2010年12月 9日 (木)

日本弁理士会の決議文

超、久しぶりの投稿です。
 
英語は、一身上の都合により、多少先延ばししている状態にあります。
投資額が半端ないので、必ずや復活します。
 
さて、今日は、私の所属する団体が、どうも決議を出したようですので一筆。
 
遡ると、日本弁理士会は、平成22年9月15日付けで、会長名で、以下の提言を行っていました。
 
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[提言]特許出願件数激減への対応策をとるべきである

 平成21年、我国の特許出願件数は平成20年に比して11%以上減少し、34万件に止まりました。米国や中国の特許出願件数が順調に増加している状況下、我国の特許出願件数減少は「異常な状況である」と認識しなければなりません。
 我々は、日本国特許庁への多くの特許出願は日本国企業の技術開発力の成果であると共に、将来の産業競争力を占うバロメータであると考えます。特許出願の減少は、日本国企業の国際競争力の低下を意味し、我国の将来的な国力低下を予測させるものでもあり、あってはならないことであると考えます。
 これまで、我国は知的財産を活用した科学技術立国、知的財産立国の目標を掲げてきました。しかし、このような状況では目標達成も覚束なくなり、世界はもとより、アジアにおける主導的立場をとることすらできません。
 このような状況に鑑み、我々は特許出願件数を回復させるべきであり、また、国家として、そのための対応策を速やかに採るべきであることを強く提言するものであります。
 日本弁理士会は、今まで以上に知的財産権の重要性を会員に周知すると共に、独自の施策を速やかに実行するものであります。また、日本弁理士会の各会員は、今まで以上に特許を含む知的財産権の重要性を説き、優れた発明について強い特許権を得るべく、特許出願を鋭意奨励し、我国のために力を尽くさなければなりません。
 もちろん、特許庁をはじめとする各官庁は、我国の基本的開発力の成果としての特許出願を奨励し、産業再生に尽くし、国民にその成果を還元しなければなりません。特許庁は、特許出願件数増大を奨励する意見表明をし、企業などに特許、意匠、商標の出願を奨励し、特許制度的支援策を採り、審査請求料等の料金や税制などの財政面での支援策を採用するなど多くの施策をとるべきと考えます。
 我国において、唯一の無限資源といえる知的財産を活用することこそが、今後も我国が世界の主導的立場を保ちつつ、人類を繁栄に導く近道であると信じるものであります。
 
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上記は提言だったので、あまり気にも留めていなかったのですが、今度は、決議です。
 
 
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特許等出願件数激減に対する緊急対応策を講じることに関する決議

決議文

 日本弁理士会は、昨今の特許等出願件数減少傾向を、日本の知財力の低下、ひいては産業競争力の低下をもたらす事態として憂慮している。産業財産権制度の適正な運用を担う責任ある専門家集団である日本弁理士会は、かかる事態を座視することなく、その改善に積極的に取り組むべきと考える。
 そこで、日本弁理士会は、関係する政府等国家機関への提言や喚起を積極的に行うとともに、産業財産権制度の現況と展望を広く知らしめる広報活動の強化や、出願援助制度の紹介など、日本弁理士会独自の緊急施策を立案し、これを速やかに実行する。また、日本弁理士会の会員は、自らの職務を通して、今まで以上に産業財産権の重要性を説き、プロパテント政策に沿った適切な特許等出願に助力するほか、知的財産の価値の維持向上に努力する。
 もって日本弁理士会は、会員とともに、政府が標榜するところの知的財産立国の実現に向けて尽力する。
 以上を総会の総意としてここに決議する。

以上
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なんだか血判状のような、果たし状のような、古臭い感じがして、感情論的にまずかっこ悪いなぁと思うのです。
 
私、不肖なことに、弁理士会総会の案内きても、委任状すら出さずに適当に流していたのですが、そのツケとして、知らぬ間に総意として、決議文が出されてしまいました。
会員からなる総会の総意としての決議文ですから、個人的な好嫌はありますが、尽力はしていくつもりです。ですので、弁理士会会員であり、総会で定まったことですので、この投稿を持って、以後内容について文句は言いません。
ただ、弁理士会の決議にならって、私も少しだけ、自分の所属団体の動向に今後は、注意を向けてみようと考えさせられた、ある秋の昼でしたので、思わず、久しぶりに投稿してしまいました。
 
