を読んだのはちょっと前だけど、その間に、

日米欧間での特許の相互承認に向けた作業部会が設置され、

ロシアのWTO加盟に向けて米露間での交渉がスタートした。

 知財の世界はどんどん進んでいくので、キャッチアップが大変だ!!!

 

79頁 CJマーク(コンテンツ海外流通マーク)というのがあって、中国、香港、台湾で、「CJマークの商標権に基づいた侵害対策を実施していくことが可能となった。」そうである。

80頁 「中国では安くなければ売れない。 そこで音楽CDの定価を下げる。 ・・・安くした本物が日本に逆輸入するという事態が起きる。 これは値崩れを引き起こすので大変やっかいである。 そこで著作権法を改正して、税関でそうしたCDの輸入を止めることができるようにした。」

 著作権法で、特許権の国際消尽のような考え方が取り入れられているということかな? 条文をチェックしてみよう!!!

125頁 「2006年1月に「知的財産人材育成総合戦略」を作成した。 知財人材を、量も増やし、質も高めていこうとしている。 まず量であるが、日本には現在、約6万人の知財人材がいる。 知財人材とは弁理士、企業の知財担当者、特許庁の審査担当官、裁判所の専門裁判官、税関の取締官、大学の知財研究者、TLO(技術移転機関)の技術ライセンス・アソシエートなどを指す。」

 知財人材に、特許技術者等の事務所の方々は入らないのかな?

125頁 「この6万人の内訳だが、企業等の知財担当者が約4万5000人、弁理士が約7000人(これはアメリカのおよそ3分の1の数)といわれる。 これらを2015年までに、倍の12万人にしたいとしている。」

 なんだそうで、とすると、あと10年ほどで、弁理士も倍にするということかな? 任期付審査官制度以外にも審査官も倍なのかいな? なんだか、弁理士の平均給与も下がってきているとかなんだとかって話を聞くのに、さらに倍になれば益々厳しい時代の到来だなぁ。。。 その後の126頁には、夢のような話が記載されているけど、これって弁理士にも必要な素養なんだろうが、寧ろ企業の知財担当者に求められる能力ではないかな。 こうなってくると、理系の院を出てその後にMOTなどを修めるってことが必要になろうが、それって、企業が取ってくれんのかしらん。 企業のマインドの変化も起こってはきているのだろうけど、まだまだ、日本の社会はそこまで来てない気がするのおう。 って、ここに書いてあることって、結局、アメリカ追従型の知財世界なんだよね。。。

ここにも、

128頁 「大阪工業大学知的財産学部は、日本で初めて知的財産人材の教育に専門特化した学部だ。 ・・・弁理士には1人につき、5人ほどのパラリーガル(法務事務のサポーター)がつくのが一般的だ。 ・・・ 弁護士や弁理士が増える場合は、このパラリーガルも増えなければ有効に機能しない。 そうした人材を増やすためにも、知的財産学部などの存在は重要になる。」

 って、パラリーガルって、何者??? 結局、パラリーガルって特許技術者かい???

139頁 「われわれが弁理士に求めるのは、技術に強い特許の専門家という姿だ。 しかも、技術の進歩に日々キャッチアップしている弁理士を求めている。 「これなら特許になる」「こういうふうに特許を取っておけば、将来実用化したときに競争相手に勝つことができる」。 そんなふうに、技術がわかっていて、目利きのできる弁理士であってほしいと思う。 加えて私は、ビジネス感覚をも兼ね備えていることを求めたい。 特許として登録されるだけでなく、その先の商品化も見据えて、マーケットニーズに合った売れるものが作れるかどうかについても思いをめぐらせるセンスを併せ持った弁理士の登場を望んでいる。」

 なんだか、この考え方だと、弁理士は使い捨てって感じである。 技術は10年ほどで陳腐化するので、最先の技術を理解できる期間ってそうそうないよね。 となると、逆に考えると、特許を審査する審査官側もそうでなければならないということにならないのかな??? 弁理士にだけ、そういった素養を求めて、審査官にはそういった素養を求めないのは変でないかい??? なんだかんだいっても、やっぱり感覚が、お役人さまなのかもなぁ・・・ 