 
なお、何でこんなことに気づいたかというと、
アマチュアサイエンティストさんの、「前代未聞の馬鹿爺ども」というエントリーなのですが、
弁理士会自体は、今や、2/3くらいが昨今の易化した弁理士試験合格者(ようするに、相対として若手)が占めている団体ですので、「前代未聞の馬鹿爺ども」ではなく(爺どもとタイトル付けすることにより、老害的なイメージが湧きますので)、「前代未聞の馬鹿弁理士ども」ですね(弁理士全てひっくるめて、爺でしかないというアイロニーかもしれません。)。
 
ほんと、
「日本弁理士会って馬鹿ですか。こんな決議をするような日本弁理士会って、知財立国の弊害にしかならない。」
おっしゃるとおりでございます。。。
 
従前、特許庁が、仕事(審査)に手が回せないので、これ以上の無駄な特許出願を控えてください!実質的な審査請求の取下げを!って、各企業さんにお願いに回っていたことが嘘のような時代になっているわけですが、一応、知財業界の両巨頭足る(足らなきゃならない)、特許庁と日本弁理士会が、このような発想では、日本の知財の発展って大丈夫なんですかね?
この業界に身を置く人間として、悲しい出来事です。
 
左翼ではありませんが、求む!総括
 
 
本日のキーワード: フランスのデモを見ると、日本の平和さ、民意の低さに、思いが寄せられます。
 

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2009年7月12日 (日)

日本経済新聞あれこれ

 2009年7月8日(水)付け朝刊

 「世界のM&A 5年ぶり低水準 ファンド主導激減 医薬・資源は活発化」として、

 「医薬では1月、米ファイザーが同ワイスを09年上期で最大金額となる644億ドルで買収。 米メルクは3月に同シェリング・プラウを459億ドルで買収することを明らかにした。 資金力に余裕のある大手が事業規模を拡大し、新薬開発などに向けて経営強化を推進している。」

 欧米で同業間での大きなディールが動くのは、手元資金は株主へ!という強制力が働くからでしょうか。 株主重視といいつつも、株主に還元するくらいなら、他社を買ってしまいましょうと。 それで、経営陣としては、収入もドンドン増えていき、、、っという。

 第一三共、アステラス、田辺三菱、大日本住友となったとはいえ、日本では、まだ大型のディールは動いていないですね。 エーザイ、小野、大塚、塩野義の今後が気になるところです。

 まだまだ、創業家が強いのが日本の製薬で大型のM&Aが起こっていない所以ですかね。

 

 2009年7月11日(土)付け朝刊

 「製薬中堅の日本ケミカルリサーチ(JCR)は特許切れのバイオ医薬品と似た製法で作る「バイオ後発薬」の量産を始める。」

 「JCRの製品は10年初めにも国産品として初めて承認が得られるとみており、本格的な量産準備に入る。」

 JCRが販売を予定しているのは、EPOなわけですが、

 「EPOの新薬は中外製薬とキリンビールの医薬事業本部が1990年に発売、04年から05年にかけて特許が切れた。 08年度国内売上高(薬価ベース)は両社合計で約1100億円。」 

 EPOって、アドレナリンとエピネフリンのようなネーミングの違いってありませんでしたっけ???

 

 エスポー(キリン エポエチン アルファ)とエポジン(中外 エポエチン ベータ)です。

 

 

 なお、JCRは、先立て、本邦でバイオ後発薬として認可されたソマトロピンを販売しているようです。

 

 

本日のキーワード: バイオシミラー

 

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2009年6月27日 (土)

日本経済新聞からあれこれ

 2009年6月26日付け朝刊

 「後発薬比率 7.2%どまり」

 「厚生労働省が25日発表した2008年の「社会医療診療行為別調査」によると、薬剤費に占める後発医薬品の割合は金額ベースで前年比0.4㌽上昇し、7.2%だった。」

 元ネタはこれです。

 虫食い申請が、今後認められていくので来年その影響がどこまででてくるかですね。 そうそう先発メーカーから有力な抗生物質が新薬として発売されることはないでしょうが、おいおいとさして重要でない起因菌に対して承認申請を得る存続期間延長登録戦略に違いは出てくるのでしょうか。。。 

 そーいえば、「虫食い申請」改め「基本効能申請」と称するだとか。。。

 

 「バイオ後発薬 日本初の承認」

 「バイオ医薬品の後発薬が日本で承認されたのは初めて。 承認を得た成長ホルモン製剤の新薬は、製薬世界最大手ファイザーが販売している。」

 『厚生労働省の薬事・食品衛生審議会医薬品第一部会は29日、報告品目として、サンドのバイオ後続品「ソマトロピンBS皮下注5㎎」「同皮下注10㎎」(一般名=ソマトロピン〈遺伝子組換え〉)の承認を了承した。バイオ後続品の開発要件などを示した3月の通知に基づいて審査・了承された初めての製品。再審査期間は付かず、6月中に正式承認される。薬価については「現行ルールに基づく」(医療課)ため、後発医薬品と同様、0.7掛けで11月収載となる可能性が高い。 』といった日刊薬業の2009年5月20日付け記事もありますので、承認自体は、随分前に出ていたようですね。

 

 なお、上記通知に関するパブコメの結果は、これで、

 「バイオ後続品の品質・安全性・有効性確保のための指針」(案)に関する意見募集に対して寄せられた御意見について

 パブコメ自体は、こちらです。

 「バイオ後続品の品質・安全性・有効性確保のための指針」(案)に関する意見募集について

 

 厚生労働省から出された通知としては、

 バイオ後続品の品質・安全性・有効性確保のための指針(平成21年3月4日付薬食審査発第0304007号)になります。

 
 三重県の三重県薬事工業情報提供システムから、該通知をリンクします。

 薬食審査発第0304007号

 

 2009年6月14日付け朝刊

 「日本でも、冬季に向けて再び流行する懸念がある。 製薬業界の備えは十分か。 輸入に頼るタミフル、リレンザに続き、国産で「第3のインフル治療薬」の開発を進める塩野義製薬の手代木功社長に聞いた。」

 「-日本全土で流行した場合、治療薬は足りるのか。

 「国内にはタミフル4千万人分、リレンザ300万人分弱の備蓄があるとされている。 ・・・」」

 

 現在日本で保険適用のあるインフルエンザ治療薬としては、

 いわずとしれた、

 タミフル(オセルタミビルリン酸塩 中外)

450045_6250021r1024_1_11_fig05_2

薬効分類名 抗インフルエンザウイルス剤

効能又は効果 A型又はB型インフルエンザウイルス感染症及びその予防

  

 です(構造式は添付文書より。 以下、同様。)。

 他にも、

リレンザ(ザナミビル水和物 グラクソ・スミスクライン)

340278_6250702g1028_1_12_fig03薬効分類名 抗インフルエンザウイルス剤

効能又は効果 A型又はB型インフルエンザウイルス感染症及びその予防

 

  

シンメトレル(アマンタジン塩酸塩 ノバルティス ファーマ)

300242_1161001c1089_2_06_fig08_3薬効分類名 抗A型インフルエンザウイルス剤

効能又は効果 A型インフルエンザウイルス感染症

  

 

 アマンタジンは、予防剤としては承認は下りていないんですね。 また、正確には、塩野義のペラミビルは、第4の抗インフルエンザウイルス剤です。

 いずれも、インフルエンザウイルスに対する効能・効果を有しているのであり、インフルエンザ治療薬というものではなさそうです!