140頁 「ある弁理士はITに強い、別の弁理士はバイオに強い。」

 って、最先技術はITかバイオかって、児戯。

158頁 ここ重要ポイント

 「中小企業が海外での侵害から権利を守れるように、国や地方自治体も手を差し伸べ始めている。」

 ってことで、助成制度が始まっているようである。

176頁 「私は、アメリカとの間については、できるだけ早期に日米特許自由貿易協定を結び、特許の一本化を図るべきだと思っている。 ・・・同じ発明を重複して審査するというムダなことはやめて、特許を相互に乗り入れることで、日本の発明はアメリカでも守られ、アメリカの発明は日本でも守られるという仕組みを確立させるべきなのだ。」

 審査のレベルが最も離れているといわれる、日米をそろえるってまた大胆な。 ここに欧州が絡んできてないのは何故なんでしょうか? 日米特許審査ハイウェイ構想のせいかしらん!? いやぁ、ほんとアメリカ大好きでしょ!!!

 こういった流れって、アメリカが民主党政権になったら、どうなるんだろ。。。 また、あの忘れられた10年の暗黒の時代に知財もひっくるめて戻ってしまうのかな・・・ 

 

 

本日のキーワード: いまやどの世界も厳しいです。 上述とはいえ、ITの勉強も少しはしとかんとなぁ・・・

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2006年11月19日 (日)

「知財」で稼ぐ!

 昔の昔は読書が趣味といってもいいほど雑多に読んでいたが、この1年は特に、新聞を含めて読んでない。 電車の中でも、時間がもったいないので試験関連の書籍しか読まなかったし・・・ リハビリをかねて、知財関連の書籍から読んでみることにする。

 

「知財で稼ぐ!」 特許、ブランド、著作権・・・ 価値創造ビジネスの全貌

読売新聞東京本社経済部編 光文社新書 

 2004年に初版が出ているので、いまさら読む本ではない。 内容的には、特筆すべき点はないかな。 知財本はどうしても虚業についてとでもいおうか、実業を露わにした本がないのが実情である。 ノウハウ的な部分も大きいだろうし、知財戦略というとおり、戦略を詳らかに明らかにしたらねぇ・・・ ということで、こういう本を読んでも、大雑把にしか書かれていない。 竹田先生の「特許の知識」を読んでみるかな。 しっかし、持ってるのが第6版だからなぁ・・・

 

 気になった点を何点か。

123頁 「九十年代にアメリカの製造業の競争力が回復した背景には、MOT教育の成功があるとされている。 ・・・、生産コストやマーケッティング、需要予測などを頭に入れた上での、効率的な製品開発が欠かせなくなっていることが、その背景にある。 芝浦工大だけでなく、早稲田大学は大学院アジア太平洋研究科にMOTプログラムを開講し、東京大学、一橋大学などにも同様の動きが出ている。 企業の求める技術者像が変わりつつあることと歩調を合わせるように、産学連携を進める一環として、経済産業省や文部科学省の主導でMOT教育を導入する大学が増えているのだ。」

 ザ・ゴールみたいなこといってるな。。。

 MOTにいって、勉強しようかとも思っているのだけど、やっぱ、MOTを必要としているのは、現企業人に対してかもなぁ~。 それか、知財コメンテーターみたいな職を考えている人のみだろうなぁ。。。 事務所で働くとするならば、もっとMOTよりも優先すべきことがあるかもしれない。 ただ、企業ってホントにMOTを必要としているのかしらん。 理系で企業行ってMBAとって帰ってきたというのは、私の知り合いでも何人もいるけど、MOTって聞いたことないなぁ。 しかも、MBAとって帰ってきて、知財部にいるってのも聞いたことないし。 また、以前流行った、CTOだっけか?もいまや聞かないもんねぇ。 22歳でマスターから、MOTいっても今の企業なら頭でっかちの人間を欲しいかなぁ。。。 このパターンの場合、何が売りなんだ??? 研究ですら、ポスドク雇う風習がない日本だからなぁ・・・ まだまだ、日本の企業は、自前で育てるという感覚が強くって、自分で勉強してきた人間を必要としているとは思えないしなぁ。。。 