 

 アメリカはCDCのHPによれば、

 Antiviral drugs are prescription medicines (pills, liquid or an inhaler) with activity against influenza viruses, including swine influenza viruses. (抗ウイルス薬は、豚インフルエンザウイルスを含む、インフルエンザウイルスに対して活性を有する処方医薬(錠剤、液剤、又は吸入剤)である。) Antiviral drugs can be used to treat swine flu or to prevent infection with swine flu viruses. (抗ウイルス薬は、豚fluの治療又は豚fluウイルスによる感染の防止に用い得る。) These medications must be prescribed by a health care professional. (これらの医薬は、ヘルスケアのプロによって処方されなければならない。) Influenza antiviral drugs only work against influenza viruses -- they will not help treat or prevent symptoms caused by infection from other viruses that can cause symptoms similar to the flu. (インフルエンザ抗ウイルス薬は、インフルエンザウイルスのみに対して機能する-fluに類似の症状の起因となる別のウイルスよる感染によって引き起こされる症状を治療又は防止することはない。) flu=流感、インフルエンザ

There are four influenza antiviral drugs approved for use in the United States (oseltamivir, zanamivir, amantadine and rimantadine). (USにおいて、承認されている4つのインフルエンザ抗ウイルス薬がある(オセルタミビル、ザナミビル、アマンタジン及びリマンタジン)。) The swine influenza A (H1N1) viruses that have been detected in humans in the United States and Mexico are resistant to amantadine and rimantadine so these drugs will not work against these swine influenza viruses. (US及びメキシコでヒトに感染している豚A型インフルエンザ(H1N1)ウイルスは、アマンタジン及びリマンタジンに耐性があるので、これらの薬は、これらの豚インフルエンザウイルスに対しては機能しないだろう。) Laboratory testing on these swine influenza A (H1N1) viruses so far indicate that they are susceptible (sensitive) to oseltamivir and zanamivir. (これらの豚A型インフルエンザ(H1N1)ウイルスに対するラボ実験により、これらは、オセルタミビル及びザナミビルに対して感受性であることがこれまでのところ示されている。)

 

 日本との違いは、リマンタジンが日本未承認ということですな(下記構造式は、日化辞Webより)。

J8105a  

   

 

 

 

 備蓄というとき、4千万人分というのは何を意味しているのでしょうかね。 タミフルを例にとれば、用法用量は、1回75mgを1日2回、5日間経口投与するですから、1人分というには、10錠備蓄されているということなんですかね。

 

 現在日本で、臨床試験が行われている抗インフルエンザウイルス剤としては(製薬協の開発中の新薬を参照すると、)、

  塩野義の、

 治験薬記号 剤型 国内  国外 

 S-021812  注射 第Ⅲ相 第Ⅱ/Ⅲ相 導入(バイオクリスト)

  グラクソ・スミスクラインの、

 GSK1557484A   第Ⅱ相 承認 自社

  ただし、こちらは、アジュバント添加(プレ)パンデミック(H5N1)インフルエンザワクチンですから、いわゆる、鳥インフルエンザのワクチンだと思われます。 

  第一三共の、

 CS-8958       第Ⅲ相 -  自社

  財団法人化学及血清療法研究所の、

 KD-334-W  注射 申請   -  自社

  インフルエンザワクチンですが、沈降新型インフルエンザワクチンということで、鳥インフルエンザですね。

 沈降新型インフルエンザワクチンは、2社が平成19年10月には承認申請を既に受けているようです。

  財団法人阪大微生物病研究会と

  社団法人北里研究所(現在は、学校法人北里研究所だと思います。)です。

 前者からは、既に添付文書も発行されていました。

 この会社は、会社HPも更新されていないようですが、どうなってるんでしょうか。。。 他にも重要なワクチンを製造販売しているわけですので、逐次更新をしてもらい広報活動にも力をいれてもらいたいものです。

 

 Wikipediaによれば、富山化学工業のT-705というのもあるようです。

 

 

本日のキーワード: ノイラミニダーゼ阻害剤だらけですねぇ~ 何だか、耐性の観点からすると、βラクタム系抗菌剤と同じ道をたどりそうです。

 

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2009年6月21日 (日)

日本経済新聞2009年6月19日付け朝刊

 「後発薬の調剤促す」として、

 「厚生労働省は調剤薬局に対し、後発医薬品を使用する努力義務規定の徹底などを求める通知を月内にも出す。」

 元ネタは、これでしょうか。 今頃ニュースにする必要があるのですかね???

 

 きっと、ジェネリックメーカーからの依頼記事なんでしょうね! 19日はジェネリックメーカーの株価も上がったそうです。

 例えば、とあるメーカーの株価の推移をYahooファイナンスから引用です。

 チャート画像
期間: 1日 | 1週 | 1か月 | 3か月 | 6か月 | 1年

 

 調剤薬局ってどういう形式で儲けがでるんでしょうかね。 ジェネリックを売るのと、先発品を売るのとで、薬局としての売上高に差が出たりするのでしょうか? 昔は、薬価差益(参考: Wikipedia 薬価)とか騒がれ、医薬分業が進められたと理解しとるわけですが、薬による儲けの構造を今一つ理解できておりませぬ。

 

 薬価自体は、こんな感じで複雑に定めらているようですけど。

 

 

本日のキーワード: 後発医薬品使用促進規定 診療報酬の算定方法(調剤報酬点数表)

 

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2009年6月13日 (土)

日本経済新聞2009年6月12日(金)付け朝刊

 「「大学で生まれた研究成果を特例で特許化したり、利用をを促したりする仕組みが技術革新につながる」との提言をまとめた。 提言では、大学研究者が学術論文を提出した段階で特許の優先権を認める事実上の「仮出願制度」を設けるよう政府などに求めた。」

 

 他にどんな提言がなされたのか調べてみたのですが、ちょっと見つけられなかったです。 新聞情報丸のみですけど。。。 日経は、ちょっと違うだろ!って、記事多いので、上記提言が真実なのかは、???なのですけど。

  

 2009年6月14日(日)に追記です。

 不良社員@管理人さまからコメントいただいたように、上記日経の記事の内容は発言はあったが、提案はされていないとのことです。 したがいまして、既に投稿している下記部分は、その点を加味して読んでください(一度、公開してしまったので削除はしません。)。 今後、一次情報(少なくとも、事務局や講演者等の発表)に当たることができた場合に、再度確認します。

 

 とはいえ、仮に事実だとすると、ひどい提言だと思うので、突っ込み入れときます。

 

 今なら、京大がiPS細胞をタテに取れば、認められそうな制度ですね。 とはいえ、さすがに運用でどうかなる問題ではなく法改正が必要でしょうから、ワーキンググループが動くかですね。。。

 論文出す前に、特許出願しなさいよ!ってとこだと思いますけど・・・ 予算がつかないってことならば、大学だけに限るのはおかしい気もしますけど。。。 日本って、何で、特例化させるのが好きなんでしょうね。 まずは、研究者に知財教育をすることから始めるべきだと思います。。。 論文が投稿段階ならまで良いとしても、公開されたら、その時点でEPでの特許化は諦めざるを得ませんよね。 上記提言だと、その辺りを加味していないあたり、まだまだですね。。。 知財立国を標榜するなら、日本だけを見るのではなく、世界の制度を考慮してほしいものです(大学からの発信ですが、東大&京大ですからね。 東大&京大にこんな発信をさせてはいけません。)。 EPに対する代理人ではないといえ、弁理士会も、(上記のような提言をさせてはいけないということで)もっと頑張らないといけませんね。 

 私が大学にいた頃は、知財の授業なんて見向きもしないというか、講義があったのか!?というとこですが、今なら学部生の時代から教育すれば、論文よりもまず特許ってなるんじゃないですかね。。。 未だに、大学の先生の特許出願の依頼の場合、学会発表とか論文発表とかガンガンしているケースが多く、知財教育が十分ではないことがうかがわれますし・・・

 

 

本日のキーワード: どこかのブログ(こちらも再度見つけられず。。。)の影響を受けてます!!!