 話は変わって、最近は、学生さんのうちから、弁理士目指している人多いけど、何を考えてるんだろう。 理系にきたからには、一回くらい自分の研究者としての能力を試しなさいよ!といいたい。 大学にいる間から、弁理士の勉強してるなんて、夢がないよね。 弁理士なんて職業は、発明がなければ仕事は根本的に発生しないんだから、やっぱ、若い人は、その知性を新しいことを生み出す方に持っていって欲しいよなぁ。 それか、早いうちから資格とっといて楽したいというか、不況だからといった風な感覚があるなら、審査官になればいいのにと思う。 正直、弁理士試験は、時間さえかければ受かる試験だからね。 学生が受かるのは当たり前!! まぁ、学生とは差別化できるキャリアを持っていればいいんだから、まぁ、昨今の短期合格者達をおいらは気にしてないけどね。 そうそう、祝賀会に出てると分かるけど、短期合格者には、学生かぷぅがほとんどなので、社会人受験生の皆さんは気にすることないっすよ。 学生の短期合格者は、これは優秀なのが多いと思うけど、ぷぅはねぇ。。。 やっぱ、社会人をやりながらでも受かる試験である以上、ぷぅで受かっても評価されないと思うので、社会人の皆さんは、あまり気になさらず、勉強する時間をできるだけ作って頑張ってくだせぇ~。 

 

話戻してぇ~

136頁 「日本ではこれまで、パラリーガルに焦点を当てた動きはなかったが、大阪工業大学が2003年4月、知的財産学部を設立し、人材育成に乗り出した。・・・石井正・学部長は「パラリーガルは、医師に対する看護師、薬剤師、X線検査技師らのようなもの。この部分の厚みがなくては、地財に強みを持つ国は作れない。」・・・パラリーガルの可能性が受験生には高く評価されていると言えそうだ。」

 この部分から鑑みると、何で、大阪工業大学等でMOTとか出ると、短答が免除になるのだ? パラリーガルを育てる学部の修士課程に進めば、短答免除っておかしくね? なんだか学生集めの一環にしか見えないのは、私の目がうがちすぎなのだろうか。 論文の勉強しかしなくてよいというのは、楽でいいよなぁ。 口述の勉強は、論文後にやればいいわけだしね。 しかも、MOTは弁理士のための勉強するとこじゃないっしょ!! いやぁ、大阪工業大学の学部長さんは、特許庁の技監出身だからこの無謀いやいや失礼、要望は、きっと通るんだろうけど、なんだかねぇ。 とはいえ、そういうおいらも選択免除だから何にもいえないかな。 しっかし、金さえあれば弁理士試験は楽になるなぁ。。。 しかも、何で、短答だけを免除するの? 短答の知識があるなら、論文の知識もあるんじゃないの? それだから、特許庁の場合、年次によって段階的に、短答、論文、口述に関わらず4法+条約免除(不競法・著作権法のみ)、全部免除(有資格者)ってなっていくわけだよね。 う~ん、よくわからん免除制度の要望ではある。

 

178頁 「進展してきたMOT(技術経営)教育も、まだ十分ではないようだ。 軽部会長は、「まだ講義の域を出ていない。 起業家論をいくら教えても役には立たない。 学生が自らビジネスプランを練り、投資会社など第三者の評価を得ないと卒業できない仕組みにするなど、より実践的な内容が望ましい」と話す。 ・・・「教科書などのコピーは著作権を侵害しないのか、学生に考える感覚を身につけてもらいたい。 知財マインドを育てる観点では、大学の学部段階から知財の基本を教養として教えるべきだ」」

 なかなか、いい御言葉である。 この本で唯一ググっときた場面である。

 

 

本日のキーワード: 辛口とーくは程々に!!!

 

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