 

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2009年6月11日 (木)

日本経済新聞2009年6月10日(水)付け朝刊

 本日開催される「特許の国際シンポジウム」ということで、紹介されています。 行ってみたかったんですが、今回は、京都ということで、、、

 「シンポジウムでは、学術論文の提出を特許出願とみなす「仮特許制度」の新設などが議論される見込み。」

 とありますが、別に真新しくはないですね。

 後学のために、プログラムを引用します。

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オープニング

9時45分~10時主催者挨拶: 京都大学総長 松本紘/東京大学副学長 松本洋一郎
ホストシティ挨拶: 京都市長 門川大作

セッション1: 「イノベーション・システム改革に総括的な課題提起」

チェアー: 森田朗 東京大学政策ビジョン研究センターセンター長・教授

10時~10時40分特別講演: 鈴木隆史 特許庁長官
Japan’s IP Policy for Encouraging-Innovation
10時40分~11時10分基調講演: DOMINIQUE GUELLEC OECD科学技術局シニアエコノミスト
Patent Systems for Encouraging Innovation
11時10分~11時30分講演: 坂田一郎 東京大学政策ビジョン研究センター教授
Overview of Recent Trends in Patent & Innovation Research -an Academic landscape of Patent & Innovation Research

  • キーワード: イノベーション制度改革、知的財産権システムとイノベーション、バランスのとれた知的財産権システム、国際協力、PPH

セッション2: 「イノベーション戦略の変遷と知的財産権制度」

11時35分~11時55分講演: 渡部俊也 東京大学先端科学技術センター教授
Patent Value and Patent Quality for Open Innovation
11時55分~12時15分講演: PAIK SABER IBM Asia Pacific Assistant General Council
Development of Innovation Strategy and Patent System
12時15分~13時15分- Lunch Break -
13時15分~13時35分講演: YUN SUNHEE 漢陽大学校法科大学教授
Korean patent system for Innovation
13時35分~13時55分講演: 宗定勇 京都大学産官学連携センター特任教授
Civilization, Academia, Market, Innovation and Their Co-relationship
13時55分~14時15分講演: 吉野幸夫 株式会社村田製作所知的財産部部長
T.B.A
14時15分~14時55分パネルディスカッション(講演者他)

  • キーワード: イノベーション戦略と特許、オープンイノベーション、グローバル化、特許の質と価値、産学連携、韓国における特許制度改革

14時55分~15時5分- Break -

セッション3: 「近未来のイノベーションとそれに対応した知的財産権制度のあり方」

15時5分~15時25分講演: 寺西豊 京都大学産官学連携センター教授
T.B.A
15時25分~15時45分講演: 杉光一成 金沢工業大学 知的財産科学研究センター長・教授
東京大学政策ビジョン研究センター客員研究員
3D Internet and IPR
15時45分~16時5分

講演: 小田哲明 大阪大学工学系研究科特任准教授
東京大学政策ビジョン研究センター客員研究員
T.B.A

講演: 玄場公規 立命館大学テクノロジーマネイジメント研究科教授
R&D strategy analysis using Patent Database

16時5分~16時25分講演: 柴田尚樹 東京大学工学研究科イノベーション政策研究センター助教
The Structure of Science Linkage- A Case Study of Solar Cell
16時25分~17時5分パネルディスカッション(講演者他)

  • キーワード: R&D戦略、iPS細胞、3Dインターネット、太陽光発電、サイエンスリンケージ、企業戦略デザイン

クロージング/ 総括と京都からの提言

17時5分~17時20分議論の総括: 渡部俊也 東京大学先端科学技術センター教授
The Patent System in Next Generation
17時20分~17時35分クロージング: 堀場雅夫 京都大学総長顧問、全国イノベーション推進機関ネットワーク協議会会長
Message from Kyoto

  • キーワード: イノベーションを加速する制度改革、次世代の知的財産権システム、国際協力とハーモナイゼーション

その他

  • 主催: 東京大学、京都大学ほか
  • 共催: NEDO
  • 後援: 全国イノベーション推進機関ネットワーク協議会、京都工業会ほか予定

事務局
東京大学政策ビジョン研究センター (協力:知的資産経営総括寄附講座、イノベーション政策研究センター)

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 せめてここで発表する人たちがどういう人かぐらいは知っとこうかと。

 

 そーいえば、今週末は、日本知財学会の第7回年次学術研究発表会ですね。

 

 

本日のキーワード: 日本弁理士会協賛セッションは、記載要件の判断事項、権利行使の際の特許制度の在り方等

 

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2009年6月 7日 (日)

日本経済新聞2009年6月3日(水)付け朝刊

 「企業の研究開発力 HOYAやトヨタ高評価」

 という経済産業省の調査結果が出されています。

 技術資産利益率評価手法研究会より

 「平成20年度産業技術調査 「コーポレートベンチャリングに関する調査研究」調査報告書(別冊)

 です。

 

 週刊ダイヤモンド 2009 4/18特大号 ニッポンの発明力でも取り上げられていた「YK値」も取り入れられているようです。 これって、意味あるんですかね。。。 傾向をつかむという観点では、少なくとも1つの手法であるとは思いますが、国がやることなんですかね・・・ 

 

 今度、暇があれば、きっちりと読んでみようと思います!

 

 

本日のキーワード: 技術評価には興味が湧きませんねぇ~

 

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2009年6月 6日 (土)

日本経済新聞あれこれ

 昨今、日本の製薬メーカーは、ガン領域への進出をM&Aにより明確化させているわけですが、、、

 武田薬品-Millenium Pharmaceuticals, Inc.

 エーザイ-MGI Pharma, Inc.

 関連して、2009年5月19日(火)付け朝刊に出ています。

 上記以外に、

 塩野義-サイエル・ファーマ 

 第一三共-ランバクシー・ラボラトリーズ

 武田薬品-IDMファーマ

 塩野義-ビクトリー・ファーマ

 日本製薬メーカーベスト4の一角アステラスは動けていないですね。 CV Therapeutics, Inc.の件で、買収に失敗したことから出遅れているというとこでしょうか。 日本の製薬メーカーも2010年問題を抱えていることから、被買収の対象にはなり難いでしょうか。 とはいえ、また、「Pfizer to aquire Wyeth」(2009年1月26日発表)という動きもあるわけですので、欧米の再編が進むときに、日本製薬メーカーも巻き込まれるのか?! 楽しみなところです。 とはいえ、各国ごとの薬事行政があるので、M&Aが国を跨いでは起こり難いという事情もあるとは思いますが。。。

 

 前に、(M&Aの様子が各企業の国旗付きで)分かりやすい図を見た気がするのですが、見つけられなかったので、こちらのPDFファイルを(図表14です。)。 そして、2009年5月11日(月)付け朝刊に繋がるということでしょう。

 「米ファイザーに中止勧告」

 「エーザイが製薬世界最大手の米ファイザーに対し、アルツハイマー型認知症治療薬「アリセプト」の米国での共同販売促進契約などを打ち切ると申し入れたことが分かった。 ・・・ エーザイはこの買収が、アリセプトに関連した事前協定に抵触したとして、「契約を終了する権利がある」と主張した。」(参考:エーザイHP

 ワイスのAAB-001 Bapineuzumab 軽度から中等度のアルツハイマー型認知症(注射剤)の存在が、契約条項に違反するということなんでしょうかね。

 

 2009年5月31日(日)付け朝刊

 「塩野義など製薬大手 肥満症治療薬に参入」

 「エーザイや塩野義製薬など製薬各社は、肥満症治療薬に参入する。」

 「エーザイが開発中の新薬候補は、脳にある神経伝達物質の働きを強め、満腹感を高める作用があるとみられる。 米製薬大手アボット・ラボラトリーズが開発し、エーザイが日本での開発販売権を得た。 ・・・二-三年以内の発売を目指す。」

 とありますが、エーザイ(シブトラミン SNRI)のネタは古くないですかね? 2007年に製造承認申請していますので、もうじき結果が分かるんでしょうか。 抗肥満薬は概ね、中枢に働きかける薬剤ですので、機構による審査も、慎重なんでしょうか。。。 まぁ、両者の株価上昇のための新聞戦略の一環だとは思われますけど、1面に乗せるネタなんでしょうか? Photo_8

 本邦で既承認の抗肥満薬としては、ノバルティスファーマのマジンドール(サノレックス)があります(Wikipedia)。 マジンドールは、例えば、BMI35以上の患者さんに適用ですので、身長170cmとした場合、1.7×1.7×35=約101kg以上となります。 抗肥満薬に関しては、まだまだ予防の観点での投与ということにはなっていないようですね。 まずは、食事療法、運動療法で治しなさいということなんでしょうね。。。

 

 「武田薬品工業は食事で摂取した脂肪の吸収を抑制する新薬の開発に取り組んでいる。」

 Alizymeから導入しているATL-963(リパーゼ阻害剤)のことですね。 AlizymeのHPによれば、導入先である武田の方が臨床試験が進行しているようで、その状況は面白いですね。

 

 「塩野義は今夏にも、健康な人が新薬候補を飲んで安全性を確かめる第一段階の治験を始める。 ・・・ 十年以内の発売を目指す。」

 って、随分先の話ですな。。。 

 PⅠ段階にある薬剤としては、ニューロペプタイドY(NPY) Y5受容体アンタゴニストのS-2367のことでしょうか(USでの関連情報)。 

 

 武田薬品のHPを見ていて面白いなぁ~と思ったのが、2009年5月15日(金)付け朝刊にも関わるのですが(武田薬品HP)、

 「米で特許 実質延長 糖尿病薬 2016年までに」

 「武田薬品工業は十四日、主力製品の糖尿病薬「アクトス」に他の糖尿病薬の成分を配合し、「アクト・プラスメットXR」の販売許可を米食品医薬品局(FDA)から取得したと発表した。 アクトスの米国特許は二〇一一年一月に切れるが、今回の配合剤の特許は一六年まで有効。 主力製品の特許を実質的に五年間延長できることになる。」(参考 Wikipedia 2010年問題

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 武田薬品HPのニュースリリースを見てみると、

 長期投与の追加臨床試験(糖尿病治療薬として)

  SYR-322(alogloptin DPP-IV阻害剤)+アクトス(pioglitazone)

 製造販売承認申請(高血圧症治療薬として)

  ブロプレス(カンデサルタン シレキセチル ARB(アンジオテンシンII受容体拮抗剤))+アムロジピンベシル酸塩(カルシウム拮抗薬)  Photo_2

 

 

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 などなど、合剤に関するニュースリリースが多いわけです。 武田薬品が、既存薬の売上を如何に減らさないようにするかのLCM(Life Cycle Management)に眼を向けて昨今動いている(4、5年前の戦略が合剤に向いていたということですが)ことが良く分かります。

 

 上記化学式は添付文書より

 

 

本日のキーワード: 痩せ薬

 

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2009年6月 4日 (木)

武田薬品vs特許庁 2

 平成20(行ケ)10458等の裏でも、武田薬品と特許庁はバトルしてます。 まだ、深くは解析していないですが、完全に、ケ○カ腰ですな。。。 因みに、こちらは判例としての価値はほぼないですね(普通、やらない。。。)。 担当事務所はこちらです。

 

 平成20(行ケ)104761047710478

 

 ワザと?!?

 

 特許庁の審査が酷いですね。。。

 知財高裁で争うネタなんでしょうか。。。

 審判段階での主張ではない可能性が高いですけど。。。

 

 

本日のキーワード: 特許庁だいじょうぶですか?

 

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2009年6月 2日 (火)

武田薬品vs特許庁

 審決取消訴訟で、これまでの実務が大幅に変更になりそうな、判決が出されましたね。

 平成20(行ケ)104581045910460です。

 とうとう、日の目を見たというところでしょうか。 この事務所に頼んだのが良かったんですかね。 とはいえ、特許庁には、是非上告してもらいたいものです。

 

 T社の念願だった用法用量特許が認められる方向に進み、かつ、製剤特許でも存続期間の延長登録がなされると。 昨今の施策といい、先発よりですねぇ~ 今なら、医薬発明のそれはそれは厳しい実施可能要件の審査基準も覆せるかもしれません!!!

 

 業界の動き、要ウォッチングです。

 

 特許庁の特許権の存続期間の延長制度検討WGにも影響が出そうです。

 

 巷では、薬事法の改正による販売制度の変更がもっぱらのニュースですし、ちょっと前までは、豚インフルエンザのニュースで持ちきりでしたし、2010年を前に、製薬業界の賑わいが楽しみなことになっています。

 

 

本日のキーワード: 飯村コートは、とうとう特許庁の審査の運用だけでなく、過去の判例も否定し始めましたね。。。 ほんの2~3年前ですよね。。。

 

